都市と自然をシームレスに繋ぐための洋服
今回のカプセルコレクションのお話に入る前に、meanswhileとTHE NORTH FACEについて確認しておこう。meanswhileは「日常着である以上、服は衣装ではなく道具である」というコンセプトで、2014年秋冬にスタート。無機質さと温かみのバランス、そして素材使いとギミックが散りばめられたデザインワークが評判で、2019年にはTOKYO FASHION AWARD 2020を受賞し、海外でもその人気が広がるきっかけとなった。
そしてTHE NORTH FACEの創業は1966年、アメリカ、カリフォルニア州のバークレーにて誕生した世界的アウトドアブランドだ。険しい登山にも耐えうる優れた製品であることは当然ながら、シャープなデザイン性で多くの人に愛用されている。
藤崎氏が、このTHE NORTH FACEのデザインを手がけることとなった経緯から聞いていこう。
「THE NORTH FACEを運営するアメリカの
VF Corporation(ヴイエフ コーポレーション)から、『THE NORTH FACE URBAN EXPLORATION(ザ・ノース・フェイス アーバン エクスプロレーション)』というラインのカプセルコレクションでオファーをいただいたのがきっかけです。
手がけたアイテムはすでに発売中なのですが、このカプセルコレクションは今年の2月に行った、2025年秋冬のランウェイのタイミングでmeanswhileと一緒に発表しました。このランウェイは、強大な人工物のなかでやるイメージがあり、有明アーバンスポーツパークのスケートパークというロケーションを選びました。
“都市型ファッションは『衣服本来の機能を“建築”が補完することで成り立っている』と捉え、『建築という庇護がなくなったとき、衣服が自身の役割を拡大できるのでは』”というテーマで行いました。
THE NORTH FACE URBAN EXPLORATIONのキーワードが、“都市と自然をシームレスに繋ぐための洋服”というものなのですが、そこがmeanswhileとの共通項と考え、今回のコレクションとリンクするところがあったので、このタイミングでの発表となりました」