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2023.05.02

TPUプレートを搭載し大きく進化! ニューバランス「FuelCell Propel v4(フューエルセル プロペル)」は どんなシューズへと変貌を遂げたのか

反発性と軽量性に優れたミッドソール素材の「FuelCell(フューエルセル)」を採用した「FuellCell」シリーズの入門モデル的存在で、クッション性の高さと弾むようなライド感に定評があった「FuelCell Propel(フューエルセル プロペル)」。
今回のアップデートではTPU(熱可塑性ポリウレタン)プレートを搭載し、プレート入りシューズの入門モデルという位置付けになった。アップデートにはどのような意図があり、今回の「フューエルセル プロペル」はどんなシューズに進化したのだろうか。ニューバランス ジャパン フットウエア企画部でランニングカテゴリーを担当している間宮 葵さんに話を聞いた。

カーボンプレートシューズとノンプレートシューズを繋ぐ存在

カーボンプレートを搭載した厚底のランニングシューズは、登場直後こそトップアスリートやエリートランナーだけが着用していたが、今では市民ランナーの間でも浸透し、多くのランナーがレースやトレーニングで着用するようになった。
「マラソン大会を見ても、多くの市民ランナーがカーボンプレート入りの厚底シューズを着用して、レースに挑んでいます。ランニングシューズのマーケットは、レース用のカーボンプレート入りシューズと、ジョグ用のプレート非搭載シューズの両極化しているのですが、その両者を繋ぐモデルとして開発されたのが、フューエルセル プロペル v4になります」
トップレベルのランナーがレースで着用することを想定して開発されたカーボンプレート入りの厚底シューズは、高い反発力が大きな魅力。しかし、ランナーのレベルによってはオーバースペックとなり、足腰に思わぬ負荷がかかり、経験したことがない部位の故障の一因になる可能性は否めない。学生駅伝に出場するレベルの大学でも、ケガの予防や脚力強化のために、トレーニングでカーボンプレート入りのシューズの使用を制限することもある。いくら推進力が得られるとはいえ、常に履けばいいというものではないのだ。
しかし、レースでカーボンプレート入りのシューズを使用するのなら、その感覚に慣れ、プレートの助力効果を最大限得られるようにするトレーニングも重要だ。
「プロペルv4に搭載されているTPUプレートは、カーボンプレートよりも柔らかくしなやかです。プレート特有の反発感覚はありますが、反発自体はカーボンに比べるとマイルドなものになります。レースでカーボンプレート搭載シューズを履くランナーのトレーニング用として、ジョグ、ペース走、ビルドアップ走などに活用できますし、サブ4、サブ5を目指す市民ランナーのレース用にも適したモデルです」
TPUプレートを搭載したフューエルセル プロペル v4。12,100円(税込)
TPUプレートを搭載したフューエルセル プロペル v4。12,100円(税込)
ミッドソールの一部に空洞を設け、プレートのしなりを大きくするVOID(ヴォイド)構造と呼ばれるニューバランスの独自機能が採用されている点も特長だ。
「VOID構造は、接地時のエネルギー貯蓄率を高め、前へ蹴り出す際のエネルギーリターンを向上するためのものです。ミッドソールの中央部分を空洞化することでTPUプレートがしなりやすく、変形したソールが元に戻ろうとする力も大きくなります」
反発性と軽量性を備えたミッドソール素材のフューエルセルは、トップモデルに採用されているものよりも、柔らかさに重きを置いた配合になっている。その分、クッション性が高く、接地はソフトな印象になる。TPUプレートが面で足を支えてくれるので、安定性も高い。
ミッドソールの中央に空洞を設けた構造を採用。オレンジの部分がTPUプレート
ミッドソールの中央に空洞を設けた構造を採用。オレンジの部分がTPUプレート

リーズナブルなプライス設定も魅力のひとつ

反発、安定、クッションのバランスがよく、汎用性の高いプロペルv4。税込みで12,100円という価格もかなり魅力的だ。ランナーの方ならご存知だと思うが、カーボンプレートを搭載したレーシングモデルは、25,000〜35,000円程度の価格になる。
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