靴工房や靴職人は当時からすでにイングランドに存在しており、それを束ねてブランドとするという概念を作り上げたころなのではないだろうか、今回はTricker'sの歴史と名品について
株式会社ジー・エム・ティー プレスの三浦由貴さんにお話を伺った。
「イングランド中部に位置し、革靴作りの聖地として知られるノーサンプトンという街には、優秀な革靴職人がたくさん集まっていたといいます。その街でTricker'sははじまります。創業者は『Joseph Tricker(ジョセフ・トリッカー)』という人物で、その名前から、Tricker'sというブランド名になりました」
7歳の少年が作ったブーツがルーツに
Tricker'sの長い歴史のなかで言い伝えられるブーツにまつわる話があるという。それについても引き続きお話しいただこう。「ジョセフ氏の養子で『Walter James Barltrop(ウォルター・ジェームズ・バールトロップ)』という人物がおりまして、彼はわずか7歳で、1足のブーツを作ったそうです。それは1848年の出来事で、そのブーツは現在もライナップされるカントリーブーツのルーツになったともいわれています」