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【リレーコラム】都市で「民族衣装」を着ることによる巡り合い――台湾原住民アーリンリンの工房を事例に(益田喜和子)

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PROFILE|プロフィール
益田喜和子
益田喜和子

慶應義塾大学社会学研究科博士課程、日本学術振興会特別研究員。専門は文化人類学、先住民研究、人種・エスニシティ研究。台湾の都市に住む先住民の人々を中心に、異なる民族の共住関係や汎エスニシティについて研究している。論文に「台湾の都市における汎原住民的なつながり:台中市原住民族部落大学を事例に」『三田社会学』27号(2022年)がある。 researchmap

はじめてアーリンリンに出会ったのは、私が交換留学生として台湾にいたときのことだ。
卒業論文のテーマ探しのために参加していたイベントのうちの一つに、彼女が企画していた民族衣装の試着体験コーナーがあった。
台湾といえば漢人文化の印象が強いためか、「原住民族」(1)と呼ばれるオーストロネシア語族系先住民の人々がいることは意外と知られていない。現在では、言語や物質文化を異にする16の民族(2)が原住民族として公に認められており、その装い(3)のあり方も多様だ。
アーリンリンも、パイワン出身の原住民である。イベントを通してパイワンの衣装を試着させてもらい、アーリンリンと写真を撮り、話をしているうちに、彼女が近くで原住民族の服飾品を取り扱う工房を営んでいることを知る。
後日あらためて彼女に会いに行くと、工房だけでなく、それを中心に広がる一つの「都市原住民」集落がそこにあった。

都市原住民が着る「民族衣装」

都市原住民とは、原住民族地区(4)にある集落を離れ都会区へと移住した原住民の人々のことを指す。原住民族総人口(5)のうち、いまや半数以上が都市原住民であるといわれている。
アーリンリンの工房における顧客の大半は都市原住民の人々で、その利用目的はさまざまだ。原住民族文化関連のイベントや大会に参加するため、結婚式を挙げるためなど、原住民族服飾品が一時的に必要となるタイミングで借りに来る人が多い。

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