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2024.04.16

「Ray-Ban(レイバン)」世界のセレブに愛された揺るぎない定番

サングラスのパイオニアとして長年世界中で愛されている「Ray-Ban(レイバン)」。さまざまなサングラスのルーツとなる存在だ。今回はブランドの揺るぎない定番中の定番といわれるアイテムを紹介しながら、ブランドの歴史を紐解いていこう。

はじまりはパイロットのために

アメリカ軍に空軍がなかった時代、アメリカ合衆国陸軍航空隊のパイロットが高度を飛ぶ際、太陽光線に起因する眼球疲労と視力低下、そして頭痛、吐き気に悩まされていたということがあり、太陽光の眩しさを防ぐための道具が必要になった。
そこで当時、光学技術を持ち、顕微鏡などを作っていた「ボシュロム社」に、サングラスとしてのレンズをアメリカ軍が1923年に依頼した。しかし開発には困難を極めレンズの完成には6年の歳月を費やし、完成したのは1929年のことだった。
そして1930年、制式採用されたサングラス第1号が、現在も人気のモデル「AVIATOR(アビエーター)」の原型となる。
その後ボシュロム社はこのAVIATORの市販を開始する。今ではティアドロップ型と呼ばれポピュラーなフォルムだが、このデザインは人間の眼の最大の視野を確保するために同社が作り上げたオリジナルのフォルムになっている。まさに機能美として長年作り続けられるデザインだ。
このとき“光(Ray)を遮断(Ban)する”という意味をブランド名とし、Ray-Banブランドが誕生する。1937年のことだった。

ジェームス・ディーンやオードリー・ヘップバーンも愛した「WAYFARER(ウェイファーラー)」

AVIATORの発売後、「OUTDOORSMAN(アウトドアズマン)」や「CARAVAN(キャラバン)」など機能によったアイテムのリリースが中心だったが、1952年、Ray-Ban初のプラスチックモデルとして「WAYFARER(ウェイファーラー)」が誕生する。
ファッションユースとして開発されたこのモデルは映画「理由なき反抗」でジェームス・ディーンが、「ティファニーで朝食を」ではオードリー・ヘップバーンが着用し、瞬く間に人気となり多くの人たちに愛される伝説のモデルとなっていった。それは日本でも例外ではなく、現在もWAYFARERは人気モデルとなっている。フロントの傾斜角度、テンプルのフォルムなど、そのデザインは唯一無二なものとして語り継がれている。

1980年代後半から1990年代前半におこった「CLUBMASTER(クラブマスター)」ブーム

ここまでRay-Banの2つの名品を見てきたが、1986年にさらなる名品が誕生する。ブロウラインが特徴的な「CLUBMASTER(クラブマスター)」というアイテムだ。
サングラスとしてはもちろんだが眼鏡フレームとしても人気のモデルで、映画「マルコムX」ではデンゼル・ワシントンが、「レザボア・ドックス」ではティム・ロスがCLUBMASTERを着用したことでも話題となった。

「Ray-Banグリーン」という独自のレンズ

フレームだけではなくレンズもまたRay-Banの人気を語るうえでは欠かせない。レンズの右上に入ったロゴも大きな特徴のひとつだ。さらにRay-Banでもっとも有名なレンズカラーで“G-15”「Ray-Banグリーン」と呼ばれるものがある。
ブランドファンの中でも人気の高いレンズカラーだ。これは眩しさを軽減しつつ、対象物が自然の色調に見えるレンズといわれているものでRay-Banのオリジナルカラーになっている。
Ray-Ban昔の広告。Ray-Banグリーンが打ち出されている
Ray-Ban昔の広告。Ray-Banグリーンが打ち出されている
現在はさまざまなカラーや種類のレンズがリリースされている。たとえば、色によって特性が分かれており、ブラウンは曇りの日などに明るく見えるという特徴があったり、プラスチックレンズのアイテムも増えていたりする。そんななか、一番ベーシックといわれるものは、やはりガラスレンズのG-15、Ray-Banグリーンということもあり、やはりRay-Banのアイコニックなモデルにはガラスレンズのものが多く使われている。
プラスチックレンズには軽さのようなメリットがあるが、ガラスレンズにはキズがつきづらかったり、歪みづらかったりなどの特徴がある。
AVIATOR、WAYFARER、CLUBMASTERのG-15カラーレンズ
AVIATOR、WAYFARER、CLUBMASTERのG-15カラーレンズ
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