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街でも着られる本格冬山用ダウン: ナンガが「マウンテンピーク ダウンジャケット」を作った真意とは?
NANGA(ナンガ)が今シーズン送り出した「MOUNTAIN PEAK DOWN JACKET(マウンテンピーク ダウンジャケット)」は、まさにその環境を想定して開発された本格モデルだ。
ブランド中トップクラスの保温力に、動きやすさや耐候性を融合させつつ、デザインは街にも自然に馴染むスタイリッシュな顔つきに仕上がっている。極寒下でこそ真価を発揮するこの一着が生まれた背景と狙いを、株式会社ナンガ 販売部販売計画課・米澤 創さんとともに紐解いていく。
PROFILE
米澤 創(よねざわ そう)
1990年滋賀県生まれ。2013年、株式会社ナンガに新卒で入社。2018年より広報を担当し、2023年には販売部販売計画課の広報に。製品テストを兼ねたキャンプが趣味。

マウンテンピークシリーズの系譜を受け継ぐニューモデル
マウンテンピーク ダウンジャケットのルーツは、ナンガが高所登山向けに開発してきたヘビーアウターにある。「マウンテンピークという名称は、もともとはナンガのアンバサダーである登山家のために作られたダウンスーツや防寒ウエアのシリーズ名です」
8,000m級の高山にも対応できるハイスペックがウリのシリーズだが、一般のユーザーにとっては明らかにオーバースペックになってしまう。
「そこで生まれたのが、『山頂まで行かずとも、日本の冬山や雪山登山、さらには街でも使える一着』という発想でした。そこで登山家の竹内洋岳さんと共同開発し、冬山で求められるスペックはしっかり残しながら、ボリューム感を調整することで、普段使いにも対応できるよう設計しました」

少量でも高い保温性を発揮するナンガ独自のインサレーション
ただ、マウンテンピークを名乗る以上、高レベルの保温性は欠かせない。インサレーションにはナンガ独自のULDX UDDダウンが採用された。これはハンガリー産シルバーグースダウンに超撥水加工を施すことで耐湿性が高められた高機能ダウンである。「900フィルパワーの羽毛は、一般的な冬用ダウンよりも格段にロフトが高く、そのため、100gという少ない封入量でも高い保温性を発揮でき、同時に軽量化にも寄与します。さらに撥水加工により、結露や汗などの湿気でロフトが潰れにくくなっており、冬山のような過酷な環境でも安定して暖かさを保ちます」

表地には13デニールのナイロンを採用。ナンガが冬山用アウターに長年使い続けてきた高密度ナイロンは、軽量でしなやかながら、岩や枝との接触にも耐える十分な強度を備えている。

街でも着られる理由はバランスのとれたシルエットにあり
高所登山用のダウンジャケットは、どうしても動きやすさが犠牲になりがちだ。しかし、このモデルでは巧みなパターンワークによって、その弱点を見事に解消している。「冬山での基本動作をスムーズに行えるよう、肩まわりや袖のパターンを細かく調整しています。ダウン量が多いダウンジャケットは動きにくくなりがちですが、このモデルは立体裁断によって体の動きに追従するよう設計されています」
さらに各部の羽毛の量を調整することで、着膨れしにくいすっきりとしたシルエットに仕上がっている。

ディテール設計においても、冬山での動きやすさがしっかりと考慮されている。
「フロントには、グローブ着用時でも操作しやすい大型ジッパーを採用し、フードは視界を妨げず頭部を確実に保護できるよう立体的に仕立てています」
さらに、袖口からの冷気の侵入を抑える調整式カフや、フィット感を高める裾のドローコードが体温維持をサポートする。

「胸と腰には、防寒グローブをしたままでもアクセスしやすい大きめのポケットを設けました。行動中の利便性を高めるため、配置にもこだわっています」
背面の中綿はバックパック着用時に潰れにくいよう配置を工夫し、首元と裾には湿度を調節するためのベンチレーションを設けている。

冬の高所登山から日常までをカバーする圧倒的な汎用性
「従来のマウンテンピークシリーズが登山家向けのプロスペックであったのに対し、このモデルでは保温力・軽量性・動きやすさを最適化することで、ベースキャンプから6,000m級の登山、強風や低温下のアクティビティ、さらには日常までをカバーする汎用性を持たせました」「山の頂点」という名を冠されたダウンジャケットは、過酷な環境を想定して設計された機能性によって、着る者にたしかな安心感をもたらしてくれる。マウンテンピーク ダウンジャケットを所有する最大の価値は、まさにそこにある。
Text by Ryota Osujo























