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2024.04.19

ハワイ発のサンダルブランド「ISLAND SLIPPER(アイランド スリッパ)」そのルーツは日本の草履だった

足元軽くリラックスした装いで出かけたくなる夏、注目すべきブランドはハワイ発のサンダルブランド「ISLAND SLIPPER(アイランド スリッパ)」ではないだろうか。良質なレザーを使いカジュアルでありながら大人っぽさも感じられるブランドとして日本でも人気だ。今回は株式会社ジー・エム・ティー プレスの三浦由貴さんと狩谷賢介さんにお話を伺った。

ハワイへ渡った日本人移民がはじめたISLAND SLIPPER

まずはブランドの歴史から紐解いていきたい。ルーツを辿るとひとりの日本人移民へたどりつく。ISLAND SLIPPER創業のお話から三浦さんに伺っていこう。
「ハワイへ移住した日本人『本永 瀧蔵(もとなが たきぞう)』という人物が、1946年にオアフ島でISLAND SLIPPERを創業します。当時ハワイは今のような観光地ではなく、サトウキビ畑やパイナップル畑が広がっているようなイメージの島で、そんななか本永氏がサンダル作りを生業としたのが、ブランドのはじまりといわれています」
創業者の本永滝蔵氏(1955年の写真)
創業者の本永滝蔵氏(1955年の写真)
「そこで本永氏が作ったサンダルは日本ではお馴染みの草履や雪駄をベースとしたものでした。アメリカ本土では『Flip-Flops(フリップ フロップ)』と呼ばれていたサンダルを日本人たちは“スリッパ”と造語的に呼んでいたのですが、それがきっかけでハワイでのサンダル屋さんの多くは“SLIPPER STORE”という看板をあげていたり、トングタイプのサンダルのことをスリッパと呼んだりする人が多いといいます。
これは古くからあるISLAND SLIPPERがこの土地に根付いているからなのではないかと思います」
年代は不明、原点のような写真
年代は不明、原点のような写真

代替わりしつつ受け継がれ、守られてきたブランディング

80年近い時代の流れの中、変わらずサンダル作り一本でやってきた。そのブランティングについても引き続きお話を伺っていこう。
「ISLAND SLIPPERがはじまった1940年代はオアフ島に20~30のサンダルブランドがあったそうですが、その頃からあるサンダルブランドはもうISLAND SLIPPERのみとなり、今ではもっとも古いハワイのサンダルブランドになっているそうです。
それは時代が変わってもサンダル作り一本でやってきて、高いクオリティを維持し続けているからだと思います。その長い歴史の中で本永氏から『John Carpenter(ジョン・カーペンター)』という人物へ経営が引き継がれ、現在はその息子の『Matt Carpenter(マット・カーペンター)』氏が代表を務めています。3代目となった現在でも、そのもの作りとサンダル一筋というブランディングは受け継がれています」
1968年と思われるISLAND SLIPPERの社屋
1968年と思われるISLAND SLIPPERの社屋
ブランド初期の頃の工場の社員。中央あたりに本永氏も写っている
ブランド初期の頃の工場の社員。中央あたりに本永氏も写っている

定番と呼ばれるアイテムたち

日本にISLAND SLIPPERが入ってきてからの歴史も長く、もう30年となる。その30年の年月の中で定番と呼ばれるようになったアイテムを見ていきたい。ここからは狩谷さんにアイテムのことをお話しいただいた。
「トングタイプのサンダルが定番中の定番アイテムだと思います。その後に発売されたのがクロスタイプのサンダル、そして一番新しいモデルがシャワータイプのサンダルとなっています。
トングタイプとクロスタイプに関してはリリースの年代が不明なのですが、シャワータイプはここ5年~6年の間にリリースされたものになっています。ISLAND SLIPPERの一番の特徴はクッショニングだと思います。
みなさんよく言われるのはなんといっても履き心地のよさで、またトングタイプは指の間が痛くなりづらいというのもよく言われます。レザーなので履くほど足に馴染む感じがあると思います。スムースレザーとスエードタイプがあり、どちらも人気です」
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