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2024.11.28

ドイツから名古屋の有松鳴海絞りをリブランディング、伝統工芸アパレルを刷新した風通しの良さ

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移籍などをきっかけに新たな活躍を見せる選手がいる。経験と技術はあるがくすぶっていたベテランが、環境や監督が変わることで持っていた能力と役割がフィットし、新境地を見せることがある。この体現が、名古屋の伝統工芸品「有松絞り」で起きている。
その仕掛人が、スズサンCEO兼クリエイティブディレクターの村瀬弘行さんだ。明治中期に創業した鈴三商店に端を発する、有松絞りの影師(型彫り絵刷職人)の家に生まれた5代目だ。影師とは絞り加工のコーディネーターである。
有松というのは、名古屋市の南東に位置する地名で、江戸時代には東海道の間の宿。尾張藩の庇護のもと「有松絞り」の技術が発展し、最盛期には1万人以上の職人がいたという。
しかし、この絞りの技術も日本の多くの伝統工芸と同じく、斜陽に立っていた。それが今、ドイツ西部デュッセルドルフを起点に、ヨーロッパで再び輝き出している。
PROFILE|プロフィール
村瀬 弘行(むらせ ひろゆき)

スズサン
CEO兼クリエイティブディレクター

退屈だった故郷の伝統、ロンドンへの挑戦

「最初は興味がなかったんですよ」
取材が始まると、村瀬さんは開口一番そう述べた。
村瀬さんの実家は、隣近所も皆が有松絞りに従事する人たちばかり。愛知県の伝統工芸第一号に認定された、この特異で多様な模様が目を引く絞り技術も、村瀬さんにとっては退屈なものだった。
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