高校サッカー選手権出場選手から、圧倒的な支持を獲得している
ミズノ「モレリア ネオ(MORELIA NEO)」シリーズ。初代「モレリア」が登場したのは1985年のこと。以来、軽量・柔軟・素足感覚というコンセプトを変えることなく、「モレリアを超えるのは、モレリアだけ」をスローガンに、アップデートを重ねてきた。
「モレリア ネオ」シリーズは、「モレリア」シリーズのコンセプトをそのままに、さらなる軽量性を追求し、最先端技術を投入して、2011年にデビューしたもの。最新作「
モレリア ネオ Ⅳ ジャパン」には、どのようなテクノロジーが秘められているのだろうか。
ここ数年、高校サッカー選手権出場者のスパイクシェアは、ミズノの「モレリア ネオ」シリーズと「モレリア」シリーズによるワンツーフィニッシュが続いている。トータルのブランドシェアでもミズノが1位を不動のもの としている。
圧倒的に支持されるようになったきっかけには「モレリア ネオ Ⅲ」の登場に加え、コロナ禍の影響もあったとミズノ グローバルフットウェアプロアクト本部の富田壮さんは言う。
2020年に発売された「モレリア ネオ Ⅲ」が多くのファンを獲得
「おかげさまでこの5、6年は、プロ選手だけでなく中高生・大学生からも多くの支持を得ていますが、ずっと良かったわけでもなく、外資のメーカーが強かった時期もありました。2020年の6月に発売したモレリア ネオ Ⅲは、現代フットボーラーの足に合わせてラスト(足型)をリニューアルし、アッパーの中足部にカンガルーレザーに匹敵するほど柔らかいBareFoot Leather(ベアフットレザー)という名のマイクロファイバー人工皮革を採用するなど、モレリア35周年に合わせて大きなアップデートを行ったモデルです。
これが、たまたまコロナ禍のタイミングでした。コロナ禍では世界各地の工場の稼働がストップし、それ以前に材料調達も難しくなるなか、流通するスパイクが限られたものになりました。プレイヤーたちの試合や練習の機会も減ってしまいましたが、だからこそ吟味して買いたいというマインドにもなったのだと思います。
モレリア ネオ Ⅲは本当にたくさんのプレイヤーに履いてもらうことができましたし、ミズノのスパイクの魅力を多くの人に 知ってもらうことができました」
素足感覚を維持しながら、ホールド感と安定性が向上
シリーズ最新作「モレリア ネオ Ⅳ」が登場したのは昨年の7月。旗手怜央選手や相馬勇紀選手といった日本代表選手も愛用しているモデルだが、「モレリア ネオ」シリーズのシェア拡大に貢献した「モレリア ネオ Ⅲ」からは、どこがアップデートされたのだろうか。「モレリア ネオ Ⅳの開発は、モレリア ネオ Ⅲを愛用しているプレイヤーたちの意見を数多く集めるところからスタートしました。“変えないでほしい”“このままでいい”という意見もたくさんあるなかで、不満には感じていない不満というか、ここが良くなったらより良いかもしれないといった小さな声を集め、根幹は変えることなく、細部を微調整しました」
たくさんのファンを抱えたシューズのアップデートは難しい。一歩間違えれば、ファンを失うことになる。しかし、変わらずにその場に留まっていては、他社に追い越される可能性もある。
「モレリア ネオ Ⅳ」のアッパーは、前作同様、前足部にはウォッシャブルカンガルーレザーを採用。中足部には新しくBareFoot LeatherLeather NEOが採用された。
「モレリア ネオ Ⅲに採用したBareFoot Leather Leatherに関しては多くの選手からとてもポジティブなフィードバックをもらっていました。ただ、一部の選手からもう少しホールド感があるとうれしいという意見があったことから、斜め方向に2本、横方向に1本のナイロンフレームを内蔵しました。
材料自体を硬くすることでもホールド感やサポート感を高めることはできるのですが、そうすると硬さが出てしまい、魅力である柔軟性や素足感覚を損なう可能性があります。柔らかさをキープしながらホールド感を高めるために、フレームを搭載しました。
ラストについては前作に引き続き、現代のフットボーラーの足型に合うように設計されたEngineered Fit Last NEO(エンジニアード フィット ラスト ネオ)を採用しています」
アウトソールについても基本設計は「モレリア ネオ Ⅲ」を踏襲。スタッドの配置や高さは変わっていない。変更したのはシャンクパーツの形状。地面からの突き上げ感を軽減しながら、安定性と足裏中足部の素足感覚を高めるために、シャンクパーツはI字からY字に形状が変更された。