パリ8区と16区の境に建つ「イヴ・サンローラン美術館(Musée Yves Saint Laurent)」は、1974年から2002年まで同メゾンの本社が置かれていた建物だ。服やアクセサリー、デッサンなど、イヴ・サンローランにまつわる膨大なコレクションを擁し、その最上階がこの当時のままを保存したアトリエとなっている。イヴ・サンローラン自身も、 実際にここでデザイン画を描いていた。
目の前にセーヌ川が流れる地下鉄9号線アルマ・マルソーの駅。地上に出て、交差点の向こうに大きく目に飛び込んでくるエッフェル塔を左手に、プレジダン・ウィルソン通りを経由しつつマルソー通りへ入ると、「Yves Saint Laurent」という銘が入ったフランス第二帝政時代の建物にたどり着く。イヴ・サンローラン美 術館である。