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究極のドライを目指す「ミレー」のインナー「ドライナミック」はどこがすごいのか?

2025.05.09
5月に立夏を迎えると猛暑日がいつ訪れても何ら不思議がない。それが近年の傾向だ。7月から猛暑日が増えて、8月の立秋を越えても気温が下がらず、9月の秋分を過ぎても大汗をかく日が続きがち。2023年7月に国連で危機感が示された「地球沸騰化(Global Boiling)」の猛威を今年も日々、痛感しそうだ。
 
快適に猛暑を乗り切るにはインナー選びが重要だ。以前から、登山の際は肌をドライに保つ「ミレー(MILLET)」のアンダーウエア「ドライナミック(DRYNAMIC)」の評価が高かったが、近年は街の猛暑対策にも実力を発揮することが知られてきた。そこでミレー・マウンテン・グループ・ジャパン株式会社を訪ね、開発者の櫻井久男さんに詳しく話を聞いた。

3種の機能素材で構成された「高さのあるメッシュ生地」が肌をドライで快適に保つ

ドライナミック メッシュ ショートスリーブ 6,600円(税込) カラーは写真のLIGHT GREYの他、BLACK-NOIR、OLIVEの3種類 サイズはEUROサイズ表記(Sサイズ=日本Mサイズ)でS-M、L-XL、XXLの3種類ありタイト目の着用を推奨 ウイメンズあり
ほぼ全体がメッシュである。フランスを代表するアルパイン(登山)ブランド「ミレー」が日本で企画開発し、世界で展開している汗処理アンダーウエア「ドライナミック メッシュ」を着ると汗の不快さが驚くほど軽減される。いわゆる吸汗速乾の機能性ウエアとは着用感がまったく異なる。これはなぜだろう?
 
「吸汗速乾の機能性ウエアにもメッシュのもの、布帛(ふはく)のものなど種類がありますが、『ドライナミック』は伸縮性のあるメッシュ生地の隙間の毛細管現象で汗をまず肌から引き離し、ウエア全体に水分を拡散して、メッシュ生地の厚みも利用しながら肌から水分を速やかに遠ざけるのが特徴です。広げてから遠ざけるので効果が速く、確実なんです。
 
吸汗速乾ウエアの多くは機能素材の構成がシンプルで、汗を拡散させるより内側から外側へ送り出す機能に主眼を置いているので、大量に発汗すると処理が追いつかず汗だまりができやすい。汗だまりは肌がベトベトしたり、気化熱で体温を奪われて汗冷えを起こしたりする要因になる。『ドライナミック』は汗を拡散して肌から離すのが長所です」
伸縮性の高いメッシュ生地で汗を拡散し、生地を構成する3種の素材で肌と汗を引き離す「ドライナミック」
たしかに「ドライナミック」を着て山登りで大汗をかくと、汗がウエア全体に広がって生地の内側ではなく外側にたまる感じがする。内側はドライで快適なのでストレスにならない。外側の汗は自然乾燥に任せておける。街でも猛暑日に半袖シャツの下などに着ると、汗処理が速やかなので涼しく過ごせる。
 
「伸縮性と疎水性が高く、熱伝導率が低いメッシュ生地を実現するため、試行錯誤を繰り返した末にポリプロピレン66%、ナイロン28%、ポリウレタン6%という機能素材の黄金比を見つけました。この黄金比は当初、企業秘密にしていましたが、比率を明かしたところで同じ生地を作ることは不可能と判断したので公開しています。
 
毛細管現象を利用した汗処理の構造を、3種の機能素材で作り上げました。テンションの違うポリプロピレンとポリウレタンの糸をミックスすることで、着用したときにメッシュの高さが出るようになっています。この高さを生かし、肌と汗を引き離すわけです。
 
ポリプロピレン繊維は疎水性で水分を弾く性質があります。全体の66%を占めるポリプロピレン繊維の隙間に毛細管現象を使って汗を拡散させます。ポリウレタンの糸には肌触りのいいナイロンが絡めてあり、これが着心地のよさに影響します。コンピュータを使って特殊なメッシュ生地を編む技術は『ミレー』が独自に開発したもので、非常に高度で独自性が高いため簡単には再現できないものとなっています」

機能素材のウエアにかぎらず、手持ちの服に合わせても効果を発揮する点がすごい!

多くの機能性アンダーウエアは、その上に吸汗速乾ウエアを重ねることを推奨している。「ドライナミック」がそれらと一線を画する点は、たとえば綿製品やウール100%製品などを上に着ても肌面のドライさをキープする機能が損なわれないところだ。
 
「速やかに水分を拡散して汗だまりを作らないため、天然素材の服と重ねて自然に乾燥させても、肌の不快感や汗冷えにつながりにくいんです。ショートスリーブやノースリーブ、ボクサーパンツといった丈の短いアイテムはもちろん、夏でも丈の長い上下を着るとより快適に感じられるので、もしよければお試しください」
ドライナミック メッシュ 3/4 スリーブ クルー(上半身)と、ドライナミック メッシュ 3/4 タイツ(下半身)の着用例 炎天下、スーツの下に着るのもおすすめ
エンタメ業界ではステージ衣装の下に「ドライナミック」を着用して、大量発汗によるパフォーマンスの低下を最小限に留める工夫が広まっているらしい。ビジネスシーンできちんとした服装が求められるときも、下着ひとつで快適さが大きく違ってくるだろう。もちろんアウトドアでは、機能素材との組み合わせで効果の最大化を図るのもいい。

より街着にしやすい姉妹品「ドライナミック スルー」は夏の暑い日に1枚で着用する人も

ドライナミック スルー II クルー ショートスリーブ 5,170円(税込)は、ドライナミック メッシュよりややゆったり着られる
全体的にメッシュでタイト目に着る「ドライナミック メッシュ」と異なり、ややゆったり着用できる「ドライナミック スルー」は肌面に設けた凹凸により、汗が拡散した生地と肌の接触を少なくして快適さを保つ。汗処理の機能は「ドライナミック メッシュ」のほうが高いが、「ドライナミック スルー」は日常的に着こなしやすい。
 
「もともとはアンダーウエアとして開発した『ドライナミック スルー』を、最近あまりの暑さに1枚でTシャツのように着る方が増えました。『ドライナミック メッシュ』が単独ではなく上に何か着る前提の機能下着であるのに対し、『ドライナミック スルー』についてより自由な着こなしが可能です」
 
いずれもメンズ、ウイメンズ、丈の長短など選択の幅がある。これからの季節、アウトドアでも街でも状況に応じて活用しやすいアイテムを選んで、ドライに心地よく過ごす秘密の装備にしてはどうだろう。

PROFILE

櫻井 久男(さくらい ひさお)

ミレー・マウンテン・グループ・ジャパン株式会社
ブランドマネジメント部シニアブランドマネージャー
機能の高さで知られる「ドライナミック」「ティフォン」など日本企画でグローバルに展開されるウエア、ギアを数多く開発。それらの生産技術の高さにも自信を持つ。

Text by Naoki Sakata 

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