1970年代からミリタリーパンツを作り続けている歴史に裏付けされたGUNG HOの名品と呼ばれるパンツを深掘りすべく、今回は伊藤忠商事株式会社 繊維カンパニー ジーンズ・カジュアル課の笹井 誠也さんと
sunny inc.代表の北原 信也さんにお話を伺った。
アメリカ軍用のユニフォームを縫う工場としてスタート
まずはGUNG HOの歴史から知っていこう。笹井さんにそのルーツを聞くと、芯の通ったラインナップの深みが感じられた。「創業は1972年、アメリカ・テキサス州で『Earl's Manufacturing Company Inc(アールズ マニュファクチャリング カンパニー インク)』という社名ではじまり、ミリタリーパンツなど、アメリカ軍用ユニフォームの縫製工場として事業をスタートしました。
そして1980年代にワーク&ミリタリーウエアブランド『GUNG HO』がはじまります。現在は『Earl's Apparel(アールズ アパレル)』という社名に変わり、Larry Beard(ラリー・ビアード)という人物が2代目の代表を務めていますが、軍用ユニフォームにそのルーツがあるGUNG HOブランドは、昔と変わらず受け継がれています」
Made in USAを貫く、希少なブランドGUNG HOの揺るぎない定番FATIGUE 4 POCKET PANTS
GUNG HOには創業から変わらずMade in USAを貫き、本社工場で作られているアイテムがある。さま ざまなアメリカブランドが生産を海外に移すなか、GUNG HOは生地もMade in USAにこだわっているという。こういったブランドは、これからさらに希少性が高くなっていくのではないだろうか、そんなGUNG HOの揺るぎない定番FATIGUE 4 POCKET PANTSについて、ここからは北原さんにお話を伺っていこう。
「まずMade in USAのFATIGUE 4 POCKET PANTSには、定番と呼ばれる2つのシルエットがあります。もっともスタンダードなストレートの『ORIGINAL(オリジナル)』と、裾にかけてのテーパードが強めに入った『TAPER-FIT(テーパー フィット)』タイプです。
この2つのシルエットは仕様も含めてずっと変わっていません。印象的なフロントの2つのポケットや、フラップのついたヒップポケットなど、軍用のワークパンツとしての基本型は変わることなく現代まで引き継がれています。
そしてこのパンツに使われるバックサテンという生地もまた、Made in USAのものをずっと使い続け、変わらない良さや安心感といったものを感じてもらえると思います。
GUNG HOはブランドネームの種類もいろいろとあるのですが、みなさんがよく見たことがあるのはこのパンツについた紫のブランドネームではないでしょうか。
このFATIGUE 4 POCKET PANTSはよく『ベイカーパンツ』とも言われることがあり、これは諸説あるのですが、軍用作業服として作られたFATIGUE 4 POCKET PANTSが民間に広まって、パン屋さんが穿いていたことが広く伝わり、ベイカーパンツと呼ばれるようになったと言われています。
実際にアメリカでもベイカーパンツの呼び名は使いますので、どちらで呼んでいただいてもよいかと思います。アメリカ生産のルーツを大切にし、変わらず作り続けているのがこのMade in USAのラインです」