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「Ambient Weaving」のApple Vision Pro向けアプリをリリース! 空間コンピュータ上に広がる織物の世界

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去る6月28日、Apple Vision Pro向けのバーチャル展示会アプリ「Ambient Weaving Ⅱ」がリリースされた。
株式会社ZOZO NEXTは株式会社 細尾、東京大学大学院情報学環筧康明研究室と共に、2020年より伝統工芸と先端素材およびインタラクション技術を組み合わせ、機能性と美を両立する新規テキスタイルの開発に関する共同研究プロジェクトを行ってきた。
今回のアプリは、2023年10月から2024年3月までにHOSOO GALLERYで開催された最新成果展示「Ambient Weaving II」を空間コンピューティング上で再現したものである。
開発の裏側やアプリならではの魅力を、ディレクターの中丸啓氏、開発担当の伴潤氏、プロジェクトマネージャーの武田修平氏に聞いた。
PROFILE|プロフィール
中丸 啓(なかまる さとし)
中丸 啓(なかまる さとし)

2019年、株式会社ZOZOテクノロジーズ(現・株式会社ZOZO NEXT)入社。新規技術開発とその事業化を担うMATRIX本部 IoT/Textile部にてディレクターを務める。柔らかな機能性素材やデバイスの開発とそれらを活用したインタラクション・UX設計を専門とする。ACM DIS 2019 Best Paper, Ars Electronica Festival Starts Prize Honorary mention などを受賞。

PROFILE|プロフィール
伴 潤(ばん じゅん)
伴 潤(ばん じゅん)

2019年に株式会社ZOZOテクノロジーズ(現・株式会社ZOZO NEXT)入社、2021年より株式会社ZOZOへ異動。iOS領域に専門性をもつテックリードとして、ZOZOTOWN iOSアプリを開発する。2023年からAppleプラットフォームに関わる技術開発を担当し、主にvisionOSアプリの技術検証に従事。AltConfやiOSDCなどのカンファレンスにも登壇。

PROFILE|プロフィール
武田 修平(たけだ しゅうへい)
武田 修平(たけだ しゅうへい)

2018年に株式会社ZOZOテクノロジーズ(現・株式会社ZOZO NEXT)に入社し、MATRIX本部 Dev部で開発のリードを務める。Webの開発をメインとし、プロジェクト管理やデータ分析など幅広い領域を担う。現在はFashion Tech NewsのグロースとAIの技術検証を担当。

新たな織物の可能性を模索した「Ambient Weaving Ⅱ」

まずは、Ambient Weavingの概要を教えてください。
中丸本プロジェクトは2020年より株式会社 細尾、東京大学筧康明研究室、株式会社ZOZOテクノロジーズ(現・ZOZO NEXT)によって、機能性と美を両立する新規テキスタイルの開発を目指した共同研究プロジェクトとして始まりました。
Ambient Weavingでは、主にZOZO NEXTが先端素材やデバイスを織り込めるように素材メーカー様や加工メーカー様と連携して改良した素材を、細尾の西陣織の技法や意匠で織り込み、東京大学筧康明研究室のメディア表現に関する知見やインタラクション技術により、新たな表現を探求しています。また時にはこれらの役割をお互いに越境しながら開発を行っています。
その中で、「環境情報を表現する織物」「環境そのものが織り込まれた織物」を意味するAmbient Weavingのコンセプトを提案し、環境の情報(例えば温度や湿度など)に応じて意匠や硬さが変化するテキスタイルをプロトタイプとして発表してきました。
昨年の10月から今年3月まで、その研究成果として、「Ambient Weaving Ⅱ」と題した展示会が実施されました。ここではどのような作品を発表しましたか?
中丸「Ambient Weaving Ⅱ」では、「環境を形づくる織物」の可能性を追求しました。
具体的には、光や温度に応じて色が変わるテキスタイルや、緯糸の箔から音を鳴らすことができる織物、座る位置や時間、温度によってデザインが変わる掛け軸など、計10点の作品・プロトタイプを展示しました。
「Ambient Weaving Ⅱ」の展示の様子
「Ambient Weaving Ⅱ」の展示の様子
来場者の反応はどうでしたか?
中丸Eコーマスのイメージが強いZOZOがアート性の高い展示を行っていることや、西陣織を手がけている細尾が先端素材を使っていること、そういったギャップに驚かれる方が多い印象でした。
伝統工芸の中に先端技術を統合していくという我々のスタンスに興味を持っていただく企業様もいて、この展示会を皮切りに新たなプロジェクトが始まっています。

バーチャル展示会サイトを機にアプリ開発をスタート

今回はそんな「Ambient Weaving Ⅱ」の様子をApple Vision Pro向けのアプリとしてリリースしました。開発の経緯を教えてください。
中丸「Ambient Weaving Ⅱ」の展示が終わった後も、いろんな方々に展示を見てもらえるように、バーチャル展示会サイトを今年3月にオープンしました。サイトでは、展示会の様子をWeb上で再現し、まるで3次元空間にいるかのような体験を提供しています。
せっかくならこの3Dアセットを別の形で活用できないかという話があり、プロジェクトマネージャーの武田と開発担当の伴と一緒に進めていきました。
バーチャル展示会サイトは、世界の3大ウェブデザインアワードを全て受賞。「写真や動画のクオリティにこだわりながら、既存の空間をWeb上でリアルに再現した点が評価されたと思います」と中丸氏
バーチャル展示会サイトは、世界の3大ウェブデザインアワードを全て受賞。「写真や動画のクオリティにこだわりながら、既存の空間をWeb上でリアルに再現した点が評価されたと思います」と中丸氏
武田もともとApple Vision Proの活用法に関して伴と話をしていたのですが、visionOSでの実装には3Dアセットが必要のため、どうするべきか悩んでいました。そんな矢先、「Ambient Weaving Ⅱ」のバーチャル展示会サイトで使われた3Dアセットを利用できるという話があり、本格的な開発がスタートしました。
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