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驚異の吸水拡散性と通気性! モンベルの「ウイックロン」が 酷暑の都市生活にもたらす恩恵とは?
進化を続けるアウトドアプロダクトは、厳しい都会の夏を乗り切るうえでも頼りになる。
風通しがよくて、乾きやすく、紫外線をカットする。肌触りはコットンのようにしなやかで、ケアもイージー。実際、街中での利用者も多いという。モンベルが誇る夏の切り札となる素材を採用したアイテムについて、PR担当の宝迫さんとともにその実力に迫ろう。
PROFILE
宝迫 哲史(ほうさこ てつし)
株式会社モンベル広報部
店舗スタッフを務めたあと、広報部の担当になる。好きなアクティビティは登山とクライミング。休日は岩場でクライミングを楽しんでいる。
モンベルが開発した高機能ポリエステル素材
「ウイックロンがデビューしたのは1987年です。それまではTシャツにはウールやコットンといった天然素材を使用していました。それらの素材は汗や湿気を吸収してくれるものの、乾きが遅く、汗冷えによって体温を奪われるという欠点がありました。そこで登山など、アウトドアアクティビティに対応できる高機能なポリエステルを開発することにしたんです」
盛り込まれたのは、吸水速乾性、通気性、肌触りのよさ、UVカット、消臭という5つの機能だ。

繊維の毛細管現象が生み出す優れた吸水拡散性
「もっとも重要なのは吸水拡散性です。登山では、汗をかいたり、雨に降られたり、ウエアがぬれる多くの場面に遭遇します。服の水ぬれを放置すると、不快なだけでなく、汗冷えによって体温が奪われ、体のパフォーマンスが低下します。ウイックロンは汗をしっかり吸い上げ、すばやく乾かすことで汗冷えを防ぎます」
優れた吸水拡散性は繊維の毛細管現象を利用したもの。
「吸水拡散性とは、汗などの水分を吸い上げて、生地表面に拡散・蒸発させる機能のこと。ウイックロンは繊維の隙間にある細い管状の空間を伝って液体が移動する毛細管現象によって、水分がすばやく拡散されることで、乾きやすくなります」
さらに特殊な形状の繊維も吸水性の向上をサポートする。
通常の繊維の断面は円ですが、ウイックロンは断面が十字になった繊維を使っています。この十字断面長繊維を使うことで、水を吸い上げる力が高まります」

吸水速乾性は実験によって証明されている。
「コットンとウイックロンに同量の水を垂らし、数分後に比較しました。コットンは水が狭い範囲にとどまる一方、ウイックロンでは拡散しているのがわかります」

「こちらの実験では、コットンとウイックロンで、左右の素材を切り替えたTシャツを製作し、洗濯後の脱水した状態を比較しました。脱水直後にもかかわらず、ウイックロン側の水分量は明らかに少なくなり、かつ若干乾き始めていました」
通常のコットンTシャツと比べて、乾くまでの時間はおよそ半分ですみます。
「すばやく乾くということは、ベタつきを感じにくくなり、快適な着心地が持続することも意味しています」
汗冷えが体に及ぼす影響を示す実験も行われている。
「水の熱伝導率は空気の約25倍にものぼります。肌やウエアを汗や雨でぬれたままの状態にしておくことは、体の冷えの要因のひとつになります。
この実験では、先ほど使用した切り替えTシャツを脱水して着用し、風を当てて15分後の体温を計測しました。ぬれたコットン側の体温が低下しているのがはっきりわかります」

けばの少ない糸で通気性と耐久性を向上
通気性の問題はけばの少ない糸を使うことでクリアした。「通常の糸とは異なる特殊な方法で紡がれた糸を使っています。一般的な紡績糸はけばが多いため、素材の通気性が低下しがちですが、ウイックロンはけばを少なくすることで、高い通気性を実現できます」

毛玉ができにくい点もこの素材の強みだという。
「一般的なポリエステル繊維は繊維自体が長いため、擦れた際に毛玉になって残ってしまいます。ウイックロンは表面に短い繊維を使用しているため、毛玉になる前に毛が脱落することにより、毛玉による素材の劣化がおきにくくなります」

しなやかな肌触りの秘密は表裏の異なる素材使いにある。
「ウイックロンには2種類の繊維で構成された素材を使用しています。肌に当たる側には十字断面長繊維でできた素材を使用しつつ、生地の表側には短い繊維でできた素材を使っています。こうすることで、吸水拡散性とコットンのようにソフトな風合いを両立できるんです」
アウトドアシーンで役立つUVカットと消臭機能
UVカットも登山には欠かせない機能のひとつだといわれている。標高が1,000m上がるごとに、紫外線量は約10~12%増加するといわれる。また、山の上は日陰が少なく、地面からの反射も強い。
「そこで糸の編み方を工夫することで、素材の紫外線遮蔽率を高めました。白色の生地でも90%以上のUVカット効果を発揮します」
さらにコーティングやスプレーによる後加工ではなく、素材自体が紫外線をカットする構造のため、洗濯を繰り返しても機能が低下しにくい。
また、登山中は汗をかきやすく、こまめに洗濯できないこともしばしばある。そんなときにものをいうのが消臭機能だ。
「ウイックロンを使用したウエアには、光触媒でニオイを分解する機能を備えたモデルもそろっています。光触媒とは紫外線や可視光によって発生した活性酸素を利用して、ニオイの原因物質を分解するテクノロジーです。
光触媒効果を持つ粒子は繊維に練り込んでいるため、消臭効果は洗濯を繰り返しても低下することなく、半永久的に持続します」

着用シーンに応じて4つのシリーズを展開
現在、ウイックロンは4つのシリーズが展開され、気温や運動量、着用シーンに合わせて最適なウエアを選ぶことができる。
夏の売れ筋は「ウイックロン クール シリーズ」だ。同シリーズは、「ウイックロン クール」と「ウイックロン クールライト」の2モデルがある。
「ウイックロン クールは暑い時季のアクティビティ全般に対応するモデルです。こちらのクールTは2層構造の素材によって汗をすばやく吸水拡散し、常に快適な着心地をキープします」

「ウイックロン クールライトは、非常に薄く編み上げた生地を使うことで、清涼感と軽量性を高めたカテゴリーになります。真夏の低山ハイクやトレイルランニングにおすすめです」
「クールライトT」は80g(平均重量)とモンベルのTシャツの中で最軽量を誇る一枚。今シーズンはモデルチェンジによって、フィット感を高めるよう襟元が改良された。

「ウイックロン ZEOは、ウイックロンを立体構造に編み上げることで空気層をつくり出し、適度な保温性を付与した素材を使ったシリーズです。標高や天候による寒暖差の大きい場所や汗冷えが心配なシーンに適しています」
「ウイックロン ZEO T」は体の動きを妨げないすっきりとしたシルエットが特徴で、春夏のトレッキングでは一枚で行動着に、秋冬にはインナーとして活躍する。
より保温性のあるウイックロン ZEO サーマルのカテゴリーには、ジャケットとジップアップシャツのみの展開となっている。
断熱材になる空気を挟み込んだ立体構造の素材が使われており、夏の高山でのミドルレイヤーや、春秋の行動着に適している。

発売から40年近くが経過し、ウイックロンのTシャツは夏のモンベルを象徴するアイテムとなった。
「男性用から、女性用、子ども用まで幅広く商品をラインナップしています。着用シーンも広がりを見せ、登山や沢登り、カヤックといったアウトドアアクティビティに加え、サイクリングやランニングといったさまざまなスポーツで使用されています」
デイリーウエアとしての利用も年々増加している
「夏になると、街中でもウイックロンのTシャツをよく見かけるようになりました。登山で培われた機能は、過酷な都会の夏を乗り切るうえでも真価を発揮するでしょう」モンベルのウイックロンは、山でも街でも、高いパフォーマンスを見せつけている。 その驚異的な吸水拡散性と通気性が、酷暑の都市生活に“快適さ”という確かな恩恵をもたらしてくれる。
Text by Ryota Osujo


















