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2021.11.26

「AGLET」による、メタバースなコマース体験の実現へ

スニーカーヘッズ向けのスマートフォン位置情報ゲームアプリ「AGLET(アグレット)」。スマートフォンに搭載された歩数計機能と連動し「Agletコイン」を集めることで、ゲーム内でスニーカーを購入できるというものだ。前回のインタビュー*から、彼らはLVMH 2021イノベーション・アワードのメディア&ブランド認知カテゴリで受賞を契機に資金調達を行い、大幅なアップデートを控え、さらなるアプリの機能拡大へと乗り出している。今回、当社の創業者かつCEOであるRyan Mullins(ライアン・ムリンズ)氏にアプリのアップデート後の機能、そして当社のビジョンについてインタビューを行った。

次世代のコマースに向けて

今年に入って約1700万ドルの資金調達をされたとのことですが、どういった変化がありましたか?
ゲームをさらに発展させるため、大きな資金を調達しました。私たちは以前から、ショッピングやコレクション、ゲームの観点からコマースに挑戦したいと考えてきました。分かりやすく言い換えると、NikeやAdidas、New Balance、Atmos、Bapeなどの大手ブランドがゲーム開発者やゲームデザイナーを雇って、自社のコマースをデザインしてもらったらどうだろう、というアイデアです。
前回のインタビューでお話ししたように、私たちの初期のチームにはゲームを作ったことのある者はいませんでした。しかし、私たちはそのゲームの文化を理解し、数多くのゲームをプレイしてきました。だからこそ理想のゲームを作るべく、 人材を迎え入れることに力を注いできました。例えば、Riot Gamesからデザイン部門の責任者を迎え、 Scopelyという大手ゲームスタジオで「Command and Conquer」などの有名なゲームを手がけていた人物をプロダクト部門の責任者として採用しました。他にも、システム経済などの担当者も迎えました。これにより、現在の歩き回ってゲーム内の「Agletコイン」を集めるシンプルな仕組みを、より深みのあるゲームへと進化させていく予定です。それを行うためにはゲームに精通した優秀な人材が必要だったため、チームを拡大し、現在では20人以上のスタッフが世界各地に存在しています。
製品自体も進化していて、よりゲームらしいものになってきています。現段階のゲームはとてもシンプルで、かつiOSのみへの対応でしたが、それでも現在10万人のアクティブプレイヤーがおり、シンプルでありながらもゲームが面白いという理由で支持してくれるコアグループがいます。さらに近日中にAndroid版のアプリのリリースも予定しており、この資金調達を経て製品にも新たな機能が追加搭載され、より深みの増したものへと進化させていく予定です。現状のように、地図上でチェックインしてバーチャルスニーカーを修理するのみならず、今後は現実がゲームに上乗せされ、地図の上で遊ぶようになるような仕組みを考えています。
さらに今年、ゲーム内でプレイヤー同士が直接スニーカーを売買できる二次流通マーケットプレイスも開かれました。こちらの反応はどうでしたか?
マーケットプレイスは、私たちにとって最大のリリースでした。プレイヤー同士がアプリ上で繋がることは、これが初めてだったからです。私たちのDiscordと組み合わせてビジネスを展開する人たちも出てきて、新しい経済圏ができています。これまでDiscordでは私たちからの新作リリースのアナウンスも行っていたので、ゲームを熱心にプレイし、限定品をすべて手に入れているようなプレーヤーがいました。その延長線上で、マーケットプレイスが出来てからは、プレイヤーがDiscord上で「これを、この人の、この時間にマーケットプレイスで売るよ」とアナウンスするような現象も見られ、最近アプリをダウンロードしたユーザーにとっては最初の目的地となっています。

そして私たちはつねに、コミュニティやプレイヤーに寄り添うことを重要視しています。特にDiscordは活発で、実は毎日Discord上で「これはどうでしょうか?」、「ゲームをプレイしていて、これはクールな機能だと思うので、ぜひ実現してほしいと思います」といったようなメッセージを数多く受け取ります。このようなコメントを受け、ゲームの体験を向上させる新機能が徐々に追加されているのです。
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#Game
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