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着替えが運動のハードルだった!? KEYUCAが挑んだ「タイパ アクティブウェア」
ライフソリューションブランドのKEYUCA(ケユカ)が、日常着のまま運動に入れるアパレル新機軸「タイパ アクティブウェア」を発売した。
なぜインテリアや生活雑貨を手がけてきた同社が、運動へのハードルを下げるために着圧やポケットの位置まで細かく計算されたウエアの開発に踏み込んだのか。
今回、KEYUCA 商品企画開発部の河崎優香子さんに、日常と運動の境界をなくすウエア開発の思想を伺った。
PROFILE

河崎 優香子(かわさき ゆかこ)
河淳株式会社 KEYUCA
商品企画開発部 服飾雑貨チーム MD担当
インナーのヒットから見えた運動不足の課題
KEYUCAは2025年に「暮らしの課題を解決するライフソリューションブランド」としてリブランディングを行い、さまざまな課題に向けた商品開発を進めてきた。そこで新たに着目したのが、現代人の運動不足という課題だった。仕事や子育て、家事と忙しい日々を過ごすなかで、運動の時間を作れずそのハードルが上がってしまっている人は実に多い。
この課題解決の糸口となったのは、意外にもインナーカテゴリーだった。2022年から展開している課題解決型インナーが人気を集め、特にボディラインを整える「スタイルケアシリーズ」は大人気商品へと成長した。実際に顧客から、ピラティスやトレーニング時のインナーとして使用しているという声が多く寄せられたという。

「スタイルケアのインナーは、胸が垂れてきたりお腹が出てきたりといった、すでに起こってしまった体の課題に対してアプローチしています。今回は、そうした課題が生まれる前に根本からアプローチできないかと考え、アクティブウエアシリーズの立ち上げを決めました」
お客様の忙しい日常のサイクルをいかに崩さずに、負担にならないようスムーズに生活動線をつなぐか。ウエア以外にも、見えても可愛いサポーター、タイムマーカー付きのボトルなど、雑貨まで含めたトータル提案で日常生活そのものをアクティブにすることが、KEYUCAの考えるタイパの形となった。
日常と運動を両立させる「きちんと見え」の難しさ
開発を本格化させるにあたり、事前の社内調査では女性社員の割合が多く、「時間がないから運動がついつい後回しになってしまう」という共通の悩みを抱えていた。そこから毎日運動を続けるには手軽さがもっとも重要であるという結論に至り、着替えの時間を省略できるウエアの開発が本格始動した。その後実施した意識調査でも「88%の人が日常着のまま運動に入れる服を求めている」という圧倒的な結果が出た。日常着のまま運動に入れる服を実現するため、ターゲットと運動強度を細かく設定した。ウォーキングやストレッチ程度の軽いものから、ヨガやジョギング向けまで、アイテムごとにターゲットを分けて展開している。しかし、スポーツウエアとしての機能と日常着としての風合いを両立させることは容易ではなかった。
「生活動線をつなぐウエアですので、これ一枚で運動から、カフェ、買い物、旅行のシーンまで想定しています。スポーツに寄り過ぎてもギア感が強まってしまいますし、生活寄りにしすぎるとスポーツシーンには合わなくなってしまうので、素材選びには徹底的にこだわりました」
アイテムごとにデザインも細かく調整し、たとえばロングTシャツはスポーツジムでの運動を想定する一方、ポロシャツは日常でも綺麗に見える素材を選ぶなど、着用シーンに応じた細かな作り分けが行われている。


ガードルの知見を生かしたスタイルアップ効果
もう一つの大きな課題が、運動時の心理的ハードルだった。意識調査では「7割以上が鏡に映る自分に抵抗がある」という結果が出ており、スタジオの鏡に映る自分の体型を見ることがストレスになり、露出の多いスポーツウエアを着ることを躊躇してしまう人が多いことが浮き彫りになった。しかし、ここでもインナーで培った補整技術が生かされることになる。レギンスのお腹部分にパワーメッシュを採用し、ぽっこりしたお腹を綺麗に見せる機能を持たせた。さらに、ショートパンツでもヒップ上の切り替えを通常より高い位置に設定することで、後ろから見たときの脚長効果を持たせている。

「レギンスはボディラインを気にして躊躇してしまう方が多いのですが、そういった方にぜひパワーメッシュの効果を実感してほしいです。ガードルとは違い、レギンスに適した柔らかさを持つ素材を採用することで、運動時の動きが制限されることもありません」

ガードルの開発経験から、着圧の好みは人によって大きく異なることがわかっていた。ガードル発売時に、しっかりと体型を整えたいというニーズが圧倒的に高かった知見を生かし、今回のアクティブウエアでもリラックスタイプからしっかり整えられるものまで、幅広い世代のお客様が自分にあったアクティブライフを選択できるように選べるラインナップを用意した。
「手ぶらポケット」が叶えるシームレスな動線
日常から運動へのスムーズな移行をさらに後押しするのが、「手ぶらポケット」の存在だろう。ジムに行く際の荷物を極力減らしたいというニーズに応えるため、スマホなどの小物を収納できるポケットを設けた。
スマホなどの小物を収納した際、座ったときにも荷物が取り出しやすく落ちにくいよう、レギンスのポケットを太もも付近に配置した。
「私がジムでトレーニングしているとき、意外と携帯の置き場所がなくて困っていました。ポケットがお尻にあると仰向けになるトレーニングをするときにぶつかってしまうので、あえてサイドの取り出しやすい位置につけたんです」
このポケットは、荷物を入れたままの激しい運動を想定したものではなく、あくまでウォーキングや移動時など、日常とスポーツシーンをつなぐ動線を快適にするための機能とのこと。運動時のパフォーマンスを極限まで高めることよりも、日常生活の中での使い勝手や快適さを最優先する設計思想が、スポーツ専門ブランドとは一線を画す独自のアプローチとなっている。
トータルソリューションに向けて
「タイパ アクティブウェア」は、単なる時短や手軽さを提供するだけでなく、日常の延長線上で自然に運動を取り入れられる新しいライフスタイルを提案している。環境配慮の観点からも、高単価になりがちな再生素材を無理に取り入れるのではなく、長く使えることを前提としたものづくりを重視しているという。「生活動線をシームレスにつなぐウエアの需要は今後高まっていくと思いますし、それはライフスタイルブランドにしか実現できないものだと考えています。長年展開している雑貨商品も一緒に提案することで、点ではなく線での課題解決として、日常のあらゆるシーンをより快適にするトータルなソリューション提案をしていきたいと考えています」
コロナ禍に発売した部屋着と外出着の境界線をなくすツーマイルウェアから始まり、日常と運動の境界をなくすウエアへとさらなる展開を広げるKEYUCAのアパレル。すでに遠赤外線を使ったアイテムやナノテックス加工を施した「すごナノ撥水」商品などもリリースしており、機能性と日常使いの融合を目指した取り組みは着実に広がっている。生活者のあらゆる動線をなめらかにつなぐ同社の挑戦は、これからも続いていく。













