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2023.12.25

ひとつのアイテムに多くの人が携わっている 「YANYAN」が考えるニットの未来像とは?

“Proudly knitted in China=誇らしい中国生産のニット”をコンセプトに、中国の伝統的な漢服にインスピレーションを得た遊び心満載なデザインを体現するニットウェアブランド「YANYAN(ヤンヤン)」。
新進気鋭のブランドだけに注目を集めているが、デザイナーのSuzzie ChungとPhyllis Chanが生み出す自由な発想のニットは、日本でも人気を博している。今回ブランドのデザイナー2人が展示会で来日。特別にインタビューを敢行し、モノ作りへのこだわりを伺ってきた。
期待のブランド「YANYAN」の立ち上げ背景やその魅力を紐解いていく。

アイテムひとつに多くの人が携わることを表現したブランドネーム

まずは「YANYAN」を立ち上げるに至ったきっかけを教えて下さい。
Phyllis Chan2017年、それまで10年ぐらいアパレルの会社で働いていた経験を生かし、自分たちでブランドをやりたいなと思うようになりました。ちょうど30歳になるのをきっかけに、もう一度、自分の夢を見返し、高校まで一緒だった親友と一緒にブランドをやりたいと思ったんです。
Suzzie Chung高校を卒業してから、連絡は取りつつもお互いに違う道を歩んでいました。本当に仲がいいので、どちらから言い出したというのはなかったですが……。
ブランドコンセプトが“Proudly knitted in China=誇らしい中国生産のニット”ということですが、これにはどういった意味が込められていますか?
Phyllis Chan“メイド・イン・チャイナ”と聞くと、ファストファッションをイメージするかもしれませんが、それはあくまでイメージです。実際に中国で作っているものでも、ピンからキリまであって、ハイエンドでハイクオリティな商品もあるんです。
Suzzie Chungラグジュアリーブランドでも中国で生産しているものもたくさんあるのに、それを公表しない。だから、自分たちはあえてそれを公表することでイメージを変えたかったんです。中国産でもこんなにハイクオリティなものがあるんだという風に。
ブランドのアイコニックなアイテムとしてニットを選んだのは、どういった理由があったのですか?
Suzzie Chung彼女(Phyllis Chan)は前職の「ラグ&ボーン(rag & bone)」でもニットのディレクターを務めていました。メンズやウィメンズのコレクションも然り、ファッションショーでも必要なピースを作るなど、そこでキャリアを積んでいたんです。
ニットのデザインは生産などに関しても精通しているんですよ。私はグラフィックデザインをやってきて、カラーの組み合わせやユニークなものを考えたりするのが得意でした。
Phyllis Chan2人の力を合わせれば、ニットにその力を落とし込めるなということで、ニットをメインアイテムに選びました。
ブランド名の「YANYAN」の由来を教えて下さい。
Phyllis Chanロゴなどにも入っているんですが、漢字で「人(ひと)」が2人入っています。商品をただ見ただけでは、その服にどんな人が携わってきたか、誰もわからないで買い物をしています。ですが、ひとつのアイテムを作ることにも、いろいろな人が携わっている。それを伝えたかったんです。
Suzzie Chung広東語で「人人」と書くと「みんな、人々」という意味になります。このアイテムの背景には多くの人がいるんだよということを表現したかったんです。
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