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約20万点が即完売! ワークマン「XShelter」がさらに進化した「XShelter断熱βライトウォームジャケット」の開発の裏側

2025.09.01
2024年秋冬に初登場した、ワークマンの独自開発素材「XShelter(エックスシェルター)」。同シーズンでは、「断熱」をキーワードにした「暑さも寒さも感じにくい服」を発売し、約20万点が即完売となった。続く2025年春夏では、「XShelter」に「超透放湿」や「暑熱」といった機能を掛け合わせた製品を展開し、いずれも大きな人気を集めた。
 そして、2025年秋冬でワークマンは「XShelter」をさらに進化させる。新たに「断熱α」と「断熱β」と銘打った新素材を開発したのだ。今回は「断熱β」を搭載した新製品「XShelter断熱βライトウォームジャケット」の企画に携わる、株式会社ワークマン製品開発第6部チーフバイヤー羽倉優太朗さんに、ワークマンの公式アンバサダーである山田耕史が、開発にまつわるエピソードを伺った。

さらに進化した「XShelter」の「断熱α」と「断熱β」の違いとは?

山田耕史(以下、山田)2024年秋冬に発売した「XShelter」に対するユーザーの反応はいかがでしたか?
羽倉優太朗(以下、羽倉)ほとんどの製品が発売後すぐに完売となったので、非常に手応えはありました。一般のお客様だけでなく、ワーカーの方からもご支持をいただけたのがうれしかったですね。
山田そんな大人気の「XShelter」が、発売から1年も経たずに大幅リニューアルすることを知り驚きました。新しく開発された「断熱α」と「断熱β」について、詳しく教えてください。
羽倉「断熱α」は従来の「XShelter」と同じ仕組みで、断熱シートに発熱綿を組み合わせることで、プラス30度の「熱の壁」を作り出して、外気をシャットアウトします。
ワークマン「XShelter」解説動画より
羽倉「断熱β」は発熱綿がなくても高い断熱効果が得られないか、というアイデアから生まれました。それを実現させるためにまず必要となったのが、従来の「XShelter」に用いられていた断熱シートの能力を上回る、超強力な断熱材の開発です。それに加え、「断熱β」では生地のストレッチ性にも挑戦しました。
 ワークマンの製品の多くはワークシーンだけでなく、スポーツやアウトドアなどさまざまなアクティブシーンでご着用いただいていますが、昨今はどんなシーンでもストレッチ性は強く求められています。
インナーはストレッチ性があるのに、アウターにストレッチ性がないと、一緒に着用したときに魅力が半減してしまいますよね。ですので、「断熱β」では「強力な断熱力」と「ストレッチ」という2つの機能の実現に挑戦しました。
ワークマン「XShelter」解説動画より
山田具体的にどういった仕組みになっているのでしょうか。
羽倉3つの要素を組み合わせています。まず、NASAが宇宙服に使っている「エアロゲル」。「空気よりも軽い」と言われるくらい非常に軽量であるにもかかわらず、ガラス5枚分という高い断熱性を誇る素材です。
続いて、吸熱と放熱を繰り返すことで熱エネルギーを吸収し、快適な衣服内温度を保ち、外部環境温度を無効化する「PCMマイクロカプセル」。これは、近年の猛暑対策アイテムとしてよく見かけるようになったネッククーラーなどにも使われている素材です。
 さらに、ナノレベルで分子結合の構造を変化させる「変性ポリマー骨格構造」を用いることで、360度ストレッチを実現させました。
ワークマン「XShelter」解説動画より
山田なんだか凄いことになっていますね(笑)。
羽倉詳しく説明するともっと難しくなってしまうのですが(笑)、シンプルに言うと高いストレッチ性を備えた高機能の断熱シートが開発できた、ということです。
「断熱α」と比較して「断熱β」の断熱性は20%高く、発熱綿がなくても20度以上の吸光発熱を可能にし、さらに高い抗菌・防臭機能と1000g/㎡24h(24時間あたり)の透湿性も備えています。
ワークマン「XShelter」解説動画より

ワーカーのニーズを満たすディテールの数々

山田今回ピックアップした「XShelter断熱βライトウォームジャケット」について、詳しく教えてください。
ワークマン「XShelter断熱βライトウォームジャケット」(サンプル)2,900円(税込)
羽倉こちらは主にワークシーンを対象として開発した製品です。実は、今手元にあるのは開発途中の試作品なんです。実際の製品は、もっとスタイリッシュになりますよ。
山田楽しみです。ワーカー向けの特徴的なディティールなどがあるのでしょうか。
羽倉これまでワークマンが培ってきた機能を惜しみなく投入しています。
たとえば、胸ポケットには特殊なジッパーを採用していて、引手を上にしているとジッパーが開かないようになっています。走ったりしても勝手にジッパーが下がらないので、スマートフォンや財布などを入れるのに最適です。
(画像はサンプル)
羽倉今回「断熱β」を開発した理由のひとつに、暖冬があります。今後、暖冬がさらに進むと、防寒力が高い重アウターのニーズが少なくなる可能性があります。とはいえ、極端に寒い日がまったく来なくなるわけではないでしょう。
 ワークマンでは以前からナイロンシェルにフリースベストを組み合わせるなど、異なる製品をレイヤードできる規格を、いくつかの製品で採用しています。
この「XShelter断熱βライトウォームジャケット」もその規格に沿った仕様となっているので、たとえばバイク向けのライダースジャケットの中に仕込んで、ライダースジャケットの防水防寒力に「断熱β」の断熱性をプラスする、などという活用もできるようになっています。
 また、「断熱β」は生地の厚みにも非常にこだわっています。分厚ければ分厚いほど断熱性は高まるのですが、そうするとレイヤードしづらくなったり、動きづらくなったりしますし、シルエットが野暮ったくなることもあるので、最適な厚みを目指して試作を何度も繰り返しました。
(画像はサンプル)
羽倉内側の大容量ポケットは、ワークシーンで非常に重宝されています。最近はタブレット端末が現場での必須アイテムになっているので、ポケットのサイズにはこだわりました。
(画像はサンプル)
山田登場から1年でかなりの発展を遂げた「XShelter」ですが、今後もさらに進化していくのでしょうか? 
個人的には、ペルチェベストや空調ウエアなどと組み合わせて、夏の暑さを完全にシャットアウトしてくれるウエアができてくれたらいいなと思っています。
羽倉夏の暑さ対策の場合は、外部環境をシャットアウトするのではなく、人体から発散される熱をどうやって逃がすかが鍵になります。とはいえ、冬の防寒と並んで解決すべき課題だと考えているので、解決策を模索していくつもりです。
山田期待しています!

PROFILE

羽倉 優太朗(はぐら ゆうたろう)

株式会社ワークマン 製品開発第6部 チーフバイヤー

PROFILE

山田 耕史(やまだ こうじ)

ファッションアナリスト/ワークマン公式アンバサダー

「山田耕史のファッションブログ」を中心にフリーランスとして活動。著書に『結局、男の服は普通がいい 世界一かんたん、一生使えるオシャレの方程式』(KADOKAWA)。

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