平成からの裁縫箱の変化はSNSで度々話題になるが、その中でも「リトルボブドッグ」と「家庭科のドラゴン」は、特に30代〜40代の世代にとっては親しみがあるキャラクターだろう。
しかし、なぜこの2つのキャラクターが家庭科の教材として選ばれ、長年愛されてきたのだろうか。現代では裁縫箱の進化がジェネレーションギャップを語る題材となっているが、その歴史的背景はあまり知られていない。
平成時代の裁縫箱がたどってきた歴史と変遷について、
株式会社サンワードの川中さんに話を聞いた。
今まで無難だった裁縫箱が輝き出した2000年代
どのような経緯で各キャラクターが裁縫箱に採用されるようになったのか、川中さんはこう語る。「それまでサンワードでは、リトルボブドッグやファンシーなキャラクターを輩出しており、もともと家庭科の学習教材メーカーさんともお取引があったので、最初はリトルボブドッグが裁縫箱に採用されました。
そこからさらにメーカーさん側からオーダーをいただいて、誕生したのが家庭科のドラゴンです」
それまで、無難な裁縫箱しかなかったところに、突如現れたドラゴンは瞬く間に男子の間でヒットする。選択肢がないからなんとなく選ぶというのではなく、彼らの「欲しい」という気持ちに「家庭科のドラゴン」は火をつけた。