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2022.11.09

フルモデルチェンジで機能性が大幅に向上! アシックス「MAGIC SPEED(マジックスピード)2」の凄さ

アシックスの「META SPEED(メタスピード)」シリーズの機能とデザインを引き継ぎつつ、より多くのランナーが活用できる厚底カーボンシューズとして登場した「MAGIC SPEED(マジックスピード)」。2作目にして、早くもフルモデルチェンジを敢行。前作は前足部のみであったカーボンプレートがフルレングスになり、ミッドソールは素材を変えた2層構造に変更している。
新たにカーボンシューズを試したいランナーのレース&トレーニング、レースで「メタスピード」シリーズを活用しているランナーのトレーニングに推奨される「マジックスピード 2」には、どんなテクノロジーが盛り込まれ、前作からどのような進化を遂げたのか。開発を担当したアシックスの光畑佳和さんに話を聞いた。
初代モデルの登場から一年半足らずで大幅にリニューアルされた「マジックスピード 2」。その意図はどこにあったのだろうか。
「初代のマジックスピードは、反発性は十分にあるものの少々硬い印象がありました。より多くのランナーに履いてもらうために反発性を維持しながら、マイルドで快適な履き心地を目指したのが、マジックスピード 2になります」

テストを重ねて最適なバランスのミッドソールに

 前作ではFF BLAST(エフエフ ブラスト)という反発性の高いフォーム材をミッドソールに採用し、前足部にのみカーボンプレートを搭載していた。今作ではソール構造が一新され、カーボンプレートはフルレングスになり、そのプレートをFF BLAST PLUS(エフエフ ブラスト プラス)とFLYTEFOAM(フライトフォーム)でサンドイッチする形になった。
前作から大きくアップデートし、より快適になったマジックスピード 2。16,500円
前作から大きくアップデートし、より快適になったマジックスピード 2。16,500円
「ミッドソールのトップに高反発で軽量なFF BLAST PLUS、ボトムに硬さがあって安定感のあるFLYTEFOAMを採用しました。組み合わせは10種類以上テストしたのですが、この組み合わせが最もバランスが良かったのです」
たとえば軽量でソフトな素材は、硬い素材と比較すると安定性に欠ける。着地衝撃を緩衝する効果は高いが、ブレを生みやすい。脚力の高いランナーであれば、そのブレを抑え込むこともできるが、筋肉への負荷がかかる。一方で安定性の高い高密度の素材は重くなる傾向があり、ソフトな素材と比べればクッション性に欠ける。多くのランナーが履けるカーボンプレート入り厚底シューズを実現するために、個性のある2つの素材を組み合わせたということだ。
ミッドソールのトップにFF BLAST PLUS、ボトムにFLYTEFOAMを採用し、間にカーボンプレートを挟んでいる
ミッドソールのトップにFF BLAST PLUS、ボトムにFLYTEFOAMを採用し、間にカーボンプレートを挟んでいる
また一般的に低密度の高反発素材は、その旨味が大きく得られる期間が長くないため、使用をレースやスピード練習のみに限定するランナーもいる。しかし、「マジックスピード 2」は、レースだけでなくトレーニングでの使用も想定されているため、耐久性が高い。十分に走り込んでから、同じシューズでレースに挑むといった使い方が問題なくできる。

既存のシューズとは異なる専用設計のプレートを搭載

 アシックスには、以前FASHION TECH NEWS上で紹介した「META SPEED SKY+(メタ スピード スカイ プラス)」と「META SPEED EDGE+(メタ スピード エッジ プラス)」という2足のトップモデルがある。前者は、ストライド型のランナーがよりストライドを伸ばし、少ない歩数でゴールすることをサポートするために作られたもの。後者はピッチ型のランナーがピッチを調整しながらストライドを伸ばすことを追求して開発された。
「スカイ プラス」と「エッジ プラス」には、それぞれ形状の異なるカーボンプレートが搭載されているが、「マジックスピード 2」に採用されたカーボンプレートはそのどちらとも形が違う。専用設計のプレートとなっている。
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