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2023.06.21

竹の力で未来を繋ぐ、ライフスタイルブランド「unleash」の挑戦

自宅で心地よいひとときを過ごすとき、できれば快適な機能性、優しい肌触りを持つアイテムを身に着けたい。さらに、その素材が環境にも優しいものであれば、より一層喜びを感じることもあるだろう。
「私と地球を解放する」をコンセプトに、インナーに留まらないライフスタイルブランド、メディアとして活動するunleash(アンリーシュ)は、バンブーレーヨンを使ったインナーウエアを開発。竹の繊維を活用し、とろけるように包み込む触り心地のインナーを実現した。
その商品開発の背景には、環境問題への深い懸念があった。今回はunleashを立ち上げたエシカルコーチの千葉 千早希さんにインタビューを実施。竹に注目した背景や環境問題への取り組みについて話を聞いた。
PROFILE|プロフィール
千葉 千早希
千葉 千早希

IT企業にてヘルスケアサービスの開発・運営業務に携わったのち、現在は日用品メーカーにてブランドコミュニケーション業務に従事。福島生まれ、鎌倉の海で子育て中。

快適な機能性、優しい肌触り、地球に優しい素材

まず、unleash立ち上げの背景にはお子さんの病気が関わっていると聞きました。
はい。子どもの病気をきっかけに、自分の価値観や幸せの意味について考えが変わり、家族や子どもたちのために何をすべきかを考えるようになりました。
近年、急増する気候変動のニュースを目にすると、温暖化が進み続けており、後戻りできなくなることを感じています。そのタイムリミットといわれる2030年まで、わずか7年しかありません。
2児の親として、「子どもたちが住む未来の気候はどうなってしまうんだろう?」「屋外で元気に運動したり遊ぶことすらできなくなってしまうのではないか?」と心配になりました。そこから環境問題に関心を持ち、学んでいくなかでマイクロプラスチックの存在などの深刻さにも衝撃を受けました。
未来を生きる子どもたちへ、親として何ができるのか。私の答えは、彼らが希望を持って未来に向き合える、また好きなことに打ち込める環境を提供することです。
その大前提である豊かな地球環境を残していくことこそ、子どもたちへの贈り物になるはずと、タイムリミットである2030年までの人生をその目的にささげることを決意したんです。
そしてまずは、“エシカルコーチ”として環境問題の情報発信をしようと動き出しました。
Instagramメディアとして発信されていたんですよね。
はい。たくさんの人に環境問題や環境負荷を下げる選択肢があることを広く知ってもらいたかったんです。
最初はTwitterを通じて情報を発信し始めましたが、途中からTwitterでは情報がなかなか広まりにくいと感じ、Instagramへ移行しました。
Instagramでは、「環境問題」と「固定観点からの解放」の2つのテーマを選んで記事を書いています。
後者のテーマについては、私たちが普段あたり前だと思っていることに疑問を持つことによって、「自分自身の選択」だと思っていることも、実は「自分の本音」より社会評価や他者の目線を気にして選択していること、に気付けるのではないかと考えました。無理や我慢を減らし、本音に素直に選択を重ねていくことは、心の負荷だけではなく環境負荷さえも下げていくことだと考えています。
大きな環境問題を解決するために、まずこれらのテーマについて多くの人々に考えてもらえたら嬉しいです。
また、自分から遠い課題に興味を持つためには、ベースとして自分自身が満たされており、心の余裕があることも重要です。自分を満たせる人々を増やすことが、環境問題へと思考を広げていく最初の一歩なのです。自分を満たす方法の1つとして、固定観念からの解放が重要だと考えています。
私はかつて、環境問題について何もきちんと知らなかったことにショックを受けた経験があります。最近ではSDGsの1テーマとして環境問題の報道も増えてきましたし、エシカル消費の動きも少しずつ増えてきています。悲観的になりすぎず、今からできることもある、そう希望を持ち続けたいと思っています。
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#Sustainability
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