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2023.05.09

制服業界の枠を超えたコラボレーションが生み出す「日本制服アワード」の意義

原宿発の制服ブランドCONOMiが主催する「日本制服アワード」は、日本一制服が似合う男女を決めるコンテストをはじめ、「日本制服デザインアワード」や「日本制服写真アワード」「日本制服動画アワード」といった4つの部門を展開する、制服を身近に感じるコンテストだ。
先日行われた「日本制服アワード」と「日本制服デザインアワード」には多くの学生が参加し、制服業界の枠を超えたコラボレーションが生み出された。そこで今回は、CONOMiを手掛ける株式会社このみの小笠原淳さんに同アワードについてインタビューを実施。制服業界におけるトレンドや他企業とのコラボレーションなどについて話を聞いていく。
PROFILE|プロフィール
小笠原 淳
小笠原 淳

株式会社このみ
日本制服アワードプロデューサー
埼玉県出身。学生時代に日本のポップカルチャーを世界に発信する活動をしており、その縁で2011年株式会社このみ入社。2014年に日本制服アワードを立ち上げ、その後日本制服デザインアワード、日本制服写真アワード、日本制服動画アワードと、全ての日本制服アワードシリーズの立ち上げから運営を行っている。第10回目を迎える制服アワードでは、エンタメプロデューサーつんく♂氏が総指揮を務める「TOKYO青春映画祭」、TV番組「ふわり愛」、アニメ・キャラクターソングシリーズ「ツキウタ。」、ゲームプラットフォーム「fingger」など、アパレルに留まらない業界間のコラボ企画も実現。

制服の楽しさや制服文化を広める

まずは、貴社について教えてください。
弊社は学校の指定制服も取り扱っていますが、メインのターゲットは学校に制服がない中高校生であり、可愛い制服を着たいという願望を持つ学生さん向けに制服風コーデや制服風衣料品の販売をしているメーカーになります。
弊社の店舗やECサイトには、ブレザーやスカート、ネクタイなどを豊富に取り揃えており、学生さんたちは、それらを自分で自由に組み合わせてコーディネートを楽しむことができます。また、制服の楽しさや制服文化を広めることにも取り組んでおり、テレビの取材や衣装提供なども行っています。
そんななか、制服ブランド主催で日本一制服が似合う男女を決めるコンテストを立ち上げることになり、「日本制服アワード」が10年前にスタートしました。
はじめはモデル部門を扱う「日本制服アワード」のみだったんですよね。
そうですね。制服文化を広めるため、アワードを通じて多くの人に制服に触れる機会を提供することを目的として始まりました。しかしながら、回数を重ねていくうちにモデル部門だけだと、参加しづらい方も多いのではないか、という考えになったのです。
学生の中にはモデル部門に出るような子以外にも、多様な才能や特技を持った子たちがおり、その子たちもより参加しやすい企画を考えた結果、デザインアワードや写真アワードが生まれました。また、最近ではスマートフォンで動画を制作し、YouTubeに投稿する人たちが増えてきたため、動画アワードも設けられました。現在、この4つの部門でコンテストを開催しております。
制服を着用できるのは、基本的に中学高校を合わせて6年間と本当に短い期間ですよね。学生たちも、制服が今しか着られないということを自覚していると思います。制服は青春の思い出のひとつとして残るものであり、我々も制服を楽しんでもらいたいというモチベーションで運営をしております。指定の制服がある学校に通う子たちも、バッグやリボンなどで着こなしの工夫をしている子が多く、皆さんが制服に対して持っている熱意を感じていますね。
アワードの内容について教えてください。
まずモデル部門である制服アワードは、当初は受賞者がカタログモデルとして活躍することを目的としていました。最初は応募者数も100人に満たない小規模なものでしたが、受賞者には過去に「マーシュ彩」「酒寄楓太」「三原羽衣」「みとゆな」といった、テレビや、インフルエンサーなどの活躍で有名になっていく人たちが出てきたため、それによって少しずつ関心が高まり、応募者数も増えるようになりました。
今では、モデル志望や芸能界に興味がある方や、制服が好きで、たくさんの可愛い制服を着てみたいという方など、幅広く応募してきていますね。芸能事務所へ所属しているかどうかに関係なく応募できることも特徴なんだと思います。
カタログモデルなどで活躍するグランプリ、準グランプリ以外にもソニーミュージック賞、ライジングプロダクション賞など、企業様とコラボレーションした多くの賞を用意しております。
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