Bと書かれたレインブーツ、よく見かけるという人も多いのではないだろうか。あれは「
日本野鳥の会」の「バードウォッチング長靴」 というアイテム。その名の通り当初はバードウォッチングをするために誕生したアイテムだが、折りたためて、持ち運びに便利なことから、フェスやアウトドアシーン、さらには街中でも使える人気のアイテムだ。
実はこの日本野鳥の会、レインブーツだけではなく、バードウォッチングに紐付いたアパレルなど、沢山のアイテム展開をしている。
野外フェスから人気となった「バードウォッチング長靴」
日本野鳥の会は野鳥の保護と普及を通じて、人と自然の共存を目的として創立された自然保護団体だ。その活動は幅広く、「バードウォッチング長靴」もその活動の中で生まれたアイテムの1つだ。このアイテムが人気となったきっかけを、日本野鳥の会の齋藤都久美さんに伺った。「バードウォッチャーから、探鳥に行く際、大きくてかさばる長靴をコンパクトに持ち運びできるようにしたいという声は以前からあったのですが、そんな中、当会の会員さんが田植え用長靴をホームセンターで発見。小さく丸まった状態で陳列されているのを見て、これなら、コンパクトに旅先から持ち帰ることができるというところがヒントになり、その後当会とメーカーで試作を繰り返し、2004年に商品化されました。
人気が出始めたきっかけは、野外フェスです。野外フェスは雷雨などで足元がドロドロ状態になることも多く、長靴は必須です。小さくたためて、持ち運びやすいバードウォッチング長靴が注目を浴びました。
2006年あたりからは、若い方が次々と直営店に訪れてはバードウォッチング長靴を購入していかれるので、最初は何が起きているのかまったく分かりませんでした。今では、バードウォッチングはもちろん、野外フェス、ガーデニング、キャンプ、ゲリラ豪雨対策(置き長靴)、釣り、農業等、幅広い用途でご愛用いただいています」
「バードウォッチング長靴」だけじゃない! 日本野鳥の会のアパレルライン
ここからは日本野鳥の会のアパレルラインについてお話を伺っていこう。長靴からアパレルへラインナップを広げていこうと思ったきっかけや、バードウォッチングに紐付きアウトドアシーンにも街着にも使える服作りについてなどを、伊藤忠商事(株)の駒木李美さんにお話いただいた。「今、アパレルとバッグと帽子を展開しています。アパレルはダイワボウさんにお願いして作ってもらっています。アパレルを作るきっかけは、私が『バードウォッチング長靴』を愛用しており、 それで日本野鳥の会のことを知りました。そこから、日本野鳥の会の自然保護等の活動 内容がとても素晴らしいと感じ、何か一緒にできないかなと思いました。
その中で、日本野鳥の会の会員は50代、60代の方が多いということを伺い、その輪をアパレルを通して若い世代につないでいきたいと思いました。そこで自然や生き物、サスティナブルなことを幅広い世代に、身近に感じてもらうために、ブーツだけではない今日のようなラインナップに広がっていきました。さまざまな商品を通して、日本野鳥の会の理念に共感する仲間を増やしていけたら嬉しいです」
キーワードは雨、そしてデイキャンプから街着まで
日本野鳥の会といえばバードウォッチングと自然環境保護のイメージがあるのではないかと思う。そのイメージの中、どのようなブランドコンセプトをもった商品があるのかをダイワボウアドバンス(株)北村篤男さんと佐藤淳さんに伺った。