Fashion Tech News symbol
Fashion Tech News logo
2022.02.02

スマートなデータ活用ソリューションを可能にする:Fashion Data

Fashion Data(ファッション・データ)は、フランスを拠点にファッション企業にデータソリューションを提供するテック企業だ。彼らの提供するプラットフォームソリューション「Tailor(テイラー)」は、データを分析するAIを用いて、ファッション企業に蓄積したデータをスマートに扱うことを可能にし、データ主導のより持続可能かつ収益性の高いビジネスモデルへの移行を提案する。今回、同社CEOのRomain Chaumais(ロマーン・ショーメ)とビジネス・デベロッパーのJonathan Kieusseian(ジョナサン・キエウセイアン)にインタビューを行った。

データ運用ソリューションの提供

まず、Fashion Dataが提供するプラットフォームについて教えてください。
ジョナサン私たちの提供するプラットフォーム「Tailor」は、データソリューションだと言えます。これによってクライアント側の生のデータを収集し、さまざまなアルゴリズムを通じてそれらのデータを運用することが可能となります。つまり下の図のように、「Tailor」が軸となって、その周りに製品やサプライ、ストア、顧客といった情報が紐づけられていきます。ここで重要なのが、すべてのデータはクライアント側のデータに保存されることであり、一度「Tailor」のプラットフォームがクライアントのITに接続されると、私たちのアルゴリズムや機械学習、AIの技術がプラグアンドプレイとして使うことができるということです。つまり、既存の企業のITシステムの上に新しい簡素化と高速化を図るアクセラレータのようなレイヤーを追加するということになります。
ロマーンデータは基本的にユニットに分けて保管・分析されていますが、実際に顧客のパフォーマンスや売り上げ、信頼度を向上させたい場合には、製品、コレクションの中身、オファーと需要の間のマッチングを正確に理解する必要があると考えています。たとえば収益性の高い店舗を持ちたいと考える場合には、どのような商品をその店舗でプッシュして売るのか、店舗の周りの競合他社は誰なのか、その店舗の周辺にはどのような顧客が住んでいるのかといった情報を理解する必要があります。ですから私たちはクライアントに対し、より整頓されたデータの運用の仕方を提供しているのです。
ジョナサンそこで私たちのAPIソリューションは、顧客・製品・サプライチェーンの3つの柱から構成しています。たとえば、ブランドには顧客関係管理、そしてビジュアルマーチャンダイザーなども含まれるサプライの部門などがあります。どのファッションブランドも構成が似ていることから、このように区分けを行っています。これにより、私たちのソリューションはクライアントの組織に適合がしやすくなります。さらに重要なのは、単に隣り合わせの部署というのではなく、顧客に対してできることと製品に対してできることの相互関連性を見出し、それらを繋げ、結果として顧客により良い価値を提供することが重要なのです。たとえば、我々の「プロダクト・フォーキャスト」機能を使えば、新しいコレクションをより良い方法で予測し、最終的に製品の無駄を省き、売り上げの向上も望むことができます。
クライアントはデータ数のストックの多い小売業者が対象となるということですね。
ロマーンそうですね、私たちのプラットフォームは、データが多く収集できる小売業者に対し有益だと考えています。収集するデータが多ければ多いほど、アルゴリズムもより速く回収できるゆえです。たとえば5000万以上の需要や収益、そして店舗を持つリテーラーは、理想だと言えます。現在私たちが提供しているソリューションは、多国籍のリテール企業を対象としています。例えばファーストリテーリングについて考えてみると、欧州にもアメリカにも市場があります。彼らのように何百人もの顧客と何千もの在庫を同時に管理するような企業は多くデータを有していることから、私たちのプラットフォームソリューションと適合性が高いと考えられます。
1 / 4 ページ
#RetailTech
この記事をシェアする