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2024.03.04

日本の帽子産業を牽引する「CA4LA(カシラ)」の歴史と未来

帽子専門店、もしくは日本の帽子ブランドと聞くと最初に浮かぶのは「CA4LA(カシラ)」なのではないだろうか。長年、Made in Japanにこだわり続け、国内外に多くのファンがいることでも知られている。
今回は、株式会社CA4LA ディレクターの秋元信宏さんとマーケティングチーム プレスの湯原さゆ美さんに、CA4LAの歴史や定番商品、未来の帽子産業を担う「マイスター制度」についてお話しいただいた。
「CA4LAのルーツからお話しさせていただくと、以前は『ウィーブトシ』という屋号で、いくつかの店舗を運営しており、その頃はまだカジュアルな帽子専門店というものが珍しかった時代でした。
創業者(現在は退職)が自ら海外に買い付けに行き、海外ブランドをセレクトし、いまほどの種類ではないのですが、日本製のオリジナル商品もラインナップしていました。
1997年にショップ名をCA4LAとし、原宿の明治通り沿いにお店を出しました。そこから店舗が広がっていった感じで、いまは表参道店を旗艦店とし、国内21店舗と台湾に2店舗で展開しています」

歴史ある定番商品、小ツバ中折れハット

CA4LAの長い歴史のなかで、作り続けている定番の帽子がある。時代が変わっても変わらず愛用されるその理由を秋元さんに伺っていこう。
「定番と呼ばれる帽子はいろいろとありますが、ひとつあげるとするとウールフェルトの中折れハットで『KOTSUBA4』という商品になります。“モッズハット”とも呼ばれ短めのブリムが特徴のものです。これは先程もお話ししたウィーブトシの時代からあるアイテムでクラシカルでスタンダードな雰囲気の性別、世代、流行にとらわれることのないロングセラーです。
ハットだけでもロングブリムのもの、ボーラー型のダービーハットなど定番と呼ばれるアイテムはほかにもあり、種類の多さもCA4LAの特徴だと思います」

商品開発者と生産現場の密なコミュニケーションで生まれるアイテム

さらに今シーズンの注目のアイテムもひとつピックアップしてもらった。
「タイダイのコットンニットキャップで『EDEN』という商品ですが、このタイダイ染めも自社のアトリエでやっています。染めは専門の染色工場へ外注に出すというのが通常だと思うのですが、帽子工場でありながら染めもできるというのは、かなり珍しいことだと思います。
タイダイ染めの色の出方もいろいろあるので、派手になり過ぎない絶妙な色味を表現するために、これを企画したデザイナーはアトリエまで行き、現場とやり取りをして出来上がったこだわりのアイテムです。商品開発者と生産現場が密なコミュニケーションをとってものづくりをしているのが、CA4LAの強みだと思います」

定番モデルを現在はサステナブルな素材で

先程紹介してもらった「KOTSUBA4」のように昔から定番として存在するが、近年サステナブルな素材に切り替わったアイテムがあるという。そのアイテムや環境配慮された素材について、湯原さんにお話しいただこう。
「さまざまな形に変形できるワイヤー入りキャスケットで『FREEDOM JOURNEY PL 2』という商品があります。ツバ先やクラウン部分に入ったワイヤーで、くしゃっとつぶしたり、斜め前に倒したり、自由自在に形を整えられます。
ボディには、アップサイクル素材を原料としたリネンライクな生地を使用しています。このアイテムもかなり昔からあるもので、長年たくさんの方に愛用されています。
このアイテムの他にも、さまざまな型で環境配慮された素材を使っていこうというのが会社全体としての動きになっています。リサイクルコットンをはじめとして、廃棄されるような野菜を使って染めた生地を使ったり、エコマークの認定基準を満たしたリサイクルポリエステルを使ったり、素材も時代に合わせて移り変わっています」
FREEDOM JOURNEY PL 2 12,100円(税込)
FREEDOM JOURNEY PL 2 12,100円(税込)
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