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チャンピオン初のリカバリーウエア! その人気の秘密を解き明かす
いわば日常のオフタイムがすべてリカバリーのタイミングになり得る、ということだ。
開発の経緯、血行促進のメカニズム、デザインや縫製の特徴などについて、Champion 商品部の長谷川孝久さんに話を訊いた。
昨夏の発売以降、本作がオンリーワンの存在感を発揮している理由は、「スポーツブランドならでのアプローチ」が背景にあるようだ。
日常を回復時間に変え、パフォーマンスの充実を図る
「リカバリーウエアの研究に着手したのは2021年です。それまでチャンピオンはアスリートやスポーツを楽しむ方に向けて、パフォーマンスを向上させるための製品を開発してきました。しかしながらアスリート以外、つまりビジネスパーソンや一般の方々にも、パフォーマンスの向上が求められるシーンは必ずあるはず。
ならば100年以上にわたりスポーツウエアを手掛けてきた私たちにこそ、その分野に貢献できることがあるのではないか。リカバリーウエアの開発のきっかけは、そんな思いからでした」

開発当時はコロナ禍で“おうち時間”が増大し、多くの人が「自宅での時間をより快適なものにしたい」という思いを抱くようになった。そんな状況も、チャンピオンとして新たな一歩を踏み出す要因のひとつだったという。
「当時の市場にあるリカバリーウエアは、どちらかというとスリーピングウエアのイメージが強いものだったように思います。でも私たちは最初から、『あくまでもスポーツウエアとしてリーチしたい』と考えました。それがチャンピオンのあるべき姿ですから。
アスリートを例にとると、パフォーマンスを最大限に発揮したいのは試合のときです。遠征の移動時間や会場での待ち時間は、そのための準備というわけです。これを私たちの生活に置き換えると、試合はすなわち働く時間です。そしてそれ以外の日常のオフタイムが、リカバリーのタイミングになります。
ならば睡眠時はもちろん、家でくつろぐときや長距離の移動が『心身の回復時間』に変われば、働くときにより高いパフォーマンスを発揮できるはず。それが、このリカバリーウエアの根幹をなすコンセプトなんです」

25年の秋冬商戦に向けて発表できる準備が整ったのは、24年度のことだった。研究開始からおよそ3年の開発期間を経て、ついにチャンピオン初のリカバリーウエアが誕生したのである。
血行を促進する“セラミックを含んだ糸”
本作の機能をひと言で表せば「血行促進」である。ではなぜ、着用すると血行が促進するのだろうか。「生地の糸に含まれているセラミックが、人体から発生する遠赤外線を輻射するんです。遠赤外線は電磁波の一種です。水分子である血液を振動させることで身体が温まり、血行の促進につながるというわけです。
簡単に言えば電子レンジのメカニズムと同じです。電磁波で分子構造を揺らすことでものが温まる。水がお湯になるのは、分子の運動が活発になるからなんです」

セラミックを含んだ糸の詳細は企業秘密だ。繊維の太さ、長さ、構造なども「チャンピオン独自のもの」とだけ言っておこう。
その糸を用いて作った生地もまた、ほかのリカバリーウエアとは一線を画す質感を備えている。適度にふっくらとしていて、肌触りもいい。
「これも独自のメッシュ構造の生地で、汗をかいてもべたつきません。吸水速乾性とリカバリーウエアとしての機能を両立するこの生地の開発に、多くの時間を費やしました。ほかにはない生地ができたと自負しています」
もちろん個人差はあるものの、本作を着用してしばらくすると血行促進の反応が現れ、一定時間の経過とともにその効果は高まり、やがてピークに達するという。そして、1週間、2週間と着用を続けるうちに、徐々にリカバリー効果を実感できるようになるというわけだ。

「購買層やターゲットは特に限定していません。30〜50代の男女で、広く一般の方々に着用してもらいたいと思っています。
ただやはりスポーツブランドからの発信なので、アスリートやスポーツを親しむ方、疲労回復や健康に関心のある方へ、という方向性は意識しています。
加えてチャンピオンというブランドのもうひとつの側面である、ファッション性を支持してくれる方々にも満足いただきたい。つまりデザイン面でも私たちならではの提案ができる、と考えました」
快適な着心地と優れたデザインを兼備
では本作のパターンやカッティング、縫製についても詳しく見ていこう。最大の特徴は、パネルで構成された「3D:4CUT」と呼ばれる設計にある。「ショートスリーブTシャツを見ていただくとわかりやすいと思います。一般的なTシャツは両脇に縫い目がありますよね。前身頃と後ろ身頃を貼り合わせたような設計になっています。そのため、構造としてはあまり立体的とは言えません。
対するこのリカバリーTシャツは、前面、左側面、背面、右側面の4枚のパネルで構成されています。この設計が着用時に立体的なフォルムを生み出し、ストレスのない着心地を実現してくれるのです」

身体に自然に沿う、計算し尽くされたシルエットである。都会的なカラーと洗練されたデザインもいい。ただ、肌触りはどうなのだろうか。4枚のパネルを使えば、必然的に縫製する部分が増える。つまりステッチが多ければ、肌当たりのストレスも高くなるのではないか、という懸念だ。
「そこで、極力段差を抑えた『フラットステッチ』を採用しました。縫い目が肌に干渉しにくい、3本針のステッチです。不快感はかなり軽減されると思います。
また何よりリラックスしていただきたいので、きつすぎないシルエットを意識しました。ボトムスも然りで、ウエストからわたりにかけて非常にゆとりのある設計です」

ボトムスはパンツとショーツの2種類が用意されている。ウエストのゴムベルトにもぜひ注目してほしい。このベルトが、実に柔らかくお腹にフィットする。ドローコードには丸紐ではなく平紐を採用し、徹底して肌当たりの軽減に配慮している。こうしたディテールが、実際の着心地に大きく影響していることは言うまでもない。

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また日常着としてのイージーケアという視点からも、本作は実に優秀なのだ。
「自宅での洗濯も、乾燥機の使用も問題なしです。ただし弊社としてはネットに入れて洗うことを推奨しています。もちろん、洗濯によってリカバリーウエアとしての機能が低下する心配はありません」
本作は法律で定められた「一般医療機器」の基準を満たし、血行促進による疲労軽減が期待できる。リカバリーウエアとしての機能を十全に発揮しながら、快適な着心地と優れたデザイン性を兼備する、画期的なプロダクトなのだ。
ウェルネスとファッションの両方に関心のある人にとって、チャンピオン初のリカバリーウエアはまさに福音といえる存在だ。その効果を実感し愛用するファンは、着実に増え続けている。“人気の理由”を体感できる一着を、ぜひ試してみてほしい。
PROFILE
長谷川 孝久(はせがわ たかひさ)
ヘインズブランズ ジャパン株式会社
アクティブウェア商品部
カテゴリープランニングマネージャー
2016年に入社し現職。別会社が手掛けるブランドだった時代を含め、35年以上にわたり日本でのチャンピオン事業に携わる。
Text by Tomoshige Kase





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