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「YOAK(ヨーク)」が描く、革靴とスニーカーの新境地

2025.01.16
洗練されたデザインとハイスペックなクオリティで国内外にファンを持つ「YOAK(ヨーク)」。オリジナリティあふれるその靴づくりに迫るべく、ブランドの成り立ちやデザイン、製作についてのこだわりまで、株式会社FAM代表取締役にしてYOAKデザイナーの広本敦(ひろもと あつし)さんにお話しいただいた。

YOAKはじまりのきっかけ

「YOAKは2015年の秋冬からはじまったので今年でちょうど10年目になります。
もともとアパレルメーカーや繊維系の商社に勤め、服や靴、小物まで幅広いデザイン経験を積んできました。会社勤めは充実していましたが、従来のアパレル流通のような他社依存型ではなく、デザインから製造、販売までを自己完結型で行う仕組みを試してみたいと思ったことが、自分でブランドを立ち上げたきっかけです。
革靴職人さんに生産を依頼し、自社のオンラインショップのみで販売するという新しい形を目指したいと考えました。
『洋服のブランドを10個あげてみて』といわれれば、10個スムーズにいえると思うのですが、『靴ブランドは』となると、服ほどスムーズには出てこないと思います。これからやろうとしている靴はオンでもオフでも使える、ほかにはあまりないようなものだったので、靴でやってみたいと思いました。
こうしてYOAKは『シャツやジャケットに合わせる靴』というコンセプトではじまりました」

ファーストコレクションの3型がこの10年の定番

ここからはアイテムのお話を中心に紹介していただこう。ファーストコレクションでリリースしたアイテムは今でもブランドにとってとても重要な存在で、現在のYOAKのイメージを形づけたものになっているという。
「ファーストコレクションでは『ULYSE(ユリス)』というモデルと、『STANLEY(スタンレー)』そして『LUKE(ルーク)』という3型をリリースしました。スニーカー的なデザインとパターンでつくられていますが、革靴職人さんが国内の革靴工場でつくっています。
革靴とスニーカーのハイブリッドといわれることがよくありますが、2010年代は、このハイブリッドシューズのようなものがまだあまりなかったころでして、職人さんも、革靴に比べてパーツが多かったり、独特なフォルムづくりだったり、最初のころはいろいろと苦労することも多かったです。
ソールもスニーカーの仕様なのですが、サイドマッケイという製法なので、革靴と同じように張り替えができます。ソールだけではなくライニングのレザーも交換するためかなりきれいになって帰ってくるので、ここが一般的なスニーカーとは大きく違うところだと思います。
デザイン的には、古き良き時代のテニスシューズをデザインソースにしたULYSEと究極のシンプルシューズというテーマでデザインしたSTANLEY、そしてLUKEは面ファスナーという特徴を生かし、シンプルなコーディネートのアクセントとして使いやすいデザインになっています。この3型がリリース以来YOAKの定番となっています」
ULYSE 35,200円(税込)
STANLEY 35,200円(税込)
LUKE 35,200円(税込)

伊勢丹メンズ館での期間限定ストアがターニングポイント

販売は自社のオンラインストアのみという展開でアイテムをリリースしていたYOAK。“日本一の靴売り場”といわれる伊勢丹新宿店メンズ館から期間限定ストアの誘いがあったことが、ひとつのターニングポイントだったそうだ。
「ブランドをはじめて2年が経ったころ、伊勢丹メンズ館から声をかけていただいて期間限定ストアをやったのですが、今までオンラインのみだったということもあってか、大きな反響をいただきました。
自分自身も売り場に立ったのですが、かなりの忙しさで、2週間の期間を終えてみたら、その年の期間限定ストアで一番の売り上げだったと担当の方からいわれるほどでした。
このことがきっかけで、いろいろなショップから声をかけてもらうようになり、全国のセレクトショップにおいてもらえるようになっていきました。
展示会も数回はやったことがあるのですが、そのシステム自体に疑問を持っていたので、声をかけていただいたセレクトショップさんやYOAKをおいてもらいたいセレクトショップさんには、なるべく自分でサンプルを持っていって買い付けてもらうということをしていました」
伊勢丹メンズ館期間限定ストアの様子
※現在は常設展開となり、日本国内で最も充実した商品ラインアップを誇る展開となっている

防水レザー「スコッチガード」や「Vibram(ビブラム)」の機能ソールを使った進化するものづくり

YOAKの定番アイテムを見せてもらったところで、もうひとつ印象的なシリーズを紹介してもらおう。それは機能的な側面と都会的なデザインが相まった、まさにハイブリッドを感じるシューズになっている。
「近年の気候も変わりましたし、雨でも大丈夫だったり山でも履けたりと、機能にフォーカスしたものを数年前からリリースしているんです。
ひとつ紹介させてもらうと『JOURNEY LEATHER(ジャーニー レザー)』というアイテムがいいと思うのですが、アッパーには、3M社の撥水・防水・防汚加工が施された『スコッチガードレザー』を採用し、ライニングに挟み込んだ防水フィルムで防水性をさらに強化しています。
また、ソールには『Vibram(ビブラム)』社製のトレッキング用ソールを使用し、優れた耐久性とグリップ力を実現しています。
日常生活はもちろんなのですが、このJOURNEY=旅というネーミングには、街歩きも山歩きもできて、旅先での急な雨にも対応できるという意味がこめられており、ヒールのフォルムなど、セットアップにも合うデザインに仕上げたアイテムになっています。
JOURNEY LEATHER 44,000円(税込)
トレッキング用のVibramソール
スコッチガードとVibramのラベル

スタイリッシュで機能的な最新作

さらにもうひとつ、シンプルでスタイリッシュなシューズデザインと機能面を併せ持った新作を紹介してもらおう。
「最新作の『DERBY(ダービー)』というアイテムなのですが、基本的な革靴の形であるダービーシューズを、ビブラムソールを使用してアップデートしました。
汎用性が高いデザインでさまざまなスタイルのコーディネートに合わせやすく、ソールに採用しているVibram社のBristol Sole(ブリストル ソール)は、優れたグリップ力で雨や雪で路面がぬれているシーンでも滑りにくく、長時間の歩行でも疲れにくいものになっています」
DERBY 45,100円(税込)
Vibram社のBristol Sole
ここまで見てきたYOAKの靴づくりからは、さまざまな種類のレザーやソール、ディテールに至るまで、従来のスニーカーや革靴づくりとは大きく違うことが感じ取れる。
外側のデザインはもちろん内側にもこだわり、ライニングは全てレザー貼りで、低反発のインソールを使用することで履き込んでいくうちに足に馴染み、自分の足の形になっていくようにつくられている。このデザインワークと、その高いクオリティに応える国内の革靴工場とのパートナーシップも、YOAKを支える大きな要素ではないだろうか。
現在日本以外に台湾、韓国、タイ、イギリスに取扱店舗があり、フランスとオランダでの取り扱いがこれからはじまるという。YOAKの唯一無二の靴づくりは世界に広がりはじめている。

2025年1月15日(水)~1月28日(火)の期間、伊勢丹メンズ館にてPOP UP STOREを開催予定

PROFILE

広本 敦(ひろもと あつし)

株式会社FAM 代表取締役
YOAKデザイナー
1979年生まれ。
大手メーカーや商社でキャリアを積んだ後、2016年に独立し、自身のブランド「YOAK(ヨーク)」を立ち上げる。
シャツやジャケットに合わせた洗練されたデザインの靴を展開し、オンラインストアをはじめ、伊勢丹メンズ館やユナイテッドアローズなど、国内外の主要店舗で取り扱われている。また製作だけでなく、ブランディングにも注力し、自身が経営する「FAM Co., Ltd.」では、自社ブランドの構築に加え、他社のブランド戦略や制作支援を手掛けるなど、多角的な視点で価値を創出している。

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