ハワイへ渡った日本人移民がはじめたISLAND SLIPPER
まずはブランドの歴史から紐解いていきたい。ルーツを辿るとひとりの日本人移民へたどりつく。ISLAND SLIPPER創業のお話から三浦さんに伺っていこう。「ハワイへ移住した日本人『本永 瀧蔵(もとなが たきぞう)』という人物が、1946年にオアフ島でISLAND SLIPPERを創業します。当時ハワイは今のような観光地ではなく、サトウキビ畑やパイナップル畑が広がっているようなイメージの島で、そんななか本永氏がサンダル作りを生業としたのが、ブランドのはじまりといわれています」
「そこで本永氏が作ったサンダルは日本ではお馴染みの草履や雪駄をベースとしたものでした。アメリカ本土では『Flip-Flops(フリップ フロップ)』と呼ばれていたサンダルを日本人たちは“スリッパ”と造語的に呼んでいたのですが、それがきっかけでハワイでのサンダル屋さんの多くは“SLIPPER STORE”という看板をあげていたり、トングタイプのサンダルのことをスリッパと呼んだりする人が多いといいます。
これは古くからあるISLAND SLIPPERがこの土地に根付いているからなのではないかと思います」
代替わりしつつ受け継がれ、守られてきたブランディング
80年近い時代の流れの中、変わらずサンダル作り一本でやってきた。そのブランティングについても引き続きお話を伺っていこう。「ISLAND SLIPPERがはじまった1940年代はオアフ島に20~30のサンダルブランドがあったそうですが、その頃からあるサンダルブランドはもうISLAND SLIPPERのみとなり、今ではもっとも古いハワイのサンダルブランドになっているそうです。
それは時代が変わってもサンダル作り一本でやってきて、高いクオリティを維持し続けているからだと思います。その長い歴史の中で本永氏から『John Carpenter(ジョン・カーペンター)』という人物へ経営が引き継がれ、現在はその息子の『Matt Carpenter(マット・カーペンター)』氏が代表を務めています。3代目となった現在でも、そのもの作りとサンダル一筋というブランディングは受け継がれています」
定番と呼ばれるアイテムたち
日本にISLAND SLIPPERが入ってきてからの歴史も長く、もう30年となる。その30年の年月の中で定番と呼ばれるようになったアイテムを見ていきたい。ここからは狩谷さんにアイテムのことをお話しいただいた。「トングタイプのサンダルが定番中の定番アイテムだと思います。その後に発売されたのがクロスタイプのサンダル、そして一番新しいモデルがシャワータイプのサンダルとなっています。
トングタイプとクロスタイプに関してはリリースの年代が不明なのですが、シャワータイプはここ5年~6年の間にリリースされたものになっています。ISLAND SLIPPERの一番の特徴はクッショニングだと思います。
みなさんよく言われるのはなんといっても履き心地のよさで、またトングタイプは指の間が痛くなりづらいというのもよく言われます。レザーなので履くほど足に馴染む感じがあると思います。スムースレザーとスエードタイプがあり、どちらも人気です」