SNSには毎日美容の情報が溢れているなか、令和に入り5年が過ぎようとしている。この4年半ほどの間にも流行は変化し、私たちの美容の価値観も平成から令和にかけてだいぶ変わった。それまで、ネガティブに捉えられていた価値観がポジティブに変化し、多様性を尊重する社会とともに、美容に対する関心も男女問わず増えていった。
平成から令和にかけて私たちが求める美しさはどのように変化していったのだろうか。また価値観が移り変わってきたのにはどのような背景があったのだろう。
PROFILE|プロフィール
西原 妙子(にしはら たえこ)
ポーラ文化研究所 化粧文化情報センター長
文化研究所統括のかたわら、「平成美容開花」の企画執筆や調査レポートなどにも携わる。
目まぐるしく変化する美容の価値観
ポーラ・オルビスグループは、内面の美しさも大切にする「本当の美しさ」を追求するため、化粧文化の研究に取り組んでいる。1976年にはポーラ文化研究所を設立し、日本と西洋の古代から現代までの化粧文化に関する資料を収集・研究を開始。展覧会、セミナー、出版等に加え、WEBサイト、SNSなどデジタル発信にも注力してきた。そんなポーラ文化研究所が2020年に発売したのが書籍『平成美容開花-平成から令和へ、美容の軌跡30年』(以下、平成美容開花)だ。社会が激動した平成30年間の化粧・美容の変化を独自の視点でまとめている。