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2023.08.16

レトロなデザインと高機能テクノロジーが融合 ! ニューバランスの新機軸 「WRPD Runner(ワープドランナー)」とは?

2023年8月16日(水)にニューバランスより発売される「ワープドランナー」。既存のモデルでは見たことのないコンテンポラリーなデザインに、最新テクノロジーを搭載したニューカマーだ。今回はそんな新型モデルのインプレッションと、ニューバランスが「ワープドランナー」に託す思いを、スニーカーシーンのキーマンであるミタスニーカーズのクリエイティブディレクター国井栄之さんに伺った。

初のお披露目はパリのファッションウィーク

ニューバランスが新たなコンセプトで挑む「ワープドランナー」。そのお披露目は2023年6月、パリのファッションウィークにおけるランウェイショーだった。東京を拠点とする人気ブランド「オーラリー」の2024年春夏コレクションに、件の「ワープドランナー」を履いたモデルが登場したのだ。
その後、「オーラリー」はすぐにモデルたちが履いていた「ワープドランナー」とのコラボモデルを発表し、ファッション業界の話題をさらった。その発信の方法について国井さんはこう語ってくれた。
「ニューバランスの新モデルが、ブランドとのコラボモデルとして先に発信されることは今までになかったので、かなり斬新な発表の仕方だと思います。同時期に、自分もボストンのニューバランス本社からファーストモデルを送ってもらいSNSにアップしたところ、それがかなりバズったので、思っている以上に注目度が高いんだな、と感じました」
ファッションとコンセプチュアルデザイン”をバランスよく組み合わせ、見慣れたものをあえて歪ませたことで生まれた「ワープドランナー」。最初の発信がランウェイショーという、今までにないセンセーショナルな登場となった。8月16日(水)に発売されるのはオフホワイトのみ。22,000円(税込)
ファッションとコンセプチュアルデザイン”をバランスよく組み合わせ、見慣れたものをあえて歪ませたことで生まれた「ワープドランナー」。最初の発信がランウェイショーという、今までにないセンセーショナルな登場となった。8月16日(水)に発売されるのはオフホワイトのみ。22,000円(税込)
国井さんは続けて、「ワープドランナー」がどんなモデルであるかを説明してくれた。
「ワープドランナーは2020年からスタートした『Shifted(シフテッド)シリーズ』の最新作です。『シフテッドシリーズ』とは、2020年の『327』、2021年の『57/40』、『237』、『XC72』、2022年の『CT302』、そして以前記事にしていただいた『90/60』の系譜となります。
今までは元になったモデルの品番をつけたり、ハイブリッドさせたモデルは2つの品番を組み合わせたりしていましたが、今回はニューバランスとしては珍しく、『ワープドランナー』というネーミングで出してきたので、新鮮でしたね」

履けば履くほどその良さに気づくのが魅力

ニューバランスの新機軸である「ワープドランナー」はどんなコンセプトで生まれたシューズなのだろうか。国井さんは続ける。
「このモデルは“モダンコンテンポラリー”をテーマにいろいろな要素を盛り込んでいるのが特徴で、特にソールの形状が彫刻的で面白いですよね。
ソールの形状はコンテンポラリーなデザインで美しい。テーマを表現するために、新たに型からデザインをおこしたのも頷ける
ソールの形状はコンテンポラリーなデザインで美しい。テーマを表現するために、新たに型からデザインをおこしたのも頷ける
アッパーは900番台のクラシックな顔つきを踏襲しながらも、ソールにはニューバランスのテクノロジーが詰まった『FUELCELL(フューエルセル)』を組み合わせています。
ソールのデザインが流線型。素材にはニューバランスのパフォーマンスモデルで使われる「FUELCELL」が搭載される
ソールのデザインが流線型。素材にはニューバランスのパフォーマンスモデルで使われる「FUELCELL」が搭載される
アッパーのレトロなデザインと、現代的なテクノロジーに美意識を注入した彫刻的な形状のソールが融合して、まさに“フューチャリスティック”だけど、どこか懐かしさもある絶妙なバランスを保ったモデルだなと思います」
ライフスタイルカテゴリーからリリースされてはいるが、ソールには最新のテクノロジーを搭載している「ワープドランナー」。国井さんは実際に履いてみてどう感じたのだろうか。
「機能としてはスゴいけど、シチュエーションが合ってないと宝の持ち腐れになる場合があります。車で例えると、街中でF1カーを走らせるのは無理がありますよね。
これまでさまざまなシューズを見てきて、速く走るためのテクノロジーを使ったシューズは履いた瞬間、形状的にも前への推進力があるので“おぉ、スゴ!”とは思うけど、ただ立っている状況では安定性が足りないことも。
また、トレイルなどに使われるシューズも悪路のアップダウンには効果を発揮するけど、舗装されたアスファルトだと逆にソールが柔らかすぎて、長時間履くと足がモタつく……などと、そんな経験もありました。
ニューバランスは最初に履いた時のフィッティングはいいし、クッション性もいいと思うけど、長時間履けば履くほどその本当の良さがわかるのが大きな特徴です。
“NBロゴ”は反りあがったヒール部分にのみ刻印されるというミニマムなデザイン
“NBロゴ”は反りあがったヒール部分にのみ刻印されるというミニマムなデザイン
この『ワープドランナー』もご多分に漏れず、実際に仕事で1日中、さらに2~3泊の旅行にも履いていきましたが、この一足ですべて賄えるぐらい履き心地が良かったし、疲れなかったのでシンプルに“良いシューズ”だと実感しました」
これまでさまざまなニューバランスのスニーカーを見てきた国井さんをして、ここまで言わしめるのが「ワープドランナー」の魅力といえるだろう。
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