1875年、ロンドンの地で産声を上げた「Liberty(リバティ)」は、創業以来、美しいデザインと高品質なファブリックを世界中に届けている。独創性と革新性でファッション界に影響を与え続けるリバティは、なぜこれほどまでに多くの人々を魅了し続けているのだろうか。
日本法人である
株式会社リバティジャパンの代表取締役社長・松原崇さんと、デザイナーの高橋亜矢子さんとともに、その歴史をひもときながら、時代を超えて愛されるリバティプリントの魅力を探る。
PROFILE|プロフィール

松原 崇(まつばら たかし)
株式会社リバティジャパン 代表取締役社長
1996年明治大学卒業後渡英、The London College of Fashion MA Fashion Studies卒業。帰国後2000年リバティジャパン入社。2025年より代表取締役社長就任。日本マーケットにおけるリバティ・ファブリックスのセールス、サブライセンスを手掛ける。
PROFILE|プロフィール

高橋 亜矢子(たかはし あやこ)
株式会社リバティジャパン デザイン開発部部長
文化服装学院テキスタイルデザイン科卒業後、テキスタイル会社を経て2001年にリバティジャパン入社。2008年よりデザイン開発部部長就任。前職のテキスタイル会社での経験を生かし、入社当初より日本のマーケットに合わせたリカラーやデザインアレンジ、素材開発を担う。近年ではリバティジャパンデザインチームによって構成されるカプセルコレクションのデザイン制作にも携わっている。
東洋文化への関心から生まれた独自の世界観
リバティの歴史は、1875年、創業者 アーサー・ラセンビィ・リバティとその妻が、東洋の美術品や布を販売する店をロンドンに開いたことからはじまる。
創業者のアーサー・ラセンビィ・リバティ彼らは「美しく良質な日用品をより多くの人に提供する」という信念のもと、日本をはじめとするアジア圏から輸入した美術品や布を販売した。その背景には、夫妻の日本文化への深い関心と、当時イギリスで沸き起こっていたジャポニズムの流行があったそうだ。
当初はシルクのファブリックを輸入販売していたが、輸送に時間がかかるうえ、輸送時の商品へのダメージが大きかったため、イギリス国内で職人たちとともにファブリックの製造を開始した。