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2023.11.10

「現実世界でもデジタルでも同じ服を着たい」 HKSKが目指す世界観

デジタルワールドと現実世界がシームレスにつながったコミュニケーションを「XRコミュニケーションⓇ」と定義して、多様性を尊重したコミュニケーション空間の社会実装を目指しているのが株式会社HKSK(はくしき)である。
XRコミュニケーションⓇを実現させるには、現実世界とデジタルのアイテムを相互に紐づけることにより、アイデンティティの分断を無くすことが大事だとCEOの赤木 謙太氏は語る。
そこで今回、HKSKの概要、そしてHKSKのプロダクト「XRT(クロスリアルTシャツ)」について話を聞いた。

HKSKが目指す、現実世界とデジタルの紐づけによるコミュニケーションの活性化

お互いに興味のあるファッションやイラストが入った服を着ていると円滑にコミュニケーションが進む。  
誰でも一度はこういった経験をした覚えがあるのではないか。
デジタル上でも同じことが起きると赤木氏は語る。
「デジタル上で着ていた服とまったく同じ服を現実世界でも着ていたら、会話がはずむきっかけになると思います。僕らはコミュニケーションツールとして新しい服を発明しようとしています。」
現実世界のアイテム(服)とデジタルのアイテム(アバターアイテム)を紐づけすることによって、現実世界とデジタルにおけるアイデンティティの分断を無くすため、その技術を開発していると話す。
「現実世界だけのもの、デジタルだけのものではなく、どちらも同じものだということが重要です。服においても現実世界の服とデジタルの服は同じものです、と証明することが必要です。HKSKは紐づけ技術を中心に、現実世界の服に対してデジタルを活用した新たな付加価値を提供して、コミュニケーションを活性化させることを目指しています。」

現実世界とデジタルを繋げるファッションの新規格「XRT」

HKSKのプロダクトである「XRT」は、現実世界のアイテムとデジタルアイテムの紐づけを行うアクティベーションを含めた総称であり、現実世界とデジタルを繋げるファッションの新規格であると話してくれた。
XRTには3つの特徴がある。1つ目は現実世界のアイテムとデジタルのアイテムを同じものだと証明できる機能。これはチップと呼ばれるNFCタグに情報が保持されているのでいつでも参照が可能だ。
2つ目はチップにスマートフォンをかざすとAR(拡張現実)エフェクトを表示させて、コンテンツに合わせてさまざまなエフェクトを身にまとうことができる。
3つ目はTシャツというメディアを生かして、メタバース上などのあらゆるデジタル世界で衣服着用を可能にする。こちらは現在開発中となっている。
「XRTは、現実世界のアイテムとデジタルのアイテムをスマートフォンを用いて1対1で紐づけできるようになっています。ECサイトで商品を買うと服が送られてきて、スマホでその服に含まれたチップを読み込むと、この現実世界のアイテムとデジタルのアイテムは一緒ですということがアクティベーションされる仕組みです。
デジタル上でも現実世界のアイテムと同じアイテムを持っていることが証明されます。ゆくゆくはFortniteZEPETOBondeeなどのゲームやメタバースでの実装を目指していきたいです。アイテムを持っていることによって、現実世界、デジタルのどちらでもコミュニティに参加できる機会を提供していきたいと思っています。」

XRTの規格を使ったオリジナルIPプロジェクトNOH

オリジナルIPプロジェクトNOH(のう)はXRTの規格を使ったプロジェクトだ。
NOHは、日本伝統芸能の「能」の精神を背景に3体のキャラクターが存在する。
「RYUJIN」、「ONI-CHAN」、「KOCHO」の特性に合わせた異能(AR)を身にまとうことができる。
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