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2023.01.24

吸水ショーツをもっと身近に:フェムテックブランド「Nagi」

BLAST Inc.の運営するフェムテックブランド「Nagi(ナギ)」。まだ、日本ではフェムテックという言葉が浸透する前の2020年頃から吸水ショーツを国内展開していたブランドである。
創業時から、ECだけでなく店舗に商品を並べることも積極的に取り組み、ユーザーが商品に触れる機会を作ってきたNagiが先日、業界初となる試着サービス「Nagi home try on」を開始した。
今回、同社のCOOである下條友里さんにそのサービスやNagiについて話を聞いていく。
PROFILE|プロフィール
下條 友里
下條 友里

早稲田大学政治経済学部卒業後、リクルートライフスタイル(現リクルート)に新卒で入社し、新規事業開発、投資業務等に従事。また2020年3月に一橋大学大学院法学研究科にて経営法(知的財産法専攻)の修士号を取得。2020年7月にリクルート退社後、フリーランスでのスタートアップ支援を経てBLAST Inc.にジョイン。2021年8月より現職。

好きなときに、どこにいても購入できる

まず、御社で展開されている「Nagi」の概要について教えてください。
「あなたを自由にする下着」というコンセプトで、2020年5月からスタートしたブランドになります。どんな日も1枚でお使いいただけるように吸水や防水、防臭機能などがある素材を何層にも重ねたショーツを開発しております。これまでライナーなどの製品は使い捨てが当たり前でしたが、繰り返し使えるようなプロダクトを日本製で作っております。
そもそも私たちがこの事業を始めたタイミングは、まだ日本ではフェムテックのような言葉は全く知られていませんでした。しかし、創業当初から日本の女性たちをエンパワーメントすることをミッションに掲げ、事業を通じて「社会問題に対する考え方や身体の悩みなど女性たちにとって多様な選択肢を提供していきたい」という思いをもって運営しています。
御社のプロダクトはかなり早い段階から店舗に並べられていた印象があります。EC以外の販売経路をどのように確立したのでしょうか。
Nagiはユーザーの方々と主にSNSを通じてコミュニケーションを取っており、お客様が好きなときにどこにいても購入できる状態を担保することを軸足に置いています。創業当時からオンラインストアが最も大事であるのは変わっていませんが、一方で吸水ショーツを初めて使っていただく方やNagiの商品をまだ使ったことがない方にとってはオンラインストアだけだと不安や心配があると考えました。実際に事業スタートしてからカスタマーサポートにも「実際に商品に触れてみてから購入したいです」といった声も届いていたからです。
しかし、店舗を持つとなるとコストも含めてあまり現実的ではなかったので、Nagiのブランドの想いや考え方を理解いただけるパートナーさんを探すことになり、コスメキッチンやBiopleなどを運営する株式会社マッシュビューティーラボ様とお話しさせていただきました。店頭展開を検討し始めたのは事業をスタートしてから2か月後あたりでして、2021年の1月から全国の店舗でNagiの吸水ショーツを展開させていただけることになり、現在ではユナイテッドアローズなど複数のブランドでの販売も行っています。
SNSコミュニケーションやカスタマーサポートなどを通じてユーザーの声も軸としつつ事業を展開されているんですね。
そうですね、私たちはSNSやカスタマーサポートに届く声を商品開発や戦略上、とても大事にしています。他のブランドに比べても1番と言えるNagiの強みはユーザーから直接もらった言葉を、どれだけきちんと事業に還元できているかだと自負しています。

SNSでは頻繁にアンケートを取っていまして、「お客様がどんな商品が欲しいのか」はもちろん「どんなことに悩んでいるのか」「生理のときはどんな気持ちなのか」などを常に聞いています。私たちが売りたいものと、お客様が求めるものって必ずしもマッチしないときがあるので、そういったズレがなるべく起きないようにSNSやカスタマーサポートからの声や情報はとても大事にしているんです。
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