2021.05.21

デイビッド・モントゴメリー「土を起点に考える、微生物と食・服の共生可能性」

#特集001「生命の循環:装いの歴史と未来」
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ファッションレーベルwrittenafterwardsのデザイナーであり、ファッションを学ぶ場「ここのがっこう」の主宰でもある山縣良和氏とお送りする特集企画「生命の循環:装いの歴史と未来」。今回は、今回は、地質学者・デイビッド・モントゴメリー氏をお迎えします。

モントゴメリー氏は、これまでに「土」を切り口に、三部作となる『土の文明史(Dirt)』、『土と内臓 微生物がつくる世界(The Hidden Half of Nature)』、『土・牛・微生物 文明の衰退を食い止める土の話(Growing a Revolution)』を発表。「土」から考える、服、食といった人間の活動と微生物との共生関係の未来についてお聞きしました。

PROFILE|プロフィール
デイビッド・モントゴメリー(David Montgomery)
デイビッド・モントゴメリー(David Montgomery)

米ワシントン大学の地球・宇宙科学部(Earth and Space Science)教授。地質学者。地球の進化と、地形学的プロセスが生態系や人間社会に与える影響の研究を行う。

サムネイルは妻のAnne Bikle(アン・ビグレー)氏と。

「土と内臓」土と共存すること 

日常的に土と向き合う、実践から見えてきたこと

私たちが現在住んでいるノースシアトルの家にはサイドヤードがあります。購入当時、そこは芝生で覆われた古典的なアメリカの庭でした。芝生を取り除いてみると、そこには土(soil)ではなく、何の生命もない死んだ状態の泥(dirt)しかありませんでした。しかし、私たちはより豊かで多様性のある庭を望んでいたため、生物学者であり園芸家でもある妻のアンが、コンポストやマルチングを行い栄養を与え、時間をかけて生命を戻しました。その結果、私たちは今、元気で多様な庭を手に入れることができました。

土に健康と豊饒さが戻れば、植物は元気になります。私たちは、肥料も農薬も使わず、水も与えていませんが、すべてが健康に育っています。私たちは、微生物、クモ、ミミズ、鳥、そしてカラスを食べたワシもまた、ミミズを食べているように、庭に生命が戻ってきていることに気づきました。これは、地球上で生命が進化した順序を映す鏡のようなものでした。

そして、これは土壌が地上のすべての生物にとっていかに重要であるかを教えてくれました。健全な土壌の生態系があれば、健全な生命が宿り、栄養が循環し、結果、土の中の有機物がたくさんの植物を支え、花粉媒介者やハチ、それらを食べる鳥などの動物を支えることができます。

さらにこれは、私たちが地球に対して何ができるかということについても大きなメッセージを持っていると考えています。つまり、これまで行われきた地球の剥ぎ取り採掘ではなく、世界中の農地の土壌を健康で有益な生命体で再活性化するための、いわば地球規模のガーデニングを考えることができます。つまり、土地の健全性と肥沃度を再構築すれば、生命を維持する能力を高めることができるということです。プラネタリーマネジメント(planetary management)戦略として、長期的に持続可能な開発目標を達成することを考えると、私たちは地球上でどのように生活していくか考えることが重要になります。私たちの庭が教えてくれたのは、土に命を吹き込むことは可能であり、何世紀もかけず非常に早く実現できるということでした。つまり、現在と異なるやり方をとれば、迅速に、土地の肥沃度を回復することができるという、今後地球に暮らし続けていく人類にとっての基礎を示していると言えるでしょう。

画像: モントゴメリー氏のサイドヤードの様子
モントゴメリー氏のサイドヤードの様子

土壌は文明の基礎である

私は、持続可能な農業という考え方は、人類が地球規模でどうすればいいのかを理解するために不可欠なものであり、今世紀中に実現しなければならないと考えています。地質学者の私にとっては、一世紀はとても短い時間です。本当に持続可能な農業への移行を始めるには、あと数十年しかありません。そして、私が考える持続可能な農業とは、土地の健康と肥沃さにかかっていると思います。 なぜなら、土の状態は文明の基礎と捉えることができ、私たちは長い間、その基盤を削り、劣化させてきたという背景があります。

そこで、私たちが本の中で提唱しているのは、土壌との関係を再考し、カバークロップの導入や輪作といった古代からの知恵を取り入れ、不耕起栽培の方法や微生物接種剤などの現代科学の知識と結びつけ、土壌の生態系をサポートすることで、土地の肥沃度を回復・維持するという考え方です。2000年代だけでなく、3100年までに100億人の人々が生きていくために、非常に長い期間、食料供給を維持するためには、これが最善の方法だと考えます。つまり、土壌にダメージを与えずに食料を栽培する方法を模索するのが、環境再生型農業(regenerative agriculture)の焦点だと言えるでしょう。

さらに、私たちは土壌についてこれまでと異なる考え方をしなければなりません。土壌内の生命体のコミュニティと、私たちが生産する作物、土地の健全性や肥沃度との関係を理解しなければならないのです。これまで化学や物理のレンズを通して土壌の肥沃度を考え、従来型農業の最良の考え方とされてきた化学肥料や集約的な耕作は、1つか2つの作物だけを育てる単一栽培へと導いてきました。 このような考え方は、土の中の生命の状態を無視しています。もし、土の中の生命を妨げず、土の中の生命に栄養を与え、土の中の生命の多様性を育むという観点から農業を考えるなら、それは土の生態系を向上させるレシピとなりえます。

このように、基本的には人間中心のレンズで考えるべきではない、ということが言えるでしょう。私たちは、自分たちを支えるシステムを支える生命システムを通して考える必要があります。土の中の生命を養い、世話をし、有益な生命を育てるということです。「自然に逆らうよりも、自然と連携するほうがはるかに簡単だ」という有名な言葉がありますが、私は世界が実際にどのように機能しているのかを理解し、それに逆らうのではなく、共働することが大切だと考えています。

微生物を潜在的な味方として捉える

微生物を害虫や病原体としてではなく、潜在的な味方として考え始めると、微生物に対する考え方が変わってきます。有益な微生物を身近に置きたいと考えれば、必要なのは彼らに住居や食料、コミュニティを提供することです。邪魔をせず、有機物を与え、多様な種類の有機物を与え、多様な種類の植物を育てることが大切です。この方法は、土の中の生命を育むためにも有効ですが、人間の腸内の微生物を考える際にも有効で、私たち自身のマイクロバイオームをどう見るかということにもつながります。

<p><span style="color:#000000">つまり、微生物の世界と良好な関係を築きたいのであれば、有益な微生物をサポートする栽培方法を採用する必要があるのです。微生物は20分ほどしか生きないとされており、1時間もすれば3世代分の微生物が存在します。もし、私たちが最大限の努力をして生き残った少数の微生物をすべて殺そうとすれば、再繁殖するものが出てきます。そうして、抗生物質への耐性ができていくのです。新しい抗生物質が導入されてから、微生物がその抗生物質に対して非常に強い耐性を持ち始めるまでには、平均して約10年かかると言われており、それは、微生物の世代交代の速さに起因しています。微生物の適応までのスピードがとても速く、微生物との進化の競争には勝てないということです。つまり、抗生物質ではない、違う戦略を取らなければならないということです。では、非常に短い期間で生きている生物にどうやって対抗すればよいのでしょうか。</span><br><br><span style="color:#000000">これには、維持したくない微生物の競争相手となる微生物を採用することで、他の有益な微生物が競争相手に勝てるような状況を作ってあげる必要があります。土の中や食べ物のなかに、適切な微生物を維持する仕組みが必要なのです。このように、微生物を、私たちが育てていくことのできる潜在的な味方として考え始めると、実践の仕方も変わってきます。例えば、毎度毎度手を洗うのは良いことですが、毎日抗生物質を食べるのはやめたほうがいいでしょう。つまり、植物や人間の体に有益な生命を育てようとすると、農業や医療についての考え方も変化していくのです。</span><br><span style="color:#000000">(画像:『土と内臓 微生物がつくる世界』)</span></p>

つまり、微生物の世界と良好な関係を築きたいのであれば、有益な微生物をサポートする栽培方法を採用する必要があるのです。微生物は20分ほどしか生きないとされており、1時間もすれば3世代分の微生物が存在します。もし、私たちが最大限の努力をして生き残った少数の微生物をすべて殺そうとすれば、再繁殖するものが出てきます。そうして、抗生物質への耐性ができていくのです。新しい抗生物質が導入されてから、微生物がその抗生物質に対して非常に強い耐性を持ち始めるまでには、平均して約10年かかると言われており、それは、微生物の世代交代の速さに起因しています。微生物の適応までのスピードがとても速く、微生物との進化の競争には勝てないということです。つまり、抗生物質ではない、違う戦略を取らなければならないということです。では、非常に短い期間で生きている生物にどうやって対抗すればよいのでしょうか。

これには、維持したくない微生物の競争相手となる微生物を採用することで、他の有益な微生物が競争相手に勝てるような状況を作ってあげる必要があります。土の中や食べ物のなかに、適切な微生物を維持する仕組みが必要なのです。このように、微生物を、私たちが育てていくことのできる潜在的な味方として考え始めると、実践の仕方も変わってきます。例えば、毎度毎度手を洗うのは良いことですが、毎日抗生物質を食べるのはやめたほうがいいでしょう。つまり、植物や人間の体に有益な生命を育てようとすると、農業や医療についての考え方も変化していくのです。
(画像:『土と内臓 微生物がつくる世界』)

土から、植物へ、人間へ、連続した繋がり

根と腸、2つのパラレルワールド

さらに、これまでに私たちが学んだことは、土の中の生命だけでなく、私たちの腸の中の生命にとっても、土の中の生命や微生物がいかに重要であるかということでした。つまり、微生物の世界と宿主の健康との間には、相互に有益な共生関係があるということです。

植物の根毛と、人間の大腸の中の微絨毛は非常によく似ています。驚くべきことに、この2つのパラレルワールドは、微生物の生態が宿主生物の健康にどのように影響するかをよく示しており、栄養分の獲得など、宿主を助けるために微生物が果たす能力や機能の面でも類似性が見られます。

植物の根の周りでは、土の中のバクテリアや菌類が、植物が必要とする特定の種類の栄養素を手に入れ、それを植物に運び、植物が根から漏らす滲出液と呼ばれる糖分やタンパク質・脂肪を植物と交換して、基本的に栄養源とします。つまり、微生物の生態系の中で、物が行き交い、微生物が植物の栄養補給を助けているという特徴があるのです。

そして、同様のことが人間の体内でも起こります。人間の大腸では、体内の微生物が食べた植物(plant matter)を消化しますが、人間には植物を消化する能力はありません。特に食物繊維が豊富な食品に含まれるセルロースは消化しにくいとされています。そのため食物繊維が豊富な食品は、腸内細菌の作用で消化・代謝され、その水溶性の代謝物が大腸壁を通過し、体内に取り込まれています。つまり、私たちは微生物の代謝物を食べているのです。

私たちは植物性食品で微生物を養い、そこから発生する微生物の代謝物を利用して生活しています。それらの代謝物の中には、人間の健康にとって非常に有益な薬効成分もあります。つまり、植物の根の周りの根圏のシステムと人間の腸のシステムはパラレルで、微生物は人間が栄養を得るのを助け、微生物が排出する代謝物は植物や人間にとって非常に良いものであることがわかります。さらにこれらの代謝物の中には、植物の防御システムや人間の免疫システムに、環境で起こっていることや、私たちの防御や作物の防御を知らせる化学的シグナルを設定するものがあります。

微生物と私たちの相互利益関係

このように2つのパラレルワールドは、一方が他方を裏返している構造であり、栄養素の獲得、代謝物の力、防御システムへの情報提供などの観点から、微生物とのつながりが考えられます。 植物の根の周りの土は、植物の大腸のようなものだと考えることができます。ただ、それが外側に位置づけられた、外側の胃のようなものだとも言えます。

私たちは、植物と動物のライフスタイルの違いを反映させるために、食べ物を体内に取り込みます。 植物はその場に留まっていて、動くことができないため、根の周りに環境を作り、その環境から恩恵をうけ、生命を維持しています。一方で、動物は動き回ることができるため、食べ物を口に入れることで自然を取り込むことができます。両方のシステムの進化の過程で、私たちが食べたものを微生物が食べ、宿主のために有益になるものに変えることができる、共生関係であり相互利益関係が生まれたのです。だからこそ、自然界には競争ではなく、互いに利益をもたらす関係が浸透しています。

以上のような、自然界における共生関係の重要性と、微生物と宿主生物の共生関係がいかに浸透しているか、ということは、アンと私が『土と内臓』を執筆しているときに学んだとても重要なことでした。私たちの多くは、COVID-19を始めとし、すべての微生物を同じレンズで見て、微生物を病気の媒介と考える傾向があります。しかし、人体や農作物、微生物の基本的な共生関係を理解すると、『土と内臓』について、まったく異なる方法で考えることができます。そして、服の歴史の前に微生物を着ていた、私たちのオリジナルの服だと考えることがでるのではないでしょうか。

土と服の共生の可能性を探る

堆肥化・再生可能な衣服 

『土・牛・微生物 文明の衰退を食い止める土の話』で提唱したことの1つは、私たちが身につける布地の繊維を育てるシステムでは、堆肥化して土地に戻せる天然繊維を使うことが大きなメリットになるという考えです。なぜなら、私は自分の服が自分よりも長生きしてほしいとは思っていないため、私はこのアイデアを気に入っています。です。さらに、化石燃料を使った生地には持続可能性がなく、分解するのに1万年もかかるような服は着たいとは思いません。

<p><span style="color:#000000">一方で、自分が着た服が寿命を迎えたときに、土地に戻され、新しい作物を育て、リサイクルされ、新しい服になる、堆肥化可能な衣服というアイデアは理想です。和紙や麻、シルクやコットンなど、異なる種類の布地から恩恵を受ける生物は、それぞれ異なるでしょう。使い終わった服を土に戻すことを考えると、「1種類の堆肥化をするのか」、「多様性を持たせて、複数種の生地をを混ぜて1つの大きな分解物にするのか」という疑問を解消するために、どの生地をどの種類の畑に戻し、どの作物を育てるのか、つまり、どのような戦略がベストなのかを学ぶ必要はあるでしょう。つまり、実験を行い検証を行う必要がありますが、このアイデアは、大きな可能性があり、期待できると思います。</span><br><span style="color:#000000">そして、再生可能な道筋を見つけ出すために、多くの機会や創造性と同時に、生産的であることが必要になってくると思います。それらを実現するには、土壌やその扱い方についての考え方を変える必要があります。さらに、何を食べるか、どのように衣類を育てるか、どのくらいの期間衣類を保管するかなどまで、考え方を変える必要があるかもしれません。アメリカでは、平均的な衣類は2、3年しか持ちません。しかし、もし私たちが再生可能な方法で繊維を育て、長持ちする良い服を作り、使い終わったら堆肥化するとしたらどうでしょう。例えば、安物のシャツを5枚買う代わりに、良いシャツを1枚買って、それを長く使うことができるなど、様々な方法で再生可能性を模索することはできると言えます。</span><br><span style="color:#000000">(画像:『土・牛・微生物 文明の衰退を食い止める土の話』)</span></p>

一方で、自分が着た服が寿命を迎えたときに、土地に戻され、新しい作物を育て、リサイクルされ、新しい服になる、堆肥化可能な衣服というアイデアは理想です。和紙や麻、シルクやコットンなど、異なる種類の布地から恩恵を受ける生物は、それぞれ異なるでしょう。使い終わった服を土に戻すことを考えると、「1種類の堆肥化をするのか」、「多様性を持たせて、複数種の生地をを混ぜて1つの大きな分解物にするのか」という疑問を解消するために、どの生地をどの種類の畑に戻し、どの作物を育てるのか、つまり、どのような戦略がベストなのかを学ぶ必要はあるでしょう。つまり、実験を行い検証を行う必要がありますが、このアイデアは、大きな可能性があり、期待できると思います。
そして、再生可能な道筋を見つけ出すために、多くの機会や創造性と同時に、生産的であることが必要になってくると思います。それらを実現するには、土壌やその扱い方についての考え方を変える必要があります。さらに、何を食べるか、どのように衣類を育てるか、どのくらいの期間衣類を保管するかなどまで、考え方を変える必要があるかもしれません。アメリカでは、平均的な衣類は2、3年しか持ちません。しかし、もし私たちが再生可能な方法で繊維を育て、長持ちする良い服を作り、使い終わったら堆肥化するとしたらどうでしょう。例えば、安物のシャツを5枚買う代わりに、良いシャツを1枚買って、それを長く使うことができるなど、様々な方法で再生可能性を模索することはできると言えます。
(画像:『土・牛・微生物 文明の衰退を食い止める土の話』)

「食」と「服」を地続きで考える

私たちが衣服に使う繊維の種類と、私たちが体に食べるものを土の中で考えることは、衣服になる繊維を育てるだけでなく、食べ物を育てるために、土を健康にするには何が必要かを考えることにつながります。私が『土・牛・微生物 文明の衰退を食い止める土の話』で学んだことのひとつは、健全な土壌を育てるためには、多様な作物が必要だということです。亜麻や綿、絹や和紙などの繊維を生産する作物を考えると、農地で栽培するものを多様化する方法として、輪作や農業環境で使用できる植物の種類があります。

つまり、農場で繊維作物を多く栽培し、輪作に組み込めば、健全な肥沃な土壌を作り、維持することにつながります。また、堆肥化可能な衣類を着用すれば、それを農場に戻して、より多くの食品や衣類を育てることができます。このように、土とのつながりを考えると、衣類や食品、そして私たち自身のライフサイクル全体を考えると、それらはすべて、土から生まれ、土に戻ることにつながります。堆肥を利用することで、将来的に食料を育てることができるようになり、多様な作物を育てることは、肥沃な土壌をつくる助けにもなる、といったように互いに補完し合うことができるのです。

技術革新とともに変わりゆく、新たな共生関係とは 

私たちが農業について考えるとき、食料生産や衣料用繊維の生産という観点からは、土の中の生物に与える影響を考慮して実践を評価することが重要だと考えています。これは、技術革新の評価方法を変えるために必要なことです。技術革新が土壌の健康を促進するものであれば良いのですが、土壌の健康をサポートしない技術革新もあり、私はそれを長期的な利益につながらない悪いものと考えます。

一般的な意味での衣類について考えてみると、生分解性の生地や素材という考え方はとても良いものですが、私はそれだけでは十分ではないと思います。私たちは生分解性の素材を十分に育てたいと思っています。つまり、単に生分解性があるというだけではなく、その素材が土壌に与える影響を実際に評価することが必要なのです。生分解性があるかどうかだけでなく、土壌の健全性を高め、土地の健全性を向上させることで、循環型経済だけでなく、実際に再生可能な経済を実現することができるのです。ですから、生分解性の高い衣類に移行するというアイデアはとても良いものだと思いますが、私たちはそれ以上の、生分解性素材のベースとなる、より再生可能な繊維へと移行していくべきだと考えています。

画像: モントゴメリー氏のサイドヤードの様子
モントゴメリー氏のサイドヤードの様子

前向きな変化の渦中で

今、私たちは化石燃料を使用した服作りを継続することが最善の方法ではないことに気づき始めています。そのため、持続可能な衣料品産業の未来を担うものとして、生地の開発や見直しに関心が集まっています。 しかし、自然を再生し、土壌を再生し、人間の健康を向上させる循環型経済の一環として、衣料品の長期的な未来を本当に考えるのであれば、生分解性のある繊維の栽培方法を考える必要があります。そして、衣類のライフサイクルの要素を考え、それらの要素をすべて同期させる方法を考えなければなりません。つまり、土地から私たちにもたらされたものが、農作物であれ衣類用の繊維であれ、私たちが成長し続けることができる方法で土地に戻ってくるような方法を明らかにしなければならないのです。

一方で、明らかになってきているのは、そのための戦略の必要性であり、今世紀中に解明する必要があることだと思います。衣類の世界だけでなく、農業や一般の分野でも同様です。つまり、私たちは衣服や食の歴史の中で、変化の必要性が認識された瞬間にいるのだと思います。変化の必要性が認識され、変化すべき方向性も認識されています。どうやってそこに到達するかは、まだ解明されていませんが、ある意味では、この新しい考え方をどうやって実際に実行するかを試行錯誤しているうちに、エキサイティングな機会が生まれる可能性があるのです。

そのように考えると、信じられないほど期待でき、前向きででエキサイティングなことだと思います。私たちは今、変化の入り口に立っています。そしてその変化は、私たちにとっても地球にとっても良いものであり、将来的にはとても素敵な新しい服を手に入れることができる可能性をももたらしています。

Text by Hanako Hirata 

#Bio Fashion#Sustainability
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