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2024.05.27

エリック・クラプトンもオーナーに名を連ねる伝統的なカントリーウェアブランド「CORDINGS(コーディングス)」に注目

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長きにわたり英国紳士に愛されているカントリーウェアブランド「CORDINGS(コーディングス)」。
ツイード・ジャケットにコーデュロイのトラウザーズを合わせたような英国の伝統的なスタイルが特徴となっている。今回はCORDINGS定番アイテムとこの夏の装いについて、真下商事株式会社 ブランドセールスの長谷川泰丈さんにお話を伺った。
「ブランドの歴史からお話しさせていただきますと、1839年英国のロンドン、ストランド231番地に最初の店を開きました。その後ピカデリー19番地に移転し、1902年には『J.C.Cording & Co Limited(ジェイ・シー・コーディング・アンド・カンパニー・リミテッド)』として法人化するのですが、それから120年以上が経った現在も、同じ場所で営業を続けています。
創業者は『John Charles Cording(ジョン・チャールズ・コーディング)』という人物で、彼が英国のカントリーウェアの第一人者といわれています」
1877年頃と思われるJ.C.Cording & Co Limitedの写真
1877年頃と思われるJ.C.Cording & Co Limitedの写真
1902年から同じ場所、同じ建物にある現在のCORDINGS店舗
1902年から同じ場所、同じ建物にある現在のCORDINGS店舗

英国のカントリーウェアを示すCORDINGSの5アイコンアイテム

ここからはカントリーウェアについて深めていきたい。CORDINGSには5アイコンというカントリーウェアスタイルを確立したアイテムがあるという。
「CORDINGSのスタイルを確立した5アイコンアイテムというのは、『カバート・コート』、『マッキントッシュ』、『ツイード・ジャケット』、『コーデュロイとモールスキンのトラウザーズ』、そして『タッターソール・シャツ』になります。
『カバート・コート』はCORDINGSが最初に作ったとされているのですが、藪や茂みなどの“動物の隠れ場”という意味で、狩猟でそのような場所に道案内する従者に英国の貴族が着せたものが、このコートの起源とされています。
後にビジネス向けのダークスーツの上にも羽織れる膝上丈のウール系コートとして英国で定着したアイテムです。
「カバート・コート」の古い広告、年代は不明
「カバート・コート」の古い広告、年代は不明
「次に『マッキントッシュ』のお話しをさせていただきます。1820年代に『チャールズ・マッキントッシュ』氏が発明した世界初の防水布、マッキントッシュ クロスを使用したゴム引きコートが誕生します。
2枚の薄い生地の間に溶かした天然ゴムを塗り圧着し、火にかけて完成するというものなのですが、このコートは全英に衝撃を与え、ヨーロッパ中を席捲するほど画期的なものでした。このマッキントッシュ クロスを仕入れCORDINGSが作ったコートになります」
「マッキントッシュ」が載った1910年の広告
「マッキントッシュ」が載った1910年の広告
「さらに『ツイード・ジャケット』、『コーデュロイとモールスキンのトラウザーズ』、『タッターソール・シャツ』の3アイテムなのですが、『ツイード・ジャケット』はCORDINGSでもさまざまな種類のものが作られており、クラシックな仕様のものは厚めの肩パッドにウエストは細めに絞ったシルエットというものが基本とされています。
トラウザーズは英国の『Brisbane Moss(ブリスベン・モス)』という伝統的な生地メーカーがあり、太うねのコーデュロイやモールスキンにはこの『Brisbane Moss』のものが使われています。
ウエストはベルトループではなくではなくサイドアジャスター仕様になっています。そして英国のトラウザーズはヒップポケットが1つというのが特徴的ディテールとなっています。
そして5アイコンの最後は『タッターソール・シャツ』です。襟幅が大きく開いたウィンザーカラーという襟型で、形が崩れないようカラーキーパー(襟芯)が入り、背の上部は『スプリットヨーク』といって、斜めに使った生地が背の中央で2枚に分割されたディテールになっています。斜めに使うことで生地の伸縮性を生かし動きやすくするという目的があります。
5アイコンアイテムの仕様や特徴は他にもいろいろとあるのですが、おおまかにご紹介させていただくとこういった感じになります」
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