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“軽量×快適×堅牢”! ミレーの「パルマラン 25」が 再定義する歩きやすさの美学

2026.03.05
山歩きのスタイルが多様化しても、バックパックに求められる性能は変わらない。それは“軽さ、快適性、堅牢性”だ。
フランス発「MILLET(ミレー)」が送り出した「パルマラン 25」は、真正面からそのニーズに応えたバックパックだ。軽量性を軸にしながら、背負った瞬間のストレスを最小限に抑える設計には、アルパインブランドとして積み重ねてきた知見が息づく。
このバックパックが生み出す軽快な一歩の原動力とは? その答えを、ミレー・マウンテン・グループ・ジャパン株式会社 ブランドマネジメント部 バックパック商品企画担当の白子修平さんとともに明らかにしていこう。

PROFILE

白子 修平(しらこしゅうへい)

ミレー・マウンテン・グループ・ジャパン株式会社ブランドマネジメント部

バックパックの商品企画担当。週末は趣味の登山、フットサルなどを楽しむ。

登山中の自身の経験や困りごとを基に開発に携わっている。

山歩きの多様化が生んだ新しいバックパック像

近年、山を楽しむスタイルは目覚ましい広がりを見せている。日本百名山やアルプス縦走といったクラシックな登山に加え、低山ハイクやロングトレイル、トレイルランと山でのアクティビティは一段と多彩になった。それに伴い、バックパックに求められる性能も細分化しつつある。
「ミレーにはSAAS FEE(サースフェー)という象徴的なバックパックシリーズがあります。しかし昨今山の楽しみ方が大きく広がるなかで、その1シリーズだけでは応えきれない領域が生まれていると感じていました。そこで我々は、あらためて“理想のバックパックとは何か”を見つめ直したのです」
そこで導き出した答えが、軽量でありながら、ミレーらしい快適性と耐久性を両立すること。余分な構造を削ぎ落としつつ、長時間歩いても負担を感じにくい背負い心地を維持する。そんな次世代の登山者へ向けた新しい選択肢として、パルマラン 25の開発はスタートした。
モデル名はミレー本社のあるアネシー近郊の山の名に由来する。カラーは写真のBLACK-NOIR/CANTON/CANTONとSILVERSTONEの3色展開。「パルマラン 25」 W26×H53×D21cm 880g 26,400円(税込)

軽量化と強度を両立する構造と素材の革新

このモデルの開発において、ミレーは軽量化に伴う強度の確保という課題に直面した。バックパックは軽くすればするほど壊れやすくなり、強さを求めれば重くなる。パルマラン 25は、この課題に構造設計と素材選定の両面からアプローチした。
ウェビングテープを丈夫な細いストリングに変更。ボトムとヒップベルトを連結しているストリングを使えば、背負ったまま荷重バランスの微調整ができる
「極力軽くするために、パーツを徹底的に削ぎ落としました。雨蓋やレインカバーを排除し、コンプレッションテープも従来のウェビングテープからストリングへ変更しました。こうすることで軽量化だけでなく、可動域が増すことで荷物量に柔軟に追従できるメリットも生み出します」
100デニールナイロンに、200デニールのUHMWPEを格子状に組み合わせた生地。表面には環境に優しいC0撥水加工が施されている
パルマラン 25が軽量性と耐久性を両立できている理由は、100Dナイロンと200D UHMWPE(超高分子量ポリエチレン)を組み合わせた独自のハイブリッド生地にある。
100Dナイロンは、バックパック用としては極細クラスの糸で、ポリエステルより軽く、同じ厚みであれば耐久性にも優れる。ただし、一般的な200Dクラスの生地と比べると強度が半分ほどになるため、その弱点を補う構造が必要だった。
「そこでナイロンよりも高強度で軽量なUHMWPE糸を加えました。この糸を格子状に織り込むことでリップストップ効果が高まり、耐摩耗性と耐引き裂き性を底上げしています」
トッププル位置を微調整することで、ショルダーハーネスの引き寄せ角度を最適化し、体へのフィット感を高められる

軽さを歩きやすさへ変える独自フィッティング機構

ふたつ目の課題は、軽量化を突き詰めるほど、体へのフィット感が低下する、という点だった。たしかに軽量バックパックは構造の簡素化によって、背負い心地が不安定になりがちだ。そこでミレーが導き出した解決策が、本体とショルダーハーネスをつなぐストリングを可動させ、トッププル位置を微調整できる独自のフィッティング機構である。
「ユーザーの体格や肩幅、荷物量に合わせてトッププル位置をわずかに変えるだけで、背中への荷重バランスとフィット感は大きく変化します。ベストな状態に調整できれば、肩にかかるストレスが軽減され、歩き出した瞬間から、軽く感じる背負い心地を実現できます」
トッププルの調整機構やストリング構造により、本体が背中へ自然にフィットする
実際に背負ってみると、軽快でありながら動きがブレず、自然と足が前へと出る。この感覚は従来の軽量バックパックにはなかったものだ。
こうした工夫の積み重ねにより、ユーザーは軽さと荷重バランスによる歩きやすさ、そして高い強度による安心感を同時に得ることができる。
雨の浸入を防ぐロールトップ構造(写真左)。フロントジッパーから内部へ直接アクセスできるため、荷物の出し入れもスムーズ(写真中)。ハイドレーションに対応し、内側・外側どちらにも装着可能(写真右)

直感的な操作性と現代登山にフィットする設計

パルマラン 25では操作性も重視された。特にビギナー登山者にとって、バックパックの扱いやすさは山行の快適さを大きく左右する。そこでシンプルな構造をベースに、直感的に使える設計を徹底した。
「雨の浸入を防ぎながら、パーツ数を抑えることで軽量化にも貢献するロールトップ構造を採用しました。さらに荷物を取り出す際、上部からだけでなく、フロントジッパーからもアクセスできる仕様は、パッキングに慣れていないユーザーにとってメリットになります」
背中に寄り添い、歩行中のブレを抑える安定感が特徴。長い区間を軽快に進める背負い心地は、ミレーが目指した歩きやすさそのものだ

ブランドの伝統と軽快な山歩きが交差する新たなポジション

ミレーのバックパックは、SAAS FEEに代表されるように、長年、重い荷物を安定して運べる本格登山モデルが主軸を担ってきた。しかし近年は、軽快に山を楽しむスタイルが広がり、本格アルパインモデルとデイパックの間に、新たな選択肢が求められるようになっている。
パルマラン 25は、まさにその中間領域を担うモデルだ。同時に、山歩きのビギナーや若い世代のユーザーと、歴史あるミレーをつなぐ架け橋としての役割も期待されている。
ユーザーの背中に、そして現代のハイクカルチャーにもしなやかに寄り添う──パルマラン 25は、ミレーが次の世代へ送り出す新しいスタンダードである。

Text by Ryota Osujo

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