Fashion Tech News symbol
Fashion Tech News logo
2023.11.15

都市鉱山を活用したエシカルジュエリー:YURI SATO

ファッションをより際立たせるために、アクセサリーを身につける人は多いだろう。貴金属であるゴールドやシルバーはそれ自体に価値があり、高値で取り引きされている。だが金の採掘量は減少傾向にあり、閉山する金鉱山も多い。
そこで新たに注目されているのが「都市鉱山」と呼ばれる資源である。都市でごみとして捨てられるパソコンや携帯電話などの家電製品に使われているレアメタルや貴金属を有効的に活用しようというもの。日本にはこの都市鉱山が大量に眠っているというのだから、その意味では立派な資源大国とも言えるだろう。
この都市鉱山を使ったジュエリーを製作しているブランドが「YURI SATO」だ。エシカルジュエリーとして、使用している資源のサステナビリティもさることながら、ジュエリーをファッションアイテムとして楽しむだけでなく、そこに込められた想いを大事にするブランドでもある。
今回、YURI SATOを運営している株式会社ONの代表取締役であるSATO YURIさんに、ブランドの発足から、そこに込めた想いなどを自身の経験も含めて語っていただいた。
PROFILE|プロフィール
SATO YURI
SATO YURI

上海の大学を卒業後、東京のジュエリー会社にてデザイナーとして勤務。その後、単身ニューヨークへ渡り、デザインのみならずジュエリー製作を学び、現地でジュエリーブランド「YURI SATO」を立ち上げる。2020年日本に帰国し、同ブランドを再生素材を使ったエシカルジュエリーブランドとして国内で再スタートさせる。現在はブランド以外にもジュエリーリメイクやメタル(金属)を使ったアート作品などを展開している。

めぐり合わせで出会ったジュエリー製作

大学卒業後にジュエリー会社でデザイナーとして勤務されていますが、いつかは自分のジュエリーブランドを持ちたいと考えていたのですか。
振り返ってみると、ジュエリーとの付き合いは運命的なものだったと思います。
上海の大学に留学していて、ジュエリーとはまったく関係のない分野を勉強していました。就活のために休学して帰国したときに、私はなにが好きなのかなと考え、ふと「ジュエリー」という言葉が思い浮かびました。
就活自体は進めつつ、復学するまで時間があったので、せっかくだからジュエリー会社でアルバイトをしようと思い立ちました。ネットで検索してみると表参道に店舗と事務所を持つ会社が見つかったので、実際に足を運んでみました。そこで店員さんにいろいろとお話をしているうちに、後日そこの社長さんとお話をする機会を得て、トントン拍子で話が進んでしまい、結局そこに就職することになりました。
いろいろな部署を見させてもらって、社長からデザインを担当してくださいと通達がありました。自分からデザインをやりたいと熱望したわけではなく、流れに身を任せた先にジュエリーデザインが待っていたという感じです。
実際に製作を経験するのは、3年後のことです。友人に誘われてニューヨークに旅行しました。軽い気持ちで行っただけなのですが、なぜだか強烈なインパクトを受けて、ここに住みたいと思ってしまい、すぐさま移住を決意しました。なにもしないで過ごすわけにもいかず、ジュエリー製作の学校に通うことにしました。
デザインの肥やしになればいいなと考えていたのですが、あれよあれよという間にティファニーで働いていた職人の先生に出会い、1から製作とはなにかを教えていただきました。2、3年ほどみっちりと叩き込まれ、その間に自分の作品づくりも行っていきました。
いまはデザインも製作もどちらも携わっていますが、いずれも縁によって導かれたと思います。

いまあるもの、周りの環境に感謝する

SAKIHOKORU Collection 「ワタシは宇宙にたった一つの花。その花を咲き誇って生きていく」
帰国してブランドを立ち上げようと思われた心境の変化はどのようなものだったのでしょう。
YURI SATOのブランドはニューヨークで立ち上げたものです。いわゆる一般的なジュエリーブランドで、いまのようなエシカルに対する問題意識を前面に出していたわけではありません。
エシカルやサステナブルといっても、企業やブランドがそれぞれのイメージや考えを持っています。ジュエリーも同じですね。私の場合、もともと20代前半から地球環境や社会貢献に興味があり、またゴールドやシルバーといった鉱石は地球の資源、いただきものと考えていたので、なにか還元できることはないかと模索していました。
1 / 3 ページ
この記事をシェアする