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【リレーコラム】脱毛広告がつくり出す「ムダ毛」イメージ——「ツルスベ肌」に憧れて(河野夏生)

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PROFILE|プロフィール
河野夏生
河野夏生

奈良女子大学大学院人間文化総合科学研究科博士後期課程1年。専門はジェンダー論、表象論、身体論。脱毛広告等の表象を扱いながら、日本の脱毛文化についての研究を行っている。

日常生活に張り巡らされた脱毛広告

公共交通機関を利用する度に、脱毛広告に取り囲まれていることを実感する。移動時間にスマートフォンでSNSや動画共有サイトを見ていると、何社もの脱毛広告が流れてくる。ふと顔を上げると、吊り革の間から車内に張り巡らされた脱毛広告の中で微笑むモデルと目が合う。
この大量の脱毛広告がつくり出すイメージは私をがんじがらめにする。脱毛しないといじめられるよ、彼氏に振られるよ、脱毛しないから酷い目に遭うんだよ、脱毛したら好きな服が着れるよ、自分に自信が持てるよ、脱毛しただけでこんなに幸せになれるんだよ。そうか、今日嫌な目に遭ったのも、自分に自信が持てないのも、なんだか人生がいまいちなのも、私が脱毛していないからだったんだ。そんな錯覚を抱かせる。
約100年前に婦人誌に登場した脱毛広告は、ポジティブな「無毛」の身体とネガティブな「有毛」の身体を現代に至るまで繰り返し示してきたが[1]、髪の毛と眉毛と睫毛を除く女性の体毛が「ムダ毛」であることを示すには十分で、体毛の生えた女性の身体は醜く、「ツルスベ肌」の広告モデルたちは魅力的で眩しかった。彼女たちの人生もまるで輝いているかのように見えた。

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