近年、特に大手ファッション企業は、サステナビリティな取り組みをステートメントとして発していかないとファンを獲得していくことが困難な時代になっている。一言でサステナビリティと言っても広義で、商品の製造過程から商品を製造する際の素材、人員雇用、サービスなど、ビジネスを行ううえでさまざまな側面から取り組みを行うことができる。
大手企業になればなるほど、その資金力からあらゆる面でサステナビリティを追求することができるのだが、クリスタルブランドとして有名な「
スワロフスキー」はブランドを創業した1895年以来、環境に配慮した取り組みを率先して行っている。
ブランド創業者のダニエル・スワロフスキーが特許を取得した研削プロセスに地元の再生可能な水力発電を活用し、クリスタル・カッティング工場をオーストリアに設立している。ブランド創業時から持続可能な取り組みを行っているスワロフスキー社は、現在でもその使命を全うしている。
PROFILE|プロフィール
Jakhya Rahman-Corey(ジャキヤ ラーマン・コリー)
創業者の慈善活動にインスピレーションを得て設立された財団
スワロフスキー財団が設立された時期や設立の意義を教えてください。
2013年に設立されたスワロフスキー財団は、創業者ダニエル・スワロフスキーによって始められた長い慈善活動の歴史にインスピレーションを受けています。彼は元々、「持続可能な変革を実現するためには、自分自身だけでなく他者のことも考えなければならない」と考えていました。スワロフスキーの工場をオーストリアのヴァッテンスに設立し、再生可能なエネルギーを活用しただけでなく、オーケストラ、サイクリングクラブ、スポーツ・レジャーセンター、従業員の子どもたちのためのサマー キャンプなど、さまざまな活動を通じて地域社会の福祉を支援することに率先してコミットしていました。また、妻マリーの教育への情熱と創造的革新への熱意によって、彼らは新しい学校の建設のために土地を寄付し、低所得家庭の優秀な生徒に奨学金を提供しました。
スワロフスキー財団はイギリスに登録された慈善団体で、財団は理事会によって運営され、マリサ・シーステル・スワロフスキーが議長を務めています。
私たちの使命は、教育を通じて持続可能な生活を促進し、不平等を減少させることです。「Waterschool」と「CREATIVES FOR OUR FUTURE」という2つの独自のプログラムを通じて、平等、水、創造性に焦点を当てた活動を率先して行っています。
スワロフスキー財団の具体的なミッションや活動を具体的に教えてください。
現在、スワロフスキー財団は「平等」、「水」、「創造性」の3つの領域を支援することに焦点を当てて活動しています。若い世代を対象に、水と環境の大切さを伝える「Waterschool」や「CREATIVES FOR OUR FUTURE」という独自のプログラムに力を入れています。また、スワロフスキー財団は設立以来、85のパートナーシップを通じて93ヶ国で200万人以上に影響を与え、国連が掲げる持続可能な開発目標の達成に尽力しています。
「Waterschool」は8歳から18歳までの若年層に、そのコミュニティの水へのニーズに対処するために必要なツール、リソース、トレーニングを提供することで、水のアンバサダーとなるための教育プログラムです。現在オーストラリア、オーストリア、ブラジル、中国、インド、タイ、ウガンダ、アメリカの8ヶ国の流域地域で運営され、設立以来、世界の2,500校で80万人以上の子どもたちに水の重要性を教育し、世界中で2万3,000人以上の教師と関係を構築してきました。
「CREATIVES FOR OUR FUTURE」は、国連パートナーシップ事務所と共同で開発されたグローバルな助成金プログラムです。その使命は、次世代のクリエイティブ溢れる才能が、グローバルな持続可能性の課題に対する革新的なアプローチを開発することを支援することです。
また、私たちは「平等(Equity)」「水(Water)」「創造性(Creativity)」の重点領域で活動する世界の慈善団体に助成金の提供を行っています。