株式会社このみ
日本制服アワードプロデューサー
埼玉県出身。学生時代に日本のポップカルチャーを世界に発信する活動をしており、その縁で2011年株式会社このみ入社。2014年に日本制服アワードを立ち上げ、その後日本制服デザインアワード、日本制服写真アワード、日本制服動画アワードと、全ての日本制服アワードシリーズの立ち上げから運営を行っている。第10回目を迎える制服アワードでは、エンタメプロデューサーつんく♂氏が総指揮を務める「TOKYO青春映画祭」、TV番組「ふわり愛」、アニメ・キャラクターソングシリーズ「ツキウタ。」、ゲームプラットフォーム「fingger」など、アパレルに留まらない業界間のコラボ企画も実現。
弊社は学校の指定制服も取り扱っていますが、メインのターゲットは学校に制服がない中高校生であり、可愛い制服を着たいという願望を持つ学生さん向けに制服風コーデや制服風衣料品の販売をしているメーカーになります。
弊社の店舗やECサイトには、ブレザーやスカート、ネクタイなどを豊富に取り揃えており、学生さんたちは、それらを自分で自由に組み合わせてコーディネートを楽しむことができます。また、制服の楽しさや制服文化を広めることにも取り組んでおり、テレビの取材や衣装提供なども行っています。
そんななか、制服ブランド主催で日本一制服が似合う男女を決めるコンテストを立ち上げることになり、「日本制服アワード」が10年前にスタートしました。
そうですね。制服文化を広めるため、アワードを通じて多くの人に制服に触れる機会を提供することを目的として始まりました。しかしながら、回数を重ねていくうちにモデル部門だけだと、参加しづらい方も多いのではないか、という考えになったのです。
学生の中にはモデル部門に出るような子以外にも、多様な才能や特技を持った子たちがおり、その子たちもより参加しやすい企画を考えた結果、デザインアワードや写真アワードが生まれました。また、最近ではスマートフォンで動画を制作し、YouTubeに投稿する人たちが増えてきたため、動画アワードも設けられました。現在、この4つの部門でコンテストを開催しております。
制服を着用できるのは、基本的に中学高校を合わせて6年間と本当に短い期間ですよね。学生たちも、制服が今しか着られないということを自覚していると思います。制服は青春の思い出のひとつとして残るものであり、我々も制服を楽しんでもらいたいというモチベーションで運営をしております。指定の制服がある学校に通う子たちも、バッグやリボンなどで着こなしの工夫をしている子が多く、皆さんが制服に対して持っている熱意を感じていますね。
まずモデル部門である制服アワードは、当初は受賞者がカタログモデルとして活躍することを目的としていました。最初は応募者数も100人に満たない小規模なものでしたが、受賞者には過去に「マーシュ彩」「酒寄楓太」「三原羽衣」「みとゆな」といった、テレビや、インフルエンサーなどの活躍で有名になっていく人たちが出てきたため、それによって少しずつ関心が高まり、応募者数も増えるようになりました。
今では、モデル志望や芸能界に興味がある方や、制服が好きで、たくさんの可愛い制服を着てみたいという方など、幅広く応募してきていますね。芸能事務所へ所属しているかどうかに関係なく応募できることも特徴なんだと思います。
カタログモデルなどで活躍するグランプリ、準グランプリ以外にもソニーミュージック賞、ライジングプロダクション賞など、企業様とコラボレーションした多くの賞を用意しております。
企業様とコラボレーションさせていただくことで、業界にとらわれず、さまざまな業界の方々と一緒に盛り上げることができるイベントとなっています。私たちは、このような動き方をしていくことで、より多くの方々に参加していただけるように取り組んでいます。
また、デザイン部門であるデザインアワードは、その名の通り制服のデザインに重点を置いたコンテストになります。こちらは文化服装学院さんと共催で行っており、学院長先生をはじめとする審査員の方々にご協力いただいています。
このコンテストでは「あなたが日本一着たい制服デザイン」というテーマで制服デザインを募集し、その中から選ばれたデザインを実際に制作して、制服アワードのイベント内で発表します。その際、モデル部門のグランプリに選ばれた子が実際に制作された制服を着用し、デザインアワードのお披露目を行います。
グランプリには、学校制服デザイン賞とクリエイティブ制服デザイン賞の2つがあります。学校制服デザイン賞は、制服としての機能性や集団着用における完成度 が評価されます。一方で、クリエイティブ制服デザイン賞は、個性や今までにない新しいデザインが評価されるようになっています。
デザインアワードの受賞特典としては文化服装学院さんの入学金相当のものがキャッシュバックされたり、展示された作品が本人にプレゼントされる形で配布されたりといったものがありますね。
そうなんです。最近の子たちは、ファッションやデザインとしての感性が高いのはもちろんですが、明らかにアニメやゲームなどの文化に影響を受けている作品も多いのが特徴としてあります。そこで、そのような方の作品がアニメやゲームなどの中で活躍できる機会を作りたいと思い、このようなコラボが実現しました。結果、約800作品の応募をいただき、皆さんからこだわりのデザインイラストを送っていただきました。
finggerでは、選ばれたデザインの制服をプラットフォーム上で配信されるVTuberさんに衣装として着てもらいました。
このようなコラボレーションによって、ファッションを通じてアニメやゲームなどの文化との交流を深め、デザイナーたちに活躍の場を提供することを目的としています。
ここ1〜2年ぐらいでは、制服においても「自分らしさ」が注目されていると感じています。ジェンダーや性別という括りではなく、女性でもパンツをはく人が増えてきたことや、女の子らしい可愛いデザイン からユニセックスなデザインにトレンドが移っています。
以前はほとんど見られなかったパンツスタイルをコーディネートの一環として選ぶ人が増えているんですよね。自分らしさという観点から、自分がどんなファッションをしたいのかという選び方が増えてきたと感じます。
今年で10周年を迎え、今後もたくさんの人に楽しんでもらえるコンテンツを作りたいと思っています。制服は中高生にとって身近なもので、話題にもなりやすいです。メディアやコンテンツを持っている企業などは、制服を使いやすい切り口として利用することが多いと思います。
制服業界はやはり形式を重んじるような、格式ばったところがあるのは事実です。しかし、そういった点を大事にしつつ、時代の変化に合わせてアニメやゲーム、芸能、SNSなどさまざまな分野とコラボをすることで、新しいトレンドや動きを作り出すことができると思っていますし、弊社としても日本制服アワードを通して、今の子どもたちがより制服を楽しめるよう積極的に取り組んでいきたいと思っています。