パリ現地時間2023年9月18日に「バーバリー(Burberry)」は、2024年サマーコレクションをロンドンで発表した。
ショー会場に選んだハイベリー・フィールズに“バーバリーチェック”の巨大なテントを特設し、グリーンのカーペットを芝生に見立てた遊歩道のランウェイでコレクションを披露。40年代の玉虫色や、太陽の光を屈折させるようにデザインされたサンシェード生地といったアーカイブからインスパイアされたピースに目を惹かれたものの、今回特筆すべきはメゾンの代名詞であるトレンチコートだ。
シャープな細身のシルエットにローウエストのベルトで、まったく新しいプロポーションへと進化した。トレンチコートはメゾンの主軸であり続ける一方、歴代のクリエイティブ・ディレクターが斬新な手法で常にその世界観を発展させ、トレンドを超えて日常着として世に定着している。
トレンチコートとともに進化し続ける「バーバリー」の歴史を振り返りながら、その魅力を再発見してみよう。
“ギャバジン”素材が画期的なレインコートへと繋がる最初の発明
「バーバリー」の創業者であるトーマス・バーバリー(Thomas Burberry)は、ドレスメーカーで下積みの修業を重ねた後、弱冠21歳の若さで自身の名を冠したブランド「バーバリー」を1856年にイングランド・ベイジングストークで立ち上げた。