写実的でありつつ、どこかダークな雰囲気を持つイラストで知られるアーティスト・
雪下まゆさん。2020年にはファッションブランド「
Esth.(エスター)」を立ち上げ、デザイナーとしての活動もスタート。ブランド活動は一時的に休止していたものの、2025年に再始動する予定だという。彼女は、イラストとファッションの領域でどのような世界を描くつもりなのか。その胸の内に迫った。
PROFILE|プロフィール
雪下 まゆ(ゆきした まゆ)
アーティスト/ファッションデザイナー
1995年12月6日生まれ、多摩美術大学デザイン卒。写実的でありながら、個性的なデフォルメとラフな タッチを残した個性的な画風で人気を集める作家。装画・音楽業界などからの注目も高く、タイアップ作品も多く手掛ける。
これまでに、2022年本屋大賞受賞作品「同志少女よ、敵を撃て」本屋大賞候補作品「6人の嘘つきな大学生」、東京モード学園TVCM、SUMMERSONIC2022オフィシャルグッズ、
TOKYO CREATIVE SALON (東急電鉄)、といった広告・装丁などその活動は多岐に渡る。
又、2020年に立ち上げたファッションブランド「Esth.」のデザイナーを務める。
活動の原点は「模写」
はじめに、イラストを描き始めたきっかけを教えてください。
明確なきっかけはなく、物心ついたときから絵が好きで、小学生の頃には将来は絵を描く仕事をしたいな、と漠然と考えていました。最初は動物の図鑑などを見ながら模写していたのですが、小学生から中学生の頃に、漫画家の田島昭宇さんの作品に影響を受け、漫画の模写もするようになって。もともと好きだった写実的な絵を、漫画のように少ない線で描く、といったことを始めました。
大学に進学してからはグラフィックデザインを専攻しながら、独学でデッサンや油絵を学びました。その頃から、漫画の2次元的な要素と油絵の写実的な要素が入っている作品を作るようになっていきました。
イラストレーターとして本格的に活動を始めたのはいつ頃のことなのでしょうか?
大学1年生くらいからイラストをSNSで発信し始めたところ、作品を見てくださる方が徐々に増えていき、2年生になった頃からだんだんとお仕事がもらえるようになっていきました。一時期は就職も考えたのですが、結果的には大学卒業後すぐにフリーランスのイラストレーターとして活動するようになり、今に至っています。