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2024.01.16

制服カルチャーを牽引する、イーストボーイのさらなる躍進

平成から令和の制服シーンにおいて、学生には欠かせないイーストボーイ(EASTBOY)
90年代後半から学生の間で人気を集めていたが、2000年代に入ると雑誌『Seventeen』とともに、憧れの制服ブランドとしての地位を確立した。トレンドをいち早くキャッチし、常に時代の価値観を反映してきたイーストボーイの制服は、現在どのように進化しているのだろうか。
今回はイーストボーイPR担当・企画担当者の方々にお話を伺った。
画像提供:イーストボーイ
画像提供:イーストボーイ

平成の制服カルチャーの象徴、イーストボーイの魅力を探る

平成のイーストボーイと言えば、当時の『Seventeen』での制服特集でも分かる通り、まさに女子高生にとって憧れの制服だった。
2000年代初期のイーストボーイと『Seventeen』とのコラボレーションは付録とともに人気を博していたが、当時のイーストボーイとのコラボレーションにはどのような背景があったのだろうか。
「当時は『Seventeen』のモデルさんがカリスマ的な存在で、そのモデルさんがイーストボーイの制服を着ていると、すごく反響がありました。
この頃『Seventeen』は付録企画というのを定期的にされていて、お話をいただいたことがあります」
当時の『Seventeen』とイーストボーイの付録を覚えている人も多いだろう。雑誌付属のシールをはじめ、ミニサイズのイーストボーイのスクールバッグは人気が爆発し、欲しがる人が続出した伝説的なアイテムだ。当時のイーストボーイのグッズについてこう語る。
「もともとスクールバッグはイーストボーイでも販売していましたが、付録にはイーストボーイのお店では売っていない、小さなサイズのスクールバッグを応募者全員サービスにしたらどうかというお話になりました。
当時はショップでも、春のキャンペーンなどのときにノベルティーとして、お弁当箱やステーショナリーグッズといったものを作っていましたね」
平成のイーストボーイを語る上で、忘れてはならないのはリボンだ。当時の雑誌では、ルーズソックスやハイソックス、ローファーなどさまざまな制服アイテムが多数掲載されていたが、その中でもイーストボーイのリボンは、必ずと言っていいほど人気アイテムとして掲載されていた。
画像提供:イーストボーイ
画像提供:イーストボーイ
現在でもリボンは当時と変わらず人気アイテムのひとつだが、イーストボーイのオフィシャルサイトを覗くと、改めてそのデザインの豊富さに驚いてしまう。
「実はリボンに関しては、2000年代からずっと形を変えていないんです。
柄などは毎回多少変えたり、差し色になる色を出したりなどはしていますが、エンジやネイビー、グリーンといった定番色やベースの形は変えていません。
昔は学校指定のリボンを外して、いろいろなリボンを付け替えるのが流行していましたが、現在ではスカートの柄とリボンの色が合うように、ひとつ買ってそれを使い続けている方が多い印象です。時代とともに、リボンの選び方も変わっていきましたね」
画像提供:イーストボーイ
画像提供:イーストボーイ
また、90年代から、イーストボーイのニットも定番アイテムとして広まった。特に制服カルチャーが熱を帯び始めた90年代後半は、常に人気のスクールアイテムとして名を連ねていた。
平成の頃と比べると、パステルカラーなど色が豊富になった印象があるが、現在ではどのように進化しているのだろう。
「やはり制服用のニットもアパレルのトレンド色のように流行があります。ピンク系が流行ればピンクが売れたり、グリーン系が流行っているとグリーンが売れたり。
白や紺といったベーシックカラーはずっと継続しつつも、パステルカラーが流行ったときは柔らかい色を増やすなどもしましたね。ニットも限定といった形で販売していたら、どんどん色数も増えていきました」
平成と令和の制服の比較は、度々ネットでも話題になっている。イーストボーイの制服も時代とともに変化し、平成から令和に向かうにつれて、全体的にキレイめな着こなしが主流になっていったという。
ニットに関しても、2000年代初めはダボっとしたものが流行し、スカート丈はミニでハイソックスが流行だった。もちろん、当時のイーストボーイも時代の流行に合わせていたが、それでも学生らしい爽やかさや、どこか上品な雰囲気があるのはなぜなのだろう。
「ベーシックな学校指定のカラーは継続しつつ、新色もシーズンごとに考えて販売をしています。
イーストボーイのこだわりは、綿100%やウール100%で多くの制服アイテムを作っているというところです。特にニットの場合、綿100%やウール100%で作らないと柔らかいオートミールのようなアイボリー色や、ココアのような優しいブラウンの色が出せないんです。
他のメーカーさんは、アクリル50%、綿50%といった合成繊維が多いですが、イーストボーイの商品の多くは天然繊維100%にしています。
優しい風合いや天然繊維の独特の風合いを残すようにしているというのがこだわりとしてあります。合成繊維は原色のようなハッキリとした色は出せますが、優しい風合いは天然繊維でないと、やはり難しいですね。ここがイーストボーイらしい雰囲気が生まれるポイントだと思います」

「ハリー・ポッター」とのコラボレーションで広がる、新しい学生アイテムの世界

現在イーストボーイでは、ハリー・ポッターとのコラボレーションアイテムが人気だ。
SNSでも反響が大きい、このコラボレーションにはどのような経緯があったのだろうか。
「最初のきっかけはスポットでコラボ商品を展開する機会があり、偶然にも、イーストボーイのデザイナーにハリー・ポッターファンの者がおりまして、一気に話が進みました。
一度、コラボレーションをしてみたところ、イーストボーイのスクールのアイテムとハリー・ポッターの世界観がすごくマッチして反響も大きかったので、その後縁があって直接ワーナー・ブラザースさんとお取組みさせて頂き、今に至っています」
2023年はハリー・ポッターの話題が多い年だった。旧としまえん跡地に大規模な「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 ‐ メイキング・オブ・ハリー・ポッター」がオープンし、関西のUSJに加え、さらにハリー・ポッターの世界が楽しめるようになった。
それに伴い、多くのアパレルブランドがハリー・ポッターとのコラボレーションを展開。その中でも、イーストボーイとのコラボレーションは、アイテム数の豊富さ、また私服や制服との合わせやすさも含めて、一際目立っている印象だ。
「やはりイーストボーイの学生のアイテムとハリー・ポッターの世界観がすごくマッチしているのが、一番の強みだと感じています。特にイーストボーイの場合は学生アイテムなので、年間通してずっと店頭に置いておけるのも強みですね。
ワーナー・ブラザースさんにもアイテム展開やデザインについて、すごく協力していただきました。ハリー・ポッターの舞台でもある魔法学校とイーストボーイのスクールアイテムは親和性が高いので、もっと可能性を伸ばしていきたいと思っています」
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