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2023.09.06

「STANDARD CALIFORNIA(スタンダード カリフォルニア)」オーナー阿久戸さんに聞く、20年の歩み

2003年のオープン以来、カリフォルニアのカルチャーを追求した独自のスタイルを確立し、常に第一線を走ってきた「STANDARD CALIFORNIA(スタンダード カリフォルニア)」が今年20周年を迎えた。今回はオーナーであり、株式会社トライシープス代表取締役の阿久戸秀高さんにお店のルーツやこの20年のことを伺った。
STANDARD CALIFORNIAオーナー、株式会社トライシープス代表取締役の阿久戸秀高さん
STANDARD CALIFORNIAオーナー、株式会社トライシープス代表取締役の阿久戸秀高さん

古着屋からオリジナルブランドへ

「東京、恵比寿に古着メインでお店をオープンさせ、当初からLAのスタッズベルトブランド『HTC(エイチティーシー)』もセレクトしていて、その頃はまだ日本でHTCを知っている人も少なかったのですが、メディアに取り上げるなどして徐々に、周りに認知されていきました。他のセレクトショップのバイヤーさんから『卸してほしい』というお話もいただくようになって、広まっていきました。
その時から少しずつお店のロゴ入りのオリジナルのアイテムを作るようになり、それも『卸してほしい』と言っていただいて。今思うとそのあたりからブランドとしての展開が始まっていったような気がします。オープンから2年ほどが経っていました。
取り扱い店舗も少しずつ増えてきた2006年頃に、はじめて展示会を開きました。こうしてSTANDARD CALIFORNIAブランドとしての展開がスタートした感じです」
当時のものではないが同じモチーフのキャップとTシャツ SD Logo Patch Mesh Cap 参考商品 SD Basic Logo T 参考商品
当時のものではないが同じモチーフのキャップとTシャツ SD Logo Patch Mesh Cap 参考商品 SD Basic Logo T 参考商品

STANDARD CALIFORNIAオープンのきっかけと一人のキーマンの存在

ここで一旦、阿久戸さんがショップを開店する前のお話を伺ってみよう。そこにはどんなルーツがあり、STANDARD CALIFORNIAのオープンへと繋がっていくのだろう。
「大学時代の4年間、アウトドアショップでアルバイトをしたり、そのショップの向かいに古着屋さんがあって、そこでもたまにアルバイトさせてもらったりしていたのですが、サーフィンが好きで年に1回バリ島にサーフィンをしに行ったり、年に1度はサーフボードを買ったりしていました。なので、お金はそこに使っていて、ファッションにはあまりお金をかける感じではなかったのですが、古着はその頃から好きで、『Levi's(リーバイス)』501を穿いて、『Champion(チャンピオン)』のリバースウィーブを着るという格好をしていました。
そして、大学卒業後は、1年ほどワーキングホリデーでオーストラリアに行きまして、日本に帰ってきてからはスノーボードとアウトドア用品を扱う会社に10年ぐらい勤めました。そこではインポートのものを扱っていたので年に3~4回ほどロサンゼルスやサンフランシスコに出張に行っており、ちょうどその頃、大学のときの同級生がロサンゼルスで古着の買い付けの仕事をしていて、自腹で延泊して週末その友人の買い付けに一緒に行くなどしていました。
何年かして仕事も落ち着いてきた頃、自分で古着の仕事がしたいと思って、働きながら少しずつ準備をすすめ、2003年にSTANDARD CALIFORNIAをオープンするという流れになります。買い付けに関してはその友人との信頼関係もできていたので『こういうジャンルでこういう古着を買いたい』ということを伝えて集めてもらっていました。彼との仕事はその後も長く続いています」

2003年のオープンとHTCのベルト

こうして始まったSTANDARD CALIFORNIAのオープン当時のお話を伺っていこう。こだわりの古着や、HTCのデザイナーとの出会いなど、さらなるエピソードがあったようだ。
「その頃のことを思い出すと、物件探しから大変だったのを覚えています。中目黒辺りでも探したのですが、なかなか難しくて、思い通りの物件が出てこなかったり、出てきても貸してもらえなかったりしていましたね。それでエリアを代官山や恵比寿まで広げて探してみたら、建設中の今の物件に出会いました。大家さんに自分のやりたいことを伝えたら、そこでOKが出て、物件が完成した状態を見ずに借りることになったんです。
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