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2024.01.26

スポーツサングラスの雄「Oakley(オークリー)」の 大定番モデル「フロッグスキン」が生まれた背景と進化の過程

1975年にアメリカのカリフォルニアにて、ジム・ジャナードが設立した「Oakley(オークリー)」。その後、スポーツ用のゴーグルを展開したことよりアイウェア業界に参入。オークリーの中でもっとも歴史が古いサングラスのひとつが「フロッグスキン」だ。
今回はそんな定番モデル「フロッグスキン」がどのようにして生まれたのか、その誕生の背景と、その後の進化の歴史について、オークリーのプロダクトマーケティング部門のグローバルディレクターであるアリソン ジョーンズさんにお話を伺った。

デザインとイノベーションの追求こそがブランドの哲学

プロダクトデザインとスポーツパフォーマンスの分野で世界をリードする「オークリー」。現在、900件以上の特許を所有するその歴史をグローバル ディレクターのアリソン・ジョーンズはこう語る。
「『オークリー』は南カリフォルニアにてジム・ジャナードの手によって誕生しました。最初はモトクロス用品の代理店としてスタートし、モトクロス用のハンドグリップを展開していたのです」
ブランド設立当初にアイウェアを手掛けていなかったことは意外だったが、どのようにしてアイウェアを展開するに至ったのだろう。アリソン・ジョーンズはこう続ける。
過去に展開されていた「オーバーザトップ」というモデル。テンプルがなく、頭に装着する個性的なデザイン
過去に展開されていた「オーバーザトップ」というモデル。テンプルがなく、頭に装着する個性的なデザイン
「1980年、『オークリー』は最初のモトクロス用のMXゴーグルである“Oフレーム”でアイウェア市場に参入します。そのゴーグルがトップライダーの間で評判を呼び、徐々にアイウェアのブランドとしてその知名度を広げていきます。
その後、初のスポーツパフォーマンスサングラスやスキーゴーグルを開発。スタイリッシュなデザインと世界最高レベルの機能性と快適性を追求したプロダクトは、アスリートに信頼され、『オークリー』はスポーツサングラスのトップメーカーに成長するのです」
カリフォルニア州フットヒルランチにある本社。建物のデザインも独創的だ
カリフォルニア州フットヒルランチにある本社。建物のデザインも独創的だ
「オークリー」のアイウェアはゴルフの松山英樹選手、スノーボードの平野歩夢選手など、さまざまな競技のトップアスリートが契約選手として愛用しているのは周知のとおりだ。

定番モデル「フロッグスキン」の歴史

スポーツサングラスやゴーグルの分野ではトップを独走していた「オークリー」。一方で、現在ストリートでも定番となっているベストセラーモデル「フロッグスキン」はどのようにして生まれたのだろうか。アリソン・ジョーンズはこう回答してくれた。
「『オークリー』のアイウェアはスポーツ分野に特化していましたが、ライフスタイル分野にもチャンスがあると判断しました。細部や素材へのこだわり、そしてスポーツの核となる光学系テクノロジーが眼鏡にも応用され、1985年に定番モデル『フロッグスキン』が誕生したのです」
ストリートではお馴染みのこのフォルム。「フロッグス��キン」は2007年の復刻時にもこのデザインは変わることなく、ファンを喜ばせた。22,220円(税込)
ストリートではお馴染みのこのフォルム。「フロッグスキン」は2007年の復刻時にもこのデザインは変わることなく、ファンを喜ばせた。22,220円(税込)
軽量なフレームとレンズの組み合わせで80年代に人気が爆発した「フロッグスキン」だが、90年代の終盤に一時販売休止の憂き目にあう。だが、2000年代初頭に起こった80年代リバイバルの機運が「フロッグスキン」を復刻へと導いたのだった
「現在は、フレームに丈夫で軽量の“O Matter™フレーム”を採用。レンズにもブランド独自のテクノロジーである“Prizm™偏光レンズ”を選べるようになりました」
アーカイブのディテールに立ち返りつつ、最新の機能をうまくミックスさせた「フロッグスキン」。2007年の復刻時にはスタンダードフィットの他にアジア人の骨格にも合う“アジアンフィット”も追加され、日本人の顔にもピッタリに。まさに「フロッグスキン」の人気を不動のものとしたのだった。

さらなる進化を遂げた80年代のアイコン「フロッグスキン」

現在ラインナップされている「フロッグスキン」では、掛け心地を左右する機能的なアップデートが施されている。そのアップデートについてもアリソン・ジョーンズさんはこう語る。
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