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2023.03.15

誕生150周年! 過去と未来を繋ぐアイテムはやはり「501®」だった

Levi's®(リーバイス®)というブランドには、多くの歴史と要素が含まれている。その中でも特に重要なのが「501®」というデニムだ。Levi's®を語るうえで「501®」は欠かせない要素となっている。
今年で「501®」の誕生から150周年を迎える。この記念すべき150周年に合わせて、特別なアイテムがリリースされた。リーバイ ストラウス ジャパン株式会社の石本有希さんに、「501®」150周年のことやLevi's®の歴史、そして現在についてお話しいただいた。
「Levi's®は1853年に創業し、もともとは炭鉱の労働者たちに向けて作られた作業服から始まりました。そのとき、仕立て職人であったヤコブ・デイビスが考案したデニムに、創業者のリーバイ・ストラウスが興味を持ち、共にデニム作りを進めることになりました。
ヤコブ・デイビスは、デニムの補強のためポケットのふちなどに打たれるリベットという金具を以前から研究しており、1890年にはそれを使ったデニムで特許を取得しました。このリベットこそが『501®』の特徴の1つとなっています」
創業者リーバイ・ストラウス
創業者リーバイ・ストラウス

「501®」の原型となったモデル「NEVADA (ネバダ)」

今回の150周年記念モデルとしてスペシャルなアイテムが2型リリースされた。タイプの異なる「501®」をそれぞれ紹介してもらおう
「1850年代頃には、『501®』の原型となった『NEVADA (ネバダ)』というモデルがリリースされます。これは、デニムの上にオーバーパンツとしてもう1枚穿いて使う『ウェストオーバーオール』と呼ばれるパンツで、『501®』誕生のきっかけとなったものです。
今年の『501®』150周年記念に合わせて、この『NEVADA』が復刻されました。Levi's®アーカイブスというラボが本社のサンフランシスコにあり、ここに現存するオリジナルに忠実に製作されたアイテムです。
生地も当時の風合いを再現し、まだロックミシンがない時代のデニムなので、裏の股の縫い合わせ処理がされていなかったり、ボタンホールもハンドステッチのような縫い方になっていたり、細部まで忠実に再現されています。また、ベルトループもなく、サスペンダーを付けるボタンが付いた仕様になっています」
「もう1つは現行のレギュラーシルエットを採用した『501®』です。150周年の刻印が入り、ネームラベルやヒップのタブに『150』の文字が入ったもので、セルビッチ(赤耳)のデニムを使用しています」
現行の型をアニバーサリーモデルとしてリリースしているところに、「現行モデルが1番スペシャル」というようなメッセージを感じる。
Levi's®のネームラベル右側の馬の絵の下には、「MAY 20th 1873」と書かれており、これは501®の誕生日を意味している。この5月20日に合わせて、2023年春夏のタイミングにこの2型をリリースしたそうだ。

年代別の「501®XX」

ここからは年代ごとに異なるディテールを持つ「501®XX」を紹介していただいた。
「150周年のキャンペーン以外でも、オールド『501®』フリークの方々に喜んでもらえるようなラインナップを揃えております。年代別の『501®XX』モデルを発売しておりまして、1937年、1944年、1947年、1955年、1966年の5つをご紹介します。
アメリカが世界恐慌から少しずつ立ち直ろうとしていた1937年に登場したのが、背面ベルトループのすぐ下に『シンチバック』と呼ばれるストラップが付けられたモデルです。ウェストバンドのサスペンダーボタンが取り除かれたのもこの時代でした。
1944年は第2次世界大戦のジーンズを再現することで、資材節約の時代背景を反映させています。無駄を省いたスタイルが特徴で、オリジナルに忠実です。刻印のない標準仕様のボタンに月桂樹の葉をデザインしています。
1947年、第2次世界大戦が終わり、『501®』も大きく変化しました。配給制度が終わり、おなじみの『501®』のディテールが戻ってきた時代です。
1950年代はバイカーたちへのオマージュが印象的な、太めのシルエットに仕上がっています。1966年は『501®XX』の最後のモデルと呼ばれる時代のディテールで、これ以降『BigE』のレッドタブから現行の『e』を使ったLevi's®のレッドタブに変わっていきます」
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