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2024.01.12

揺るぎなき定番「DENALI JACKET」と「HAPPY JACKET」「WILD THINGS(ワイルド シングス)」の名品アウター

1980年代アウトドア系で革命的なブランドが誕生したと話題になった。1981年アメリカ・ニューハンプシャー州で誕生した「WILD THINGS(ワイルド シングス)」だ。
クライミングギアを中心に展開するなか、アウトドアで培った高い技術は冬用のアウターでもその威力を発揮し、当時から話題になっていた。そのハイクオリティさゆえ、アメリカ軍へ製品を納品していたことでも知られている。今回はWILD THINGSの冬のアウター群を株式会社インスのPRを担当している渡邊康太さんに紹介していただいた。
「WILD THINGSはマウンテンガイドをしている家系に生まれ、大自然の中で育ったマリー・ミューニエール氏とアメリカ・マサチューセッツ州の登山家ジョー・ボーチャードの2人が始めたブランドになります。
マリー氏は女性としてはじめてアンデス山脈最高峰アコンカグアの登頂に成功しました。歴史的快挙を達成した際に自らがWILD THINGSのウエアやギアを身につけていたことで、彼女の名とブランドネームがクライマーの間で知れ渡ることとなり一躍有名になりました。
アウトドアを熟知し、ミリタリーギアの開発ノウハウがのちに名品と呼ばれるアイテムを作り出していくことになります」
1980年代~1990年代のカタログ
1980年代~1990年代のカタログ

揺るぎなき定番アウター「DENALI JACKET(デナリ ジャケット)」

WILD THINGSのアウターのルーツともいえる定番中の定番アイテム「DENALI JACKET」。大きなフライフロント(前たて)と大きな2つのサイドポケットが印象的で、1980年代初頭から大きくデザインが変わることなく愛されているアイテムだ。そんなDENALI JACKETを詳しく説明していただこう。
「冬の定番アイテムとなるDENALI JACKETは、過酷なアウトドアシーンからタウンユースまで幅広いシチュエーションに対応することができるアウターになっています。WILD THINGSにて長年にわたり、不動の定番として君臨し続けるモデルです。
表地に使用している『PERTEX SHIELD AIR(パーテックス シールド エアー)』という素材のお話をさせていただくと、エレクトロスピニング製法という、ミクロ単位の無数の穴を持った特殊多層構造膜のメンブレン[1]に、防水性・透湿性・耐久性を損なうことなく、優れた通気性も実現した生地を3レイヤーで仕上げた、高温多湿・悪天候の環境下でも、着用したまま快適に行動し続けることができるという素材なんです。
さらに中綿には保温性、軽量性、柔軟性、撥水性、通気性、収納性といった優れた機能を持つ画期的なマイクロファイバー素材、『PRIMALOFT SILVER INSULATION(プリマロフト シルバー インサレーション)』が使われています。極細繊維が密集した空気層を形成し、体から発する熱を閉じ込め、外部からの冷気を遮断するので軽さに対して優れた保温効果の持続が可能な素材となります。
過酷な環境にも耐えうる屈強なアウターというイメージや位置付けですが、近年は動きやすさや、シルエットなどを追求し、毎シーズンブラッシュアップし続けているアイテムでもあり、真冬のタウンユースとしての使い勝手にかなり注力をしています」

ブランドの代表作となった「HAPPY JACKET(ハッピー ジャケット)」

WILD THINGSを語る上でもうひとつ重要なアイテムがある。それは「HAPPY JACKET」というアイテムだ。これに関しても引き続き伺っていきたい。
「アメリカ軍に納品していた“HAPPY SUITS”を元型にモディファイドし作られたアイテムです。HAPPY SUITSのお話からさせていただくと、極地まで対応するアメリカ軍のレイヤリングシステム『ECWCS(エクワックス)』のサプライヤーに認定され、最強の防寒性を誇るレベル7というアウターはWILD THINGSが主導し、開発したものになります。
HAPPY JACKETは現代版に置き換えられ作られています。日常使用を想定し、シルエットや中綿量を再調整し、軽く仕上げており、ハの字型のジップがデザインのポイントになっています。
基本デザインは、スタンドタイプの衿回りにはベルクロポケットでフードが収納可能になっており、表地は撥水加工が施されたナイロン素材で多少の雨は弾き、水洗いが可能なものになっています。中綿には先程DENALI JACKETでもご説明させていただきました、PRIMALOFT SILVER INSULATIONが採用されています」
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