Fashion Tech News symbol
Fashion Tech News logo
2023.11.30

三日月プリントが世界的な人気に:MARINE SERREのサステナブルな未来を提案するファッション

フランス生まれのデザイナー・Marine Serre(マリーン・セル)。彼女のデザインは、代表的な三日月プリントをはじめ、特徴的なシルエットと素材の使い方で知られており、ファッション業界だけでなく、多くの海外セレブからも支持されている。
Balenciagaでデザインアシスタントを務めながら、2016年に自身のブランド「MARINE SERRE」を設立。その後、2017年にLVMHプライズを受賞し、一躍注目を浴びた。
同ブランドは「エコフューチャリスト」というコンセプトのもと、持続可能な素材と製造方法を重要視し、未来志向のファッションを模索している。こうした理念から、Marine Serreは世界中で高い評価を受けているデザイナーのひとりといえるだろう。今回は、そんな彼女にMARINE SERREのサステナブルな未来を提案するファッションについて話を聞いた。
PROFILE|プロフィール
Marine Serre(マリーン・セル)
Marine Serre(マリーン・セル)

MARINE SERRE ファウンダー・デザイナー

自然に囲まれた小さな村で育つ

MARINE SERREはブランドコンセプトに、使用済みのアイテムを再生し、新たな命を吹き込む「エコフューチャリスト」を掲げている。ゆえに創業以来、再生・アップサイクルしたユニークなアイテムを産業レベルで開発し続けているのだ。
持続可能性や環境問題に興味を持ったきっかけは何だったのだろうか。
「私は自然に囲まれた、フランス中南部にあるコレーズという村で育ちました。それゆえ幼い頃からサステナブルな習慣が身につき、自然を大切なものとして意識するようになっていました。そのため、サステナビリティが仕事につながることは、ごく自然な流れでした。仕事の根本であり、目的でもあります。
しかし、ファッションと持続可能性の融合には障壁もありました。そのなかで、もっとも大きな課題となるのはキー素材の調達です。高品質のシルクやデニムなどの原材料を大量に調達するのが難しくなっているからです。
こだわりある“未来の服”をつくるためには、常に状況に応じて、柔軟に変化していく必要があると考えています」

世界的に注目を浴びている、三日月プリント

MARINE SERREでは、現在4つの異なるラインを展開している。
「Borderline」は、ボディとウエアの境界を曖昧にするアンダーウエアのセカンドスキンライン、「Red Line」はクチュールのレッドカーペットラインだ。「White Line」では昼夜問わず人生を謳歌できる多彩なコレクションを用意し、「GoldLine」では未知のハイブリッド・モードを探求した精巧なコレクションを展開している。
なかでも、セカンドスキンラインの「Borderline」で展開されている三日月プリントのウエアは見たことのある人も多いのではないだろうか。
この三日月プリントはファッション業界のみならずセレブリティからも注目され、Dua LipaやBeyoncé、 Kylie Jennerといった有名人も多く愛用している。この反響について、Marine Serreは以下のようなコメントをくれた。
「多くの有名人が、この小さな革新的ブランドを選んでくれていることをうれしく思います。 三日月は、いろいろな要素を持つ時代に左右されない模様だと思います。 女性らしさや、流動性、再生や始まりなどを表すとてもスピリチュアルなシンボルです。 
そのため、多くの有名人が自分たちの価値観を表現するために、私たちの服を選んでくれているのではないでしょうか」

シルクやリネン生地はブランドのキー素材

日本国内でもMARINE SERREのウエアは注目を集めているが、日本のマーケットにはどのような印象を持っているのだろうか。
「日本の伝統的な着物や浴衣の、シルクやコットン、リネンなどの素材を使った生地に興味があります。シルクやリネン生地は、私たちのブランドのキー素材だからです。
また、日本のタトゥーアートのモチーフを、セカンドスキンのトップスやレギンスのプリントに取り入れるのも面白いかもしれません」
すでに多くのファンを獲得しているMARINE SERREだが、今後の展望も気になるところ。最後に、そのことについて伺ってみた。
「MARINE SERREを単なるファッションブランドではなく、ライフスタイルブランドにしていきたいと思っています。なぜなら、私たちのファンの方々は、私たちの価値観や社会的・政治的ビジョンに共感してくださっているからです。
私たちのブランドは、単なる服ではなく、生き方や考え方への提案でありたいと考えています」

ヘッダーキャプション:Marc Hibbert

この記事をシェアする