

夏のキャンプは、とにかく暑い。標高の高いキャンプ場を選んでも、いざ設営や撤収などで動き出せば、もう汗は止まらない。近年は猛暑日も珍しくなくなり、「夏キャンプは好きだけど、暑さだけはどうにもならない」と感じている人も多いだろう。
そんな夏キャンプを少しでも快適にできないか。キャンプ女子として知られる森風美が、さまざまなアイテムをフィールドで実際に身に着けながら、機能と実用性を検証する連載「キャンプ服の実力」。第5回は、HHHEADSHOP(ヘッドショップ)が手掛けるファッションと空調服を融合した「RICO AIR FAN ジップアップ」を取り上げる。
PROFILE
森風美(もり・ふうみ)
1994年生まれ。幼少期からアウトドアに親しみ、慶應義塾大学在学中にソロキャンプの世界へ。フィールドでの実体験を軸にギアやウエアを選び、女性の視点からアウトドアの楽しみ方を発信。モデル・執筆・PRなど幅広く活動中。
空調服のイメージが変わった

今回検証した「RICO AIR FAN ジップアップ」は、スタイリスト・望月唯氏が手掛けるファッション×空調服シリーズの第2弾。「ファッション」と「空調服」を融合させ、街からキャンプシーンまで一日を通して着続けられる一着を目指して開発された。



普段は車で全国各地を旅することも多く、炎天下での設営や突然の夕立も数え切れないほど経験してきた森さん。これまでも暑さ対策として空調服を着ることはあったが、デザインや着心地はある程度妥協するものだと思っていたという。
「正直、空調服ってキャンプでは選ばないかなって思っていました。でもRICO AIR FANを着てみたら、思っていた空調服とは全然違いました!」
夏キャンプで本当に使える? 4つの視点で検証
空調服は、本当に夏キャンプを快適にしてくれるのか。森さんが設営から撤収まで、着用しながら4つのポイントを検証した。検証1|涼しさ

空調服といえばまず気になるのは、やはりファンによる送風効果だ。設営を始めると、夏のキャンプではすぐに汗が噴き出してくる。そんなタイミングでファンを回すと、服の中を風が循環し、汗が乾いていく感覚があったという。

「想像以上でした。もちろん外にいる以上暑いのは暑いんですけど、服の中を風がずっと流れているので体感が全然違います。暑さがなくなるわけではないんですが、『もう暑くて嫌だ』ってなる時間が減るんですよね。そこが一番大きかったです」
風量は5段階で調節でき、弱設定なら最大約20時間の使用が可能。暑さそのものをなくすというより、「暑さを我慢する時間が減る」という感覚が、このウエアの価値なのだろう。
検証2|静音性

空調服というと、「音がうるさいのでは?」と気になる人も多いだろう。特にキャンプ場は静かな環境だからこそ、動作音が気になれば使う場面は限られてしまう。しかし、森さんが実際に着用して感じたのは、予想以上の静かさだった。

「もっとファンの音がするのかなと思っていたんですけど、全然気になりませんでした。遠くで扇風機が回っているな、というくらいの感じ。周りの人と普通に会話もできますし、『空調服の音が気になる』ということはなかったですね」
もちろん無音ではない。それでも、キャンプ場の静かな時間を邪魔するような煩わしさではなかった。
検証3|動きやすさ

空調服は風が入って膨らむため、「動きにくそう」とイメージする人も多い。しかし実際は、設営から片付けまで、「一日を通して動作にほとんど違和感はなかった」と森さんは語る。

「設営中も、どんちゃんと遊んでいるときも、本当に着ていることを忘れるくらいでした。
しゃがんだり腕を伸ばしたりしても全然突っ張らないんです。風が入って膨らんでいるのに、動きにくさは感じませんでした」
ただ、気になった点もあった。

「バッテリーは思っていたより少し重さがあります。左右のバランスを取るために反対側のポケットにスマホを入れていたんですけど、左右は気にならなくなる一方で、今度は前後のバランスが少し変わる感じはありました」
本製品にはバッテリーホルダーも付属しており、ベルトなどに装着して使用することもできる。重さが気になる人は、こうした使い方を試してみてもいいだろう。
検証4|キャンプでの実用性

涼しさや動きやすさだけでは、必ずしもキャンプで使いやすいとは言えない。移動から設営、休憩、撤収まで、一日を通して快適に着続けられるかも重要なポイントだ。


「車の運転中も気にならなかったですし、そのまま設営に入れるのがすごくラクでした。ファンの位置が脇腹寄りなので、椅子に座ったときに背中にあたらないのもいいですね。キャンプって座っている時間も長いので、すごく使いやすいと思いました」

さらに印象的だったのは、一日着続けても不快感が少なかったことだという。
「いっぱい汗をかいたんですけど、ベタッとする嫌な感じが全然ありません。半袖の部分がずっとサラサラしていて、本当に快適。着続けられるって、夏のキャンプではすごく大事だなと思います」

一方で、長時間使うならバッテリーの運用は考えておきたい。
「バッテリーは最大で20時間ほど使えますが、風量を最大にすると4時間ぐらい。1泊2日のキャンプの場合、途中で充電が必要になることもあると思います。ポータブル電源と専用の充電ケーブルを持っていけば安心ですね」
暑さを我慢する時間を減らす

夏のキャンプから暑さがなくなることはない。それでも、暑さを我慢する時間を減らすことはできる。
ただ、価格は34,980円。決して安い買い物ではない。
「価格は結構しますよね(笑)。でも最近は夏が本当に暑いですし、暑い期間も数ヶ月は続きます。私みたいにアウトドアへたくさん行く人や、外で過ごす時間が長い人なら、投資する価値はあると思いました」
暑さをゼロにすることはできない。それでも、我慢する時間を減らせるだけで、夏キャンプはずっと快適になる。今回の検証で見えてきたのは、そんなシンプルな価値だった。
今回の検証の様子は、動画でも公開している。ファンの風量や着用時のシルエット、設営中の動きやすさなど、写真だけでは伝わりにくいポイントは映像もあわせてチェックしてほしい。
Text by Tadayuki Matsui
Photo by Akinori Kawanishi
Original Movie






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