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「GEL-LYTE Ⅲ(ゲルライト スリー)」35周年を 祝うべく満を持して登場する 「GEL-LYTE ∞(ゲルライト ムゲン)」の開発秘話

2025.08.08
今年35周年を迎えるASICS SportStyle(アシックス スポーツスタイル)の「ゲルライト スリー」。3年の開発期間を経て完成した全く新しい「ゲルライト」シリーズとして登場するのが「ゲルライト ムゲン」だ。今回は「ミタスニーカーズ」としてどんなデザインテーマで作り上げたのか。このモデルに対する想い、そして開発秘話などをディレクターの国井栄之さんに伺ってきた。

歴史ある「ゲルライト」シリーズの良さを融合

1990年に発表された軽量ランニングシューズの「ゲルライト スリー」。今回、その35周年のアニバーサリーとして、上野・アメ横から世界にスニーカーカルチャーを発信するミタスニーカーズとの共同製作で誕生した「ゲルライト ムゲン」。コラボに至った経緯を聞いてみると国井さんはこう答えてくれた。
「ゲルライト」シリーズの3代目と5代目を融合させた「ゲルライト ムゲン」。ミタスニーカーズではおなじみのトリコロールも健在だ。25,300円(税込)
「基本的に『ゲルカヤノ14』の復刻やY2Kのデザインランゲージを踏襲したフュージョンモデルから『アシックス スポーツスタイル』を知った人は、ブランドのアイコン的な位置付けである『ゲルライト』シリーズに触れる機会が少なくなっています。
自分のディレクションモデルとして昨年から今年の3月にかけてリリースさせて頂いた『ゲルライト スリー』のシリーズも、実はこの『ゲルライト ムゲン』に向けてのティーザーのような存在でした。
35周年とはいえ、今年もインラインでは『ゲルライト スリー』はスタンバイされていないので、この『ゲルライト ムゲン』はこれまで『アシックス スポーツスタイル』に接点を持っていた方々が独自のタイミングやカタチで周年を祝うべくローンチするプロジェクトの、“ミタスニーカーズ”バージョンとなります」
今回の「ゲルライト ムゲン」はどういった特徴を持っているモデルなのだろうか。国井さんはこう続ける。
「『ゲルライト スリー』の周年ですが、今回は『ゲルライト』シリーズの3代目と5代目の数字を足した“8”から着想を得ました。アッパーの外観はモノソック構造が特徴的な『ゲルライト ファイブ』をトレースしながら、“スプリットタン”が画期的な『ゲルライト スリー』のディテールを挟み込んだ、レイヤリングデザインが大きなポイントです」
左が「ゲルライト ファイブ」、右が「ゲルライト スリー」。5代目の外観で3代目を層として重ねたデザインが、今回のコラボの肝要となった
“3”と“5”を足した“8”を横向きにした∞(無限)という、あえて日本語をモデル名に採用したところが、ミタスニーカーズらしさの表れといってもいいだろう。

樹木の年輪のように“重ねる”というデザインの新境地

今回のデザインに関して、国井さんにはかなり思い入れがあったようだ。それについても国井さんはこう語ってくれた。
「先ほども触れましたが、今回のコラボモデルはデザイン的に3代目と5代目のモデルを何重にも重ねてミルフィーユのようにしたところが特徴です。デザイン的にトレースだけするパターンや、ディテールを切り刻んで再構築するパターン、そしてソールとアッパーを違うものでハイブリッドさせるパターンはありましたが、レイヤーを重ねて作るものは今まで同ブランドではなかったので、試行錯誤しながら作りました。
「ゲルライト スリー」のスプリットタンにはジップをつけることで、スリッポンとしても履ける2way仕様に進化した
『ゲルライト』シリーズは歴史や時代を重ねてきたシューズなので、年輪のように“重ねる”ことにこだわってみました」
ただ単純にデザインをハイブリッドさせるのではなく、機能が折り重なって進化していることがスポーツブランドの真骨頂だということを、見事に具現化させた国井さんのアイディアには脱帽するしかない。国井さんはこう続ける。
履き口は「ゲルライト ファイブ」のモノソック構造が採用されているので、フィット感や履き心地も格別。インソールにはミタスニーカーズではおなじみの金網のグラフィックもインプットされる
「口で言うのは簡単ですが、これを具現化するのは『アシックス スポーツスタイル』の仕事。カタチにするためにかなりの苦労もあったようです。実際に構想から3年かかっているんですよ。
アッパーの構造だけでも仮縫いのサンプルチェックが何回もあったり、アッパーとソールをくっつける際も緻密な計算が必要になるので、カタチにするにはかなり難しい作業だったようです。
内側と外側で“アシックスストライプの配色が違うのも見逃せない
もちろん、イノベーションの部分でまだ見ぬ何かを作り出すことも難しいですが、一方で歴史のあるシューズはそれぞれ作った人、見てきた人の想いもありますし、ブランドとして出すものだからシューズとしての性能もしっかり担保しなければならない。
その難しいバランスを調整していただいたので、『アシックス スポーツスタイル』側の根気の詰まったモデルだと思います」

今こそ“過去・現在・未来”を語るタイミング

今回のコラボモデルは販売アカウントも「ミタスニーカーズ」、「ドーバー ストリート マーケット ギンザ」、「アシックス」の直営店に限られている。取扱店舗に関しても国井さんはこう語る。
「今回の取り扱い店舗は、根幹であるスニーカーショップとファッション文脈で一番尖ったセレクトを魅せるショップ、そして全国をカバーする直営店という、きちんと役割が見える販売経路でお願いをしました。個人的にシューズをフィジカルで販売する場所が持つ役割はいつの時代も重要だと思っています」
ヒール部分もグローインザダーク仕様のゲルを搭載したアップデート版「ゲルライト スリー」のディテールがミルフィーユのように折り重なっているのがポイント
今後、「ゲルライト スリー」を含めた「ゲルライト」シリーズはどういった展開を迎えていくのだろうか。国井さんに予想してもらうと、こう答えてくれた。
「『アシックス スポーツスタイル』の認知度が上がった要因は、やはりコラボモデルやY2Kの流れがすごく大きいので、『ゲルライト』シリーズのようなヘリテージモデルを新たなコンシューマーに対して伝えていくことが必要なタイミングに来ていると、個人的には感じています。
メーカーとしても“過去、現在、未来”を、ユーザーに理解してもらうのがベストだと思うので、この機会に『ゲルライト』シリーズを知ってもらいたいです。
色や素材でストーリーテリングするのも大切ですが、コラボでしっかり靴をいじれるタイミングであれば、デザイン的にも3代目と5代目をただ融合しただけでなく、機能にはこういった意味や進化があって、それを年輪になぞらえてレイヤリングデザインとして昇華されている……ということは強調したかった部分でもあります」
2020年と2024年の世界的スポーツの祭典のタイミングで発売された「ゲルライト スリー」。トゥのカラーが印象的だ
ファッションのトレンドは巡る。進化を重ね、しっかりと歩んできた歴史があるからこそ“過去、現在、未来”があるのだ。そんな名作を年輪のように重ねた「ゲルライト ムゲン」は本日8月8日(金)に発売となる。「アシックス スポーツスタイル」や「ゲルライト」シリーズをもっと知りたい人は、ぜひ手に取ってもらいたい。履いてみると、名作たる所以が理解できるだろう。

PROFILE

国井 栄之(くにい しげゆき)

mita sneakers ディレクター

東京の下町である上野から世界へ向けて独自のスニーカースタイルを提案するmita sneakersでクリエイティブ ディレクターを務める。数多くのブランドとのコラボモデルや別注モデルを手掛けるが、ニューバランス関連でのコラボや別注でもその手腕を発揮。現在は虎ノ門ヒルズにオープンしたショップ「Herringbone Footwear(ヘリンボーン フットウェア)」の外部ディレクターも務める。世界的プロジェクトから国内インラインのディレクションまで多岐にわたり、スニーカープロジェクトに携わるスニーカー業界の最重要人物。

mita sneakers

東京都台東区上野4-7-8 アメ横センタービル1F路面店TEL:03-3832-8346 営業時間(平日)11:00~19:30、(土日・祝日)10:00~19:30 https://www.mita-sneakers.co.jp/

Photo by Hiroyuki“Lily”Suzuki(StudioLog)

Text by Yasuyuki Ushijima(NO-TECH)

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