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より涼しく、よりナチュラルに:宇宙技術も搭載したMOONRAKERS(ムーンレイカーズ)の新作Tシャツ「MOON-TECH®nature(ムーンテック®ナチュール)」の進化とは
最新の先端テクノロジーと日々の生活をダイレクトにつなぎ、快適さ・便利さ・美しさを兼備した「未来の繊維」の創造を目指す、東レ株式会社発のスピンオフベンチャー「MOONRAKERS(ムーンレイカーズ)」。
昨年、わたしたちはそのMOONRAKERSが開発した「過剰なほどの機能性」を持つプロダクト、東レとJAXA(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)が共同開発した宇宙技術を筆頭に、12個もの高機能を搭載した「MOON-TECH®(ムーンテック®)Tシャツ」を取材させてもらった。
今回、そんな「MOON-TECH®」を更に進化させたプロダクト、「MOON-TECH®nature(ムーンテック®ナチュール)」が登場したという。そこでMOONRAKERS TECHNOLOGIES 株式会社 代表取締役・西田誠さんに、どのようなアップデートが行われたのか話を伺った。
PROFILE

西田 誠(にしだ まこと)
東レ発のスピンオフベンチャー、MOONRAKERS TECHNOLOGIES株式会社 代表取締役社長
東レ入社後、素材開発に携わり20代で当時の先端素材フリースでの新事業に挑戦。ユニクロへの飛びこみ営業で超大型契約を締結するという大きな成果を達成。2度目の新事業も先端素材を使用した縫製品ODM事業を立案。7年で50億円規模に事業を拡大するという成功を収めた。その後、3度目の新事業でも先端素材をベースに東レで前例のないD2Cビジネス、プロジェクト「MOONRAKERS」に挑戦し事業立ち上げに成功。 2023年にさらなる発展を目指して事業をスピンオフし独立起業。
お客様の声から生まれた、まったく新しいTシャツ
新たにリリースする「MOON-TECH®nature」は、どのような経緯で誕生したのでしょうか?
お陰様で「MOON-TECH®」は、自分たちが驚く程のヒット商品となりました。一方、これまでの「MOON-TECH®」シリーズへのユーザーからのフィードバックとして、「真夏は生地の厚みが気になるときがあるので、もっと薄く涼しくしてほしい」「コットンのようなナチュラルな風合いで、日常的に取り入れやすいTシャツがほしい」という声をいただいたことがきっかけで、新たな生地の開発をスタートしました。素材の特徴について教えてください。
これまでの「MOON-TECH®」は、表側に汗ジミや透け防止、UVカット機能を持つ原糸を、裏側にストレッチ性が高い原糸を採用し、その2つの糸を重ねて一枚の生地にしていました。
一方、「MOON-TECH®nature」は、その2つの原糸を「延伸複合」と呼ばれる技術を用いて1本の糸として構成しました。1本の糸から作られており、糸を表裏で重ねる必要がないぶん、より薄手な生地を実現できるというわけです。
ただ、複数の機能を持つ2本の糸を単純に1本の糸にするだけでは、各機能の効果が十分に発揮されなくなります。たとえば、裏に使っている糸には汗ジミ防止機能がないため、単純に複合するとその機能が落ちる箇所が出てきたりします。
そこで、糸を複合する際に、従来裏面に使用していた糸が内側に、汗ジミ防止などの機能を持つ糸が外側に来るように複合を行っています。それによって、目的とした生地の薄さを実現しながら、「MOON-TECH®」の持つ各機能が落ちないようにしています。

「MOON-TECH®」には12個もの機能が搭載されていますが、「MOON-TECH®nature」も同等の機能を有しています。異なる組成の生地ですので、もちろん微妙なデータの差異はありますが、基本的な機能性はそのままに、今までにないナチュラルで繊細な質感とタフな耐久性を持ちえたところは「進化」と言っても良いと考えています。

コットンのような風合いで、より日常に取り入れやすくアップデート
コットンのようなナチュラルな見た目も変化したポイントですよね。どのように表現しているのでしょうか?
「MOON-TECH®」で使っている表側の糸と裏側の糸は伸縮性がまったく異なります。表の糸はまっすぐに近いのですが、裏側の糸はストレッチ性を出すためにスプリングのような形になっています。それではこの2つの糸を1本の糸にするとどうなるか? ランダムで、だからこそナチュラルな風合いになるんです。
基本的に、合成繊維は天然繊維に比べ均一です。そのため、生地の表面は均一な美しさがありますが、天然繊維の持つナチュラルなゆらぎはありません。「MOON-TECH®︎nature」はこの糸構造のランダム性で、コットンのようにナチュラルな風合いを実現しています。

「ムーンテック Tシャツ」の比較的スポーツウエアに近い質感に対し、より合わせる服を選ばない風合いになったことで、女性からも大変好評です。
ただ機能性や耐久性はもちろん合繊なので、コットンのようにへたったり黄ばんだりといった変化はしにくいんです。合成繊維と天然繊維のいいとこ取りをしながらそれらを超えていく、いわば「未来の繊維」のようなものができたのではないかと思います。

その他、デザイン面で「ムーンテック Tシャツ」から変更した部分はありますか?
MOONRAKERSはファッション性の高さではなく、癖がなく日常生活で使いまわししやすい服を目指しているので、基本的にはベーシック/スタンダードなTシャツであり、大きな変更はありません。ただ、襟まわりは、進化した素材の良さをより反映させるために従来よりもやや広めに抜け感のある仕様にしました。また着用したときに、よりシャープな印象になるよう首元のリブを5mmだけ細くリサイズしています。これはMOONRAKERSならではのこだわりです。シンプルだけれど上質で美しい服にするためには、こうしたディテールを突き詰めることが重要だと考えているからです。

MOONRAKERSが見据える「繊維の未来」
開発する上でどのような苦労がありましたか?
私たちはユーザーの声を基に商品企画を行うプロジェクトなので、お客様から日々忌憚のないご意見をいただいています。元々、ユーザーから遠い素材メーカー発のプロジェクトなので、ダイレクトなユーザーの声は本当にありがたいし、嬉しいものです。ただ、集まったたくさんの声を、どうプロダクトに落とし込み、形にするのか?という点は苦労しましたね。声をそのまま形にするだけでは十分とは言えず、ユーザーが本質的に求めているものは何か考えて、正解を見出していく。
そのためには、単に声を集めるだけでなく、濃密な双方向のやり取りが必要です。今回の「MOON-TECH®nature」では、それが出来たことで、完成度の高いプロダクトになったと感じています。

MOONRAKERSはリピート率が高いのが大きな特徴で、平均して55〜60%を維持しています。新規で購入してくださる方がどんどん増えているにもかかわらず、リピート率が下がらないのは、増えたユーザーもずっとわたしたちのプロジェクトに同伴してくれているからです。
そんな熱いユーザーを持ちえたからこそ、わたしたちはユーザーとの濃密な双方向のやり取り、そしてそこから生まれる間違いのない明確な方向性という、従来のアパレルブランドではなかなか得られない素晴らしい羅針盤を備えられたのだと感じています。
最後に、今後の展望をお聞かせください。
ブランドとしては、「日本にモノづくりを取り戻すプロジェクト」として、「M∞Nクラスター」構想をスタートさせました。このプロジェクトでは、日本の縫製産業を再興し、地方に雇用を取り戻すことを目指しています。縫製工場同士の地域クラスター化による「知の共有」に加え、素材メーカーやアパレル、小売り、ユーザーとの製販一体型の連携により、バランスの取れた適切な収益配分という新たな水平分業体を構築する予定です。これは、「シン・繊維産業」とも言える新たな産業を創造する取り組みとなります。
まずは福岡に設立した「今宿リンクラボ」を拠点に、九州を中心とした縫製工場の連携を進めており、第1回の集会には13社が参加しました。

わたしたちは、ここを拠点として、最速1日でのサンプル高速生産や、素材メーカーや縫製工場間の連携強化、ユーザー参加型の施設運営により、サステナブルかつ持続可能なファッションビジネスを創造していきます。失われつつある日本の“モノづくり”を取り戻し、志あるすべての関係者とともに産業の未来を切り開いていく決意です。
誰も見たことのない新しい素材をアイディアと技術力で生み出し、徹底した国内でのモノづくりによって、日本の繊維産業を再び盛り上げるべく挑戦を続けるMOONRAKERS。彼らが目指す繊維の未来は、すぐそこまで来ている。
Text by 三浦 希













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