消費サイクルの加速化が進む現代のシューズ市場に対し、「10年、20年履ける靴」を志向するガリビエが満を持して復刻したモデルは、一種のアンチテーゼといえるだろう。
ガリビエジャパン株 式会社の篠崎拓馬さんに、ブランド復活の経緯と「スーパーランド」が示すビジョンを聞いた。
PROFILE|プロフィール

篠崎 拓馬(しのざき たくま)
ガリビエジャパン株式会社
営業マネージャー
19年間にわたってパラブーツを扱う株式会社RPJに勤務し、2025年9月にガリビエジャパンの営業マネージャーに就任した。
2017年まで稼働していたイゾーのリシャール・ポンヴェール本社兼工場誕生から黄金期までアルプスを象徴したフランス登山靴の系譜
「ガリビエは1909年にフランス・イゼール県で創業したリシャール・ポンヴェール社のブランドでした。その名はツール・ド・フランスでも知られるアルプスのガリビエ峠に由来し、1922年に登山靴のラインとしてスタートしました」
1960年代の広告には、1962年にジャヌー北壁登頂を果たしたフランス人登山家、ロベール・パラゴ氏の姿とサインが掲載されているリシャール・ポンヴェール社は、パラブーツの母体でもあるシューズメーカーで、ガリビエは、1930〜60年代が黄金期であり、第2次世界大戦後の登山ブームを背景にガリビエの名はヨーロッパ中に知れわたった。
「堅牢なレザーアッパーやノルヴェイジャン製法を特徴とする登山靴は、アルプスやヒマラヤ遠征隊、探検家たちに使用され、ガリビエは欧州登山靴の代名詞とも称されました」